この記事は「AFIアメリカ映画100年シリーズ」のひとつ、2008年に発表された「10ジャンルのトップ10」の一覧・詳細情報・所感・おすすめ度(★)をまとめたものです。

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この下にはロマンティック・コメディ映画のランキングがあります。
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映画ジャンル別ランキング★ロマンティック・コメディベスト10

第1位【街の灯】
バスター・キートン、ハロルド・ロイドらと共に「世界三大喜劇王」と称されるチャールズ・チャップリンの傑作のひとつ。
もちろんサイレント映画です。
だから何?
山高帽にちょび髭、手にはステッキというチャップリンお決まりのユニークなスタイルに、コミカルな彼の所作と計算しつくされた舞台装置とギャグがプラスされたらもう、いつの時代の誰だって爆笑不可避。
そしてひとしきり笑ったあとに、すれ違った美女の香水のように心に残る、いくらかの哀愁。
笑えます。そして泣けます。
天才チャールズ・チャップリンを堪能しましょう。
1931年/アメリカ/監督:チャールズ・チャップリン/出演:チャールズ・チャップリン、ヴァージニア・チェリル、フローレンス・リー、ハリー・マイヤーズ、アラン・ガルシア注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好き[…]
第2位【アニー・ホール】
へんこの漫談家アルビー・シンガー(ウディ・アレン)と、不思議の世界を生きている歌手志望のアニー・ホール(ダイアン・キートン)のあんまり共感できない変な恋を描いたロマンティック・コメディ。
合わない人には絶対合わない、独特過ぎるウディ・アレン・ワールドの真骨頂。
1977年/アメリカ/監督:ウディ・アレン/出演:ウディ・アレン、ダイアン・キートン、トニー・ロバーツ、キャロル・ケイン、ポール・サイモン、シェリー・デュヴァル、ジャネット・マーゴリン/第50回アカデミー作品・監督・主演女優・脚本賞[…]
第3位【或る夜の出来事】
【ローマの休日】、【卒業】を始めとする数々の名画に影響を与えたとされるフランク・キャプラ監督のスクリューボール・コメディ。
父親の反対を押し切って結婚を強行した富豪の令嬢エレン(クローデット・コルベール)は、夫に会うため単身ニューヨークに向かう夜行バスに乗り込みます。混雑する夜行バスで隣の席になったのは、見るからに軽薄そうな新聞記者のピーター(クラーク・ゲーブル)。
エレンが世間を騒がせている行方不明の令嬢であることに気付いたピーターは、密かにスクープを狙って彼女と行動を共にします。
数々のアクシデントをその巧みな話術だけで乗り切るピーターがカッコいいし、大事に育てられた富豪の令嬢だとは思えないお転婆すぎるエレンの魅力も尽きません。
力を合わせて苦難を乗り越える珍道中は、すでに結婚後の2人の人生を暗示しているようで素敵。
1934年/アメリカ/監督:フランク・キャプラ/出演:クラーク・ゲーブル、クローデット・コルベール、ウォルター・コノリー、ロスコー・カーンズ、ジェムソン・トーマス/第7回アカデミー作品・監督・主演男優・主演女優・脚色賞受賞注[…]
第4位【ローマの休日】
「いつまでも色褪せない映画」ってこういうのを言うんですかね。
そりゃ白黒だしね。
これはベスト3に入ってて欲しかったなあ。第2位の【アニー・ホール】と交代でええんちゃうかな。
ローマを表敬訪問中の某国の王女アン(オードリー・ヘプバーン)。
余りの過密スケジュールにヒステリー症状を引き起こしてしまったアンは、ほんの数時間のつもりで深夜に大使館を抜け出します。ところが直前に打たれた鎮静剤のせいで路上で爆睡。
そこを通りかかったのはアメリカ人新聞記者のジョー・ブラッドリー(グレゴリー・ペック)。
どうしても起きないアンを放置しておく訳にも行かず、仕方なくアパートに連れ帰ったジョーは、翌朝ようやくアンが王女であることに気付きます。
最初はスクープ狙いでアンのローマ観光案内を買って出たジョーと、ジョーに対して「親切なおじさん」くらいの気持ちしかなかったアンが、次第に惹かれ合っていく眩しい描写に目がくらむ。
2人でローマの町を楽しむシーンが美しすぎて、最後に待っている切ない別れのことなど忘れてしまそうになります。
1953年/アメリカ/監督:ウィリアム・ワイラー/出演:グレゴリー・ペック、オードリー・ヘプバーン、エディ・アルバート、ハーコート・ウィリアムズ、マーガレット・ローリングス/第26回アカデミー主演女優・原案・衣裳デザイン賞受賞[…]
第5位【フィラデルフィア物語】
公開年:1940年
上映時間:112分
監督:ジョージ・キューカー
キャスト:ケーリー・グラント、キャサリン・ヘップバーン、ジェームズ・ステュアート他
上流階級の令嬢をめぐる四角関係を描いたコメディ。
バツイチのトレイシー・ロード(キャサリン・ヘップバーン)はジョージ(ジョン・ハワード)との再婚を控えています。
しかし上流階級の結婚式の様子をスクープしようとする雑誌社は、元夫のC・K・デクスター・ヘイヴン(ケーリー・グラント)と作家のマコーレー・“マイク”・コナー(ジェームズ・ステュアート)、それに女流カメラマンのエリザベス・インブリー(ルース・ハッセイ)らをロード邸に送り込んできます。
婚約者のジョージは当然トレイシーを愛しているし、元夫のデクスターも未だにトレイシーを愛しているみたいだし、スクープ記事を書くためにやってきたはずのマイクまでもがトレイシーの気高い魅力に吸い寄せられてしまい…。
3人の男性に同時に好意を持たれるなんて、私には一生訪れない羨ましい状況。
結婚式はもう目前、トレイシーは一体誰を選ぶのでしょうか。
1940年/アメリカ/監督:ジョージ・キューカー/出演:ケーリー・グラント、キャサリン・ヘップバーン、ジェームズ・ステュアート、ルース・ハッセイ、ジョン・ハワード、ヴァージニア・ウェイダー/第13回アカデミー主演男優・脚色賞受賞[…]
第6位【恋人たちの予感】
コメディアンのビリー・クリスタルが目から鱗の名演技を披露したコメディ。ちなみに相手役のメグ・ライアンの演技はいつもと一緒。
プレイボーイのハリー(ビリー・クリスタル)とサバサバ系のサリー(メグ・ライアン)は、初対面こそ最悪でしたが紆余曲折を経た十年後にはお互いなんでも話せる親友同士に。どちらがフラれてもどちらに恋人ができても何から何まで相談できる居心地のいい関係を築いていました。
ところが元彼が結婚したショックで大泣きしているサリーを慰めていたハリーはついムラムラ。心が弱ってるサリーもそんなハリーについヨロヨロ。
2人はついに男女の関係になってしまいます。
ハリーの持論「セックスが絡む限り男女の友情はあり得ない」に激しく同意。
1989年/アメリカ/監督:ロブ・ライナー/出演:ビリー・クリスタル、メグ・ライアン、キャリー・フィッシャー、ブルーノ・カービー、スティーブン・フォード注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてま[…]
第7位【アダム氏とマダム】
実生活でもパートナーだったスペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘップバーン共演作のひとつ。
地方検事補のアダム・バリー(スペンサー・トレイシー)の次の仕事は、夫の浮気現場に乱入した妻が拳銃を発砲しケガを負わせた事件の裁判。
大方の予想では被害者である夫が有利とされていましたが、予てから男の浮気は許されて女の浮気に厳しい風潮に疑問を抱いていたアダムの妻で弁護士のアマンダ(キャサリン・ヘップバーン)が加害者の弁護に回り事態は一転。
アダムや被害者ら男性陣は法廷でコテンパンにやられます。
法廷での論争がエスカレートするにつれて家庭内でのアダムとアマンダの関係もギクシャクしてきて、最後の方なんてもうシャレにならない。離婚寸前。
2人の間に立った気分で「“仕事は仕事”って割り切りましょうよ、ね?」と言ってあげましょう。
1949年/アメリカ/監督:ジョージ・キューカー/出演:スペンサー・トレイシー、キャサリン・ヘップバーン、ジュディ・ホリデイ、トム・イーウェル、デヴィッド・ウェイン注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きな[…]
第8位【月の輝く夜に】
私の「好きな映画ベスト10」に絶対入ります。ホントに愉快だし登場人物みんなが愛しい。
7年前夫を亡くした37歳の未亡人ロレッタ・カストリーニ(シェール)。
恋人のジョニー(ダニー・アイエロ)がやっとプロポーズしてくれるものの、嬉しいのは「結婚できる事実」だけで、特にジョニーを愛しているわけでもない様子。
ジョニーはロレッタに5年間音信不通の弟ロニー(ニコラス・ケイジ)を結婚式に招待して欲しいと言い残し、結婚の報告のため病気の母親が待つイタリアに行ってしまいます。
ロニーを訪ねたロレッタを待っていたのは、「兄の婚約者を歓迎する弟」とは程遠い、ちょっぴりシビアな心の傷を持つ男でした。
「気が触れた」とか「感傷でぼうっとした」などの意味がある原題【Moonstruck】のとおり、なんだか登場人物みんなが後先考えずなし崩し。
でもそれでいいんじゃないの?
時にはあれこれ考えるより本能の赴くままに猪突猛進しちゃえば?
その方が事態が好転することだってあるんですよきっと。
1987年/アメリカ/監督:ノーマン・ジュイソン/出演:シェール、ニコラス・ケイジ、ヴィンセント・ガーディニア、オリンピア・デュカキス、ダニー・アイエロ/第60回アカデミー主演女優・助演女優・脚本賞受賞注※このサイトは映画の[…]
第9位【ハロルドとモード 少年は虹を渡る】
アメリカでカルト的人気を誇る、80歳の老婆と19歳の少年の約60歳差の恋を描いたラブストーリー。
「80歳の老婆」って言ってもモードを演じたルース・ゴードンが超プリティーなんで全然OK。実際観てみると「60歳差の恋」と聞いて思い浮かぶほどの突拍子の無さはないと思います。ハロルド(バッド・コート)でなくても恋愛対象になっちゃうんじゃねーの?ってくらい意外とイケる。
他人の葬式に参列するのと狂言自殺をして母親を驚かせるのが趣味の変わった少年ハロルドは、ある日同じように葬式に参列するのが趣味の老婆モードに声をかけられます。
知らない人の車を平気で乗り回し、都会の植木を「可哀想だ」と言って森に植え直してあげるブッ飛んだモードを心底愛してしまったハロルドは、結婚までしちゃいます。

わっはっは!
冗談キツイわ~!
嘘やろ?
本当です。
1971年/アメリカ/監督:ハル・アシュビー/出演:ルース・ゴードン、バッド・コート、ビビアン・ピックレス、チャールズ・タイナー注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意く[…]
第10位【めぐり逢えたら】
90年代に量産された「メグ・ライアン主演のロマンティック・コメディ」の内のひとつ。当時「メグ・ライアン主演」と聞けば若い女性がこぞって映画館に足を運んでいましたよ。
ラジオで妻を亡くした“Sleepless in Seattle”(トム・ハンクス)の身の上話を聞いていたアニー(メグ・ライアン)は、その誠実そうな声と話しぶりに恋をしてしまいます。
残念ながら私にはこの設定からして刺さりません。
「ありそうでない」のが映画や小説といった創作物の醍醐味ですが、いやいや、これは完全に「ない」。ここまで現実とかけ離れているとさっぱり共感できないし面白くもない。
百歩譲ってラジオ番組のいちゲストに恋することがあったとしても、その後シアトルまで行って相手を追い掛け回すだなんて異常者の所業でしょ?
もっと他に色々あるでしょうに、これがトップ10に入るとは…。
1993年/アメリカ/監督:ノーラ・エフロン/出演:トム・ハンクス、メグ・ライアン、ビル・プルマン、ロス・マリンジャー、ルクランシェ・ディラン、オージー・オドネル注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこ[…]
選外★おすすめロマンティック・コメディ映画
おすすめ①【お熱いのがお好き】
ギャングに追われる2人の楽士ジョー(トニー・カーティス)とジェリー(ジャック・レモン)。敵の目を欺くため女装をして女性楽団に入りシカゴからマイアミに逃げおおせるものの、今度は楽団の歌手シュガー(マリリン・モンロー)に2人揃って恋をしてしまいます。
そればかりか女装姿のジョーとジェリーに恋する“男”も現れ、シュガーは“男装”姿のジョーに恋をして、ギャングまでもがマイアミにやってきて…。
収拾不可能かと思われた事態を丸く収めたのは、あの男の一言でした。
おかしい。
【お熱いのがお好き】がトップ10に入らないなんておかしい。
1959年/アメリカ/監督:ビリー・ワイルダー/出演:マリリン・モンロー、トニー・カーティス、ジャック・レモン、ジョージ・ラフト、ジョー・E・ブラウン/第32回アカデミー衣裳デザイン(白黒)賞受賞注※このサイトは映画のネタバ[…]
おすすめ②【ブロードキャスト・ニュース】
TV局に勤めるの3人の男女の恋模様。
3人の性格がよく分かる子供時代の描写から始まり、それぞれの別の道を進んだ彼らの7年後まで、きめ細かく丁寧に描かれています。
とにかくジェーンを演じたホリー・ハンターがハツラツとし過ぎてる。こっちまで元気にならざるを得ない、ある意味活力の押し売りをしてくる迷惑な映画。最高。
1987年/アメリカ/監督:ジェームズ・L・ブルックス/出演:ホリー・ハンター、ウィリアム・ハート、アルバート・ブルックス、ロイス・チャイルズ、ジャック・ニコルソン注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きな[…]
おすすめ③【メリーに首ったけ】
公開年:1998年
上映時間:119分
監督:ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー
キャスト:キャメロン・ディアス、ベン・スティラー他
1994年の【マスク】で人気を博したキャメロン・ディアスが、出会った誰もが恋に落ちてしまう魅力的な女性メリーを演じた少々下品なラブコメディ。
監督・脚本ファレリー兄弟、主演ベン・スティラー。嫌な予感しかしないでしょ?
1998年/アメリカ/監督:ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー/出演:キャメロン・ディアス、ベン・スティラー、マット・ディロン、リー・エヴァンス、クリス・エリオット、リン・シェイ注※このサイトは映画のネタバレしようがし[…]
おすすめ④【七年目の浮気】
【お熱いのがお好き】ほど面白いわけではないけれど、地下鉄の通風口の上に立ちスカートがまくれ上がるのを楽しむマリリン・モンローの伝説的映像だけでも観てみる価値あり。
タイトルは「既婚男性の浮気は結婚後7年目に増加する傾向がある」とする映画内の学説によるもの。
果たして結婚7年目を迎えた主人公リチャード(トム・イーウェル)は、マリリン・モンローの誘惑(?)に耐えることができるのでしょうか?
1955年/アメリカ/監督:ビリー・ワイルダー/出演:マリリン・モンロー、トム・イーウェル、イヴリン・キース、ソニー・タフツ、オスカー・ホモルカ注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視[…]
おすすめ⑤【ラブ・アクチュアリー】
9つもの物語が同時進行するクリスマスを舞台にした群像劇。
豪華キャストの共演もイカスし、登場人物全員がハッピーエンドまっしぐらなんで、安心して観られる1本。
2003年/イギリス、アメリカ、フランス/監督:リチャード・カーティス/出演:ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、コリン・ファース、ローラ・リニー、エマ・トンプソン、アラン・リックマン、マルティン・マカッチョン、トーマス・サングス[…]
ロマンティック・コメディ映画ベスト10★まとめ
★は朱縫shuhouのおすすめ度です。
- 【街の灯】
- 【アニー・ホール】
- 【或る夜の出来事】
- 【ローマの休日】
- 【フィラデルフィア物語】
- 【恋人たちの予感】
- 【アダム氏とマダム】
- 【月の輝く夜に】
- 【ハロルドとモード 少年は虹を渡る】
- 【めぐり逢えたら】
選外
- 【お熱いのがお好き】
- 【ブロードキャスト・ニュース】
- 【メリーに首ったけ】
- 【七年目の浮気】
- 【ラブ・アクチュアリー】

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