ベンと抱き合うベス

映画【ディープエンド・オブ・オーシャン】ネタバレあらすじと観た感想

ベンと抱き合うベス

1999年/アメリカ/監督:ウール・グロスバード/出演:ミシェル・ファイファー、トリート・ウィリアムズ、ウーピー・ゴールドバーグ、ジョナサン・ジャクソン、ライアン・メリマン、アレクサ・ヴェガ

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

カッパドーラ家の記念撮影
©The Deep End of the Ocean/ディープエンド・オブ・オーシャンより引用

私ってたぶん子供に関してはめちゃめちゃ心配性だと思います。

公園に行ってもすべり台やアスレチックで遊ぶ時はついて回るし、車に乗る時は絶対ベルトさせてるし、駐車場ではどれだけ荷物持ってても絶対手を繋ぎますし。

子供から完全に目を離してスマホを注視できる親がちょっと羨ましくなることもありますが(心配でそんなことできない)、でもホントにさあ、誘拐とか他人事じゃないんですって。

 

この映画はフィクションです。

実話じゃないです。

でもこんなことが万が一にも現実に起こらないように、私は子供達が小さいうちは絶対外出先で目を離しません。目を離してなるものか。

【ディープエンド・オブ・オーシャン】です。

 

 

 

映画【ディープエンド・オブ・オーシャン】のあらすじザックリ

夫パットと2人の息子、生まれたばかりの娘の5人で幸せに暮らす写真家のベス。しかしある日、子供達と一緒に参加した高校の同窓会で次男のベンが行方不明になってしまう。9年後、家族でシカゴに移り住んだベスは、近所に住む少年がベンにそっくりであることに気付く。

 

 

実話ではない、が、怖すぎる映画

3人の子持ちのベス・カッパドーラ(ミシェル・ファイファー)は子連れで高校の同窓会へ出かけます。

まだ赤ちゃんの末っ子ケリーはベビーシッターに預け、残った長男ビンセントと次男ベンに少しだけ待ってるように言いつけて会費を払いに行くベス。

同窓会にやってきた母子
©The Deep End of the Ocean/ディープエンド・オブ・オーシャンより引用

ほんの一瞬です。

ちょっとお金払ってきただけ。

周りは昔の同級生でみんな知った顔ばかりだし、安心しきって子供から目を離した、ほんの一瞬で、まるで神隠しのようにベンは姿を消してしまいます

残されたのは「どこ行ったか分かんな~い」とのん気に言ってるビンセントだけ。

 

ちょっとスーパーで迷子になるにしても、実際子供がいなくなる瞬間ってこんなんなんでしょうね。親の血の気だけが静かにスーッと引いていくという…。

ホントにこんな事件があったかのようなリアリティですけど、繰り返しますが実話ではありません。

 

ウーピー・ゴールドバーグの無駄遣い

【ディープエンド・オブ・オーシャン】には行方不明事件の担当刑事キャンディ・ブリスとして【天使にラブ・ソングを…】ウーピー・ゴールドバーグが出てるんですけど…。

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【天使にラブ・ソングを…】ウーピー・ゴールドバーグ

“スーパー刑事”の異名を取ったり、同性愛者って設定だったり、キャラクターの個性も演じたウーピー・ゴールドバーグの個性も抜群だってのに、存在感を示せるだけ示して全然役に立ちません。

キャンディ刑事(演:ウーピー・ゴールドバーグ)
©The Deep End of the Ocean/ディープエンド・オブ・オーシャンより引用

ウーピー・ゴールドバーグを配役した意図がまったくわからん。こんな濃いキャラここには不要。

もったいねー。

 

 

9年後、ベンに似た少年を見つけたベス

子供が誘拐されようが生きて行かなきゃならないなんてね。人生って苦行よ。

残された2人の子供のためにも幸せになろうっていう夫のパット(トリート・ウィリアムズ)の気持ちも分かるし、じゃあベンを忘れろって言うのかと反発するベスの気持ちもわかります。

 

それでも家族4人で支え合い、9年の歳月が経とうとしていました。

 

引っ越した先で、偶然ベスは「想像し得るベンが成長した姿」にそっくりな少年を見つけます。

 

キャンディにも色々と裏を取ってもらって調べた結果、その少年はベン本人で、あの同窓会の日にベスの同級生のイカれた女に誘拐されていたことがついに判明します。しかしそのイカれ女は5年前に自殺、今は「サム・カラス」としてイカれ女の再婚相手を「パパ」と呼び、仲良く暮らしていたのでした。

ベンの奪還が結構あっけらかんとうまくいくのでちょっと面食らいますけど、ベンと再会できて真実が分かるまでのこの描写は余り重要ではないんですよね。

問題はその後。

 

そりゃ他人と同じですもんね

すべての手続きが終わり、カッパドーラ家で暮らすことになっても、何度も何度も夜中に抜け出し元の家に帰ってしまうベン。

そりゃ3歳から9年間離れていた親兄妹といきなり家族のように暮らせって言われても、12歳の多感な少年「サム」には何のこっちゃかワケ分からんでしょう。

無断外泊していたベン
©The Deep End of the Ocean/ディープエンド・オブ・オーシャンより引用

家族に馴染めないベンをただ怒鳴りつけるパットや、なんとかしてベンの気を引こうとするベス。そんな両親に振り回され、それでなくてもベンがいなくなったことにずっと罪悪感を抱いて生きてきたビンセントの苛立ちもマックスに。

しまいには「サム」の「パパ」に、「あんなにつらそうな息子の顔は見たことがない」とまで言われてしまう「血の繋がった家族」。

 

離れていた期間が幸せであればあるほど、元の生活を壊さなければならない双方がつらい思いを強いられるなんて、なんだか矛盾してますよね…。

 

だってこの映画を観ていると、何よりまず無事であったことを喜ぶのは大前提として、もしかしたらベンが誘拐されてる間劣悪な環境にいた方が見つかった時にもっと幸せを感じてくれるのかも知れないとか、不謹慎なことを考えてしまいます。

もしベンが誘拐後監禁や虐待をされていたとすれば、見つかった時に「ママ!つらかったよ!やっぱり本当のパパとママは最高だ!」って、もっと単純な構図で終わることができてたのかも。

 

せっかく見つかったのに、こちらに引き取っても、向こうに引き渡しても、息子に窮屈な思いをさせてしまうなんて親としてつらすぎる。

 

私がベスの立場だったら、まだ12歳のベンに何をしてあげられるんだろうと考えて考えて考えて…頭から煙が噴き出す系の映画です。(結局何も思いつかなかった)

 

 

映画【ディープエンド・オブ・オーシャン】の感想一言

朱縫shuhou

ベンがいなくなって数時間後、それまで放心状態だったベスがベンの写真を見て精神崩壊する場面がヤバイ…。

 

【オリエント急行殺人事件(2017)】でもやられたんですけど、私ってミシェル・ファイファーの「泣き」の演技に弱いらしい。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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