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- 2026年1月3日
1989年/アメリカ/監督:スティーヴン・ソダーバーグ/出演:ジェームズ・スペイダー、アンディ・マクダウェル、ピーター・ギャラガー、ローラ・サン・ジャコモ、ロン・ヴォーター、スティーヴン・ブリル
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

【エリン・ブロコビッチ】、【トラフィック】、「オーシャンズシリーズ」で知られるスティーヴン・ソダーバーグの初監督作。
今挙げた3作とはかなり
スティーヴン・ソダーバーグ監督がデビュー作でいきなりカンヌ国際映画祭パルム・ドールを獲った地味な(おーい)映画、【セックスと嘘とビデオテープ】です。
【セックスと嘘とビデオテープ】のあらすじザックリ
主婦アンは有能な弁護士ジョンを夫に持ち、郊外の大きな邸宅に住み何不自由ない暮らしを送っている。しかし実際はセックスレスと鬱病に悩み精神科に通う日々で、さらに夫はアンの妹シンシアと不倫中だった。ある日、夫の大学時代の友人グレアムが家捜しのため数日泊まることになる。アンは少々変わり者で芸術家のような風貌をしたグレアムに興味を抱く。
セックスレスの夫婦、奔放な妹、芸術家気取ったイケメン
低予算映画【セックスと嘘とビデオテープ】に出て来るキャストは主に4人。てかほぼ全幕4人だけ。
主人公のアン(アンディ・マクダウェル)は夫のジョン(ピーター・ギャラガー)とのセックスレスに密かに悩み鬱症状が出ちゃってる主婦。
ジョンはやり手の弁護士で、大きな邸宅を手に入れ妻のアンに何不自由ない生活をさせてるけどアンの妹のシンシア(ローラ・サン・ジャコモ)と絶賛不倫中。
でも美しく聡明な姉アンに強烈なコンプレックスを抱いているシンシアがジョンと寝るのはジョンが「アンの夫」であるからで、ジョン自身のことを愛しているわけでもないみたい。

ある日、ジョンの大学時代の友人グレアム(ジェームズ・スペイダー)がジョンの邸宅へやってきます。町を離れて久しいグレアムでしたが、しばらくこの町に滞在するらしく、アパートを探す間ジョンの家に泊まることになるんですね。
アンはまるで芸術家のように方々渡り歩く浮世離れしたグレアムがなんとなく気になり、アンがグレアムを気にかけるとシンシアはまた奪ってやりたい衝動に駆られるし、ジョンはジョンで自分の浮気は棚に上げてアンの勝手な行動は許せないし、っていう、ドロドロではないけど嫌~な感じでリアリティのある4人の人間関係を見せつけられるわけですよ。

あれに似てる、戯曲を基にしたエリザベス・テイラーとリチャード・バートン主演の映画【バージニア・ウルフなんかこわくない】。あの映画に似た感じ。
いずれも会話劇であって、派手な展開や劇的な事件が待ってる映画じゃありません。静かに人間の内面に潜む欲望や不安、コミュニケーションの歪みを暴き出す系の映画です。
内面を引き出す触媒「ビデオカメラ」
グレアムと親しくなるうちに、アンは彼の変な趣味(性癖?)を知ります。
グレアムは旅先で知り合った女性達をビデオに録画してコレクションしてるんです。
いやいや、エロい動画とかじゃないんですよ。女性達はカメラに向かって自分の恋愛やセックスについて話をしているだけなんです。そしてグレアムは白昼素っ裸でソファに座ってそのビデオを鑑賞するのが趣味らしい。

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え、なにそれ…。
気持ち悪…。
まあそうなりますわな。
そうです。グレアムはあんな容姿をしておきながらキモ男なんです。
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旅先で知り合った女性達にインタビューしてんねん。
テーマはセックス。
どういうセックスをしたかとか、したいけれど相手に求められずにいるとか、色んなことを聞くねん。
カメラに向かってする女性もおったね。
淡々と部屋にある大量のビデオテープ(1本1本に収録されてる女性の名前が書いてある)の説明をするグレアムを見て、手に持ってるアイスティーをこぼしそうになるほど呆けるアン。

いえ「呆ける」という表現は正しくないか。この時のアンは「ビデオカメラに向かって自分のセックスを語る」ことにどこか性的興奮を感じているようにも見えます。
倦怠期の夫とセックスしたいけど言い出せない妻。
「良き夫」を演じているけど妻の妹とのスリリングな不倫にのめり込む夫。
奔放なサバサバ系に見えるけど「姉の男と寝る」ことに執着する妹。
秘密にしてる訳じゃないけど他人には理解しがたい変態的趣味を持つイケメン。
【セックスと嘘とビデオテープ】では、そんな「嘘」と「本音」の境界が曖昧な彼らの内面を引き出す触媒としてビデオテープが登場します。

「相手」ではなく「ビデオカメラ」の前では(「ビデオカメラ」の向こう側に「相手」が居るのだとしても)誰もが素直になり、本音をさらけ出す。
それを見抜いたグレアムは実はただの変態じゃなくて集団心理学や精神医学の分野の天才なのかも。
【セックスと嘘とビデオテープ】の感想一言

【セックスと嘘とビデオテープ】って聞いたらエッロエロのセックス映画を想像するでしょう?
でも実際の内容はこの刺激的なタイトルから想像されるそれとは大きく異なります。エロいといえばエロいんですけど、そのエロさ度合いは視覚に訴える直接的なものではなく観客ひとりひとりの想像力に委ねられますから観る人によってまちまちのはず。
本作の見どころはエロさではなく、ビデオを通じて本音が引き出される構図や、不穏な空気が続く心理描写のリアルさにあるんとちゃいますかね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。



