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【普通の人々】あらすじと観た感想。母親だってつらかったろうさ

ヒューマン
映画の概要と注意事項

1980年/アメリカ/監督:ロバート・レッドフォード/出演:ドナルド・サザーランド、メアリー・タイラー・ムーア、ティモシー・ハットン、ジャド・ハーシュ、エリザベス・マクガヴァン/第53回アカデミー作品・監督・助演男優・脚色賞受賞

注※このブログは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

家はでかいのにねえ。

🄫Ordinary People/普通の人々より引用

「いつも挨拶をしてくれて感じのいい人でした。まさかあの人が…」

殺人事件のニュースとか見てると容疑者を知る人がこんな風にインタビューに答えてますよね。…それも結構な確率で。

 

「あいつはいつかこんな事件を起こすと思ってた!」

と証言する人なんて滅多に見かけません。

…報道されへんだけ?

まあそもそも思ってても言わないでしょうが。

 

 

いきなり殺伐とした極端な例を挙げてしまいました。

要するに誰でもちょっと話した内容や普段の暮らしぶりだけでは他人のことなんてわかんないってことが言いたいのです。

 

家族3人で豪邸に暮らし、父は弁護士、母は社交的で完璧に家事をこなし、息子は成績優秀の優等生…という一見すると 超勝ち組一家 であったとてそれは同じこと。

誰だって少なからず何かを抱えているのです。

 

名優ロバート・レッドフォードが初めて監督としてメガホンを握りアカデミー賞を受賞したヒューマンドラマ、【普通の人々】です。

 

 

映画【普通の人々】のあらすじザックリ

シカゴの豪邸で暮らすジャレッド一家。半年前まで4人家族であったが長男のバックがヨットの転覆事故で帰らぬ人となり家族は3人に。事故の現場に居合わせた次男のコンラッドもその後自殺未遂をはかり、一命は取りとめたものの母親との関係が悪化し精神不安定となる。

 

 

音もなく静かに崩壊していく「家族」

うなされて汗だくで目覚めるコンラッド(ティモシー・ハットン)。

うなされて目覚めるコンラッド

🄫Ordinary People/普通の人々より引用

コンラッドは半年前に悪天候による転覆事故で一緒にヨットに乗っていた兄バック(スコット・ドーブラー)を亡くしました。

その後コンラッドは手首を切って自殺未遂をし病院へ搬送…ようやく自宅に戻り再び学校にも通い始めましたが、こんな調子で眠れない情緒不安定な日々が続いています。

 

 

それぞれの立場で考えてみる

観ていると分かりますが、この家族はもともと崩壊寸前だったようです。

不安定であった4人の「家族」が長男バックがいることでかろうじて安定を保っていたのでしょう。

バックが生きていた時には気付く由もなかったこの事実がバックの死をきっかけにして少しずつ露見していきます。

朝ごはんを捨てるベス

🄫Ordinary People/普通の人々より引用

誰の身にも当然のごとく起こりうる身近な問題がテーマなので、それぞれの立場で色々考えながら観てました。

 

息子:コンラッド

ヨットが転覆するほどの荒波の中、バックの手を離してしまったことで自分を責め続けているコンラッド。(あんなもん誰でも離してまうわ!)

しかも兄は母ベスに似て社交的で人気者で水泳部のエース、家族にとっても常に中心にいるある意味カリスマ的な人物。

多少なりとも幼い頃から劣等感も持っていたことでしょう。

 

作中で明言されることはありませんが、「自分が死んでバックが生き残ればよかった」とまで思ったかも知れません。

 

私が仮にコンラッドの立場なら…

いっぺん家族とも旧友とも離れて、独りで遠くへ引っ越してみるのはどうかなあ?

実際コンラッドは自殺未遂をして入院していた病院での生活を「楽しかった」と言っています。

 

誰もバックのことも自分のことも知らない世界で、やり直してみるのええんちゃう?

 

父親:カルビン

情緒不安定の息子と自己愛が強く外面ばかり気にする妻との板挟みになってる苦労人。

気が小さいのか平和主義なのか、声を荒げるようなことは滅多になくいつも愛想笑いを浮かべています。

 

バーガー医師の元を訪れる

🄫Ordinary People/普通の人々より引用

コンラッドに精神分析医を訪ねるよう勧めたのもカルビンでした。

そうやって各方面に気を遣っているようなそぶりをしてますが、読みが浅くてちょっと鈍感。

バックの死よりももっと以前から、バックには普通に怒鳴ったりもするのに、「優等生だから叱る必要がない」という理由でコンラッドに対しては甘かったのが逆にコンラッドに疎外感を抱かせていた事に気付いていない かわいいおバカさんです。

 

私が仮にカルビンの立場なら…

父親でしょ?

すんごい昭和ですけど、息子が自殺しようとしたりしたらぶん殴っちゃうかな?

 

あかんのか、最近はこーゆー「根性論」とか「星飛雄馬」とかって敬遠されがちですよね。

 

…いやでもあかんわ。

私が父親やったらきっとぶん殴る。

そして息子にはちゃんとそれを愛やと受け止めて欲しい。

…余計死のうとしよる?

 

母親:ベス

私が最も理解できるのがこの母親のベスメアリー・タイラー・ムーアの心情です。

同じ「母親」という立場だからではなくて、ちょっと性格似てるような…。はは。

 

女性に多いかも知れませんけど、体裁とか気にしちゃう時あるんですよね~。

カルビンとベスが友人とのパーティに向かう車の中で深刻な話になっているのに、会場に着くと周囲に気付かれないように「ほら笑って!」とかね…。すげー分かる。

 

でも複数いるきょうだいのどちらか(どれか)だけをあからさまに可愛がる心情だけはさっぱり分かりません。

どーゆー心理なん?

私、第一子も第二子もアホでもブスでもどっちも死ぬほどかわいいけど?

バックと笑い転げるベス

🄫Ordinary People/普通の人々より引用

 

私が仮にベスの立場なら…

ベスはもうホントにコンラッドに愛情がないような感じなので(「母親が息子を愛してない訳ないでしょう?」ってセリフが逆に証明してしまってます)、その感情もありきでのベスの立場であったなら、バックが死んだ時点で家を出ます。

 

愛してない子供と一緒に暮らしてもその子供にいい影響は与えないやろうし、カルビンとも恐らく惰性と世間体だけで一緒にいるんでしょうし。

 

何の未練もなく去ります。

 

 

…ちょっと待てよ、カネ…

 

まあ金はえっか。

夫弁護士やし。

慰謝料的なもん当面の生活費的なもん、たらふくもらえるやろ。

 

 

「家族」が崩壊すると何が残るの?

カルビンに「もう愛してない」と言われたベスが家を出ていき、たった2人残った父と息子がまるで悪魔祓いでもしたかのようにすっきりした表情で本音を少し語り合う場面で物語は幕を閉じます。

しかしこの家族にとって出て行ったベスが元凶であった訳ではないです。

冒頭にも書きましたがこの家族は様々な事情が折り重なって「もともと」崩壊していたのに全員がそのことに気付かず(或いは気付かないふりをして)、「普通の家族」を演じ続けていただけです。

「ママは?」

🄫Ordinary People/普通の人々より引用

バックの死によってその正体が明らかとなり名実ともに崩壊の途を辿ることとなってしまいましたが、きっとこのコンラッドとカルビンなら大丈夫です。

 

コンラッドはきちんと「パパ愛してるよ」と言えましたから。

そしてカルビンはコンラッドに「バカ野郎!」と怒鳴ることができましたから。

 

 

映画【普通の人々】の感想一言

朱縫shuhou
一家の癌であることは間違いないんだけど、一概にオカンだけが悪いとも言えないしなあ…難しい映画ですね

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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「天衣無縫」と「温故知新」を信条として、主に古い洋画を好む映画好き。
様々な映画を観たいのにホラーだけは怖くて観られない可哀相な初老。

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