【クイズ・ショウ】

映画【クイズ・ショウ】あらすじと観た感想。TVってこんなもんでしょ?

1994年/アメリカ/監督:ロバート・レッドフォード/出演:レイフ・ファインズ、ジョン・タトゥーロ、ロブ・モロー、ポール・スコフィールド、デヴィッド・ペイマー、マーティン・スコセッシ

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

チャールズに不正を持ち掛けるプロデューサーたち
©Quiz Show/クイズ・ショウより引用

TV好きですか?

私はここ数年ぱったり観なくなりました。理由は色々ありますけど、80~90年代に比べて面白い番組が減ったことも一因ですよね。

まあそれも時代が変わってしまったんで仕方ない。今はちょっと過激な番組を放送しようもんならすぐにBPOが出てきよるしね。製作側もさぞかしやりにくくなったことでしょう。

 

それはさておき、映画の舞台は1950年代。

冒頭に流れる、人気番組の放送時間になると誰もが茶の間に集まってTVのチャンネルを変える描写が懐かしい。

 

人々が「TV」に熱狂した時代の、業界の闇を描いたロバート・レッドフォード監督作品、【クイズ・ショウ】です。

 

 

 

映画【クイズ・ショウ】のあらすじザックリ

1950年代後半、テレビが勢いを増し、民衆が裕福な生活を渇望していた時代。高額賞金で国民的人気のクイズ番組「21」のスポンサーは、連勝中の華のないハービーを降板させ、容貌、教養、家柄において文句のないチャールズ・ヴァン・ドーレンを新しいヒーローに仕立て上げようとする。

 

 

高額賞金の人気クイズ番組「21(トゥエンティー・ワン)」

放送時間には国民全員がTVの前に集まってるのかと思うほどの人気を博すクイズ番組「21トゥエンティー・ワン」。

クイズの挑戦者は2人で、それぞれお互いの音声が遮断された別のブースに入り順番に問題に答え、最終的に点数が高かった方が翌週に勝ち残ります。そして当然、勝ち残るごとに賞金の額は跳ね上がっていきます。

 

落ちてはないけど「横這い」の視聴率

現在8連勝中のチャンピオンは、ユダヤ人のハーバート・“ハービー”・ステンペル(ジョン・タトゥーロ)。

ハービー・ステンペル
©Quiz Show/クイズ・ショウより引用

頭は良いけど見た目に華がなく、空気が読めないハービーを、スポンサーは疎ましく思っていました。

オマケに彼の連勝が続いたところで番組の視聴率は「横這い」

ここポイントですよね。

「横這い」ですよ。「落ちて」はない「横這い」

でも「落ちて」なくても「横這い」じゃダメなんです、上がらないと

怖いよねTV業界。

 

いよいよスポンサーからダメ出し食らったプロデューサーは、連勝街道爆進中の冴えないハービーを切り捨てて、新たなヒーローを探し始めます。

朱縫shuhou

「切り捨てて」…?

そうです、「切り捨てて」

実はハービーの連勝は番組側に仕組まれたもの。

ハービーは事前に翌週の問題と答えを教えてもらっていたのです。

 

何やったらハービーだけじゃなくて今までの挑戦者も全員グル。

「ここで間違えて」「ここで考えるフリをして」「次週で負けて」…何もかもプロデューサーの筋書き通り。

すべてはただ「視聴率のため」

 

今でこそねえ。

TVなんてある程度はヤラセで成り立ってるって周知されていますけどねえ。

1950年代当時はガチだと思ってる人ばっかりで、八百長なんて大問題だったワケですよ。

 

ヒーローに仕立て上げられたチャールズ・ヴァン・ドーレン

ハービーの代わりに白羽の矢が立ったのは、チャールズ・ヴァン・ドーレン(レイフ・ファインズ)。

父親のマーク・ヴァン・ドーレン(ポール・スコフィールド)は著名な詩人・小説家で、「ヴァン・ドーレン家」と言えば誰もが知る家柄の御曹司。

しかもハービーと違って清潔感あふれるイケメン(独身)。

レイフ・ファインズ
©Quiz Show/クイズ・ショウより引用

チャールズはハービーに勝利してチャンピオンとなり、その後15週に渡って勝ち続けることになります。

プロデューサーの思惑通り、話題性・カリスマ性に申し分ないチャールズのお陰で視聴率はうなぎ登り。「21」の人気は留まるところを知らぬものとなるのです。

 

番組の不正を暴く立法管理委員会捜査官ディック・グッドウィン

スポンサーがハービーを切り捨てなければ、もしかしたらこの事件は闇に葬られていたかも知れません。

 

使い捨てられてブチギレたハービーは、地方検事局に駆け込んで番組の不正を暴露。

捜査に乗り出したのはハーバード大学を首席で卒業した立法管理委員会の秀才ディック・グッドウィン(ロブ・モロー)。

ロブ・モロー
©Quiz Show/クイズ・ショウより引用

この人のモデルは原作者のリチャード・N・グッドウィン自身です。

 

【クイズ・ショウ】を最初に観た公開当時、私はTV局の不正に憤っていたように思います。

朱縫shuhou

頑張れディック!

不正を暴け!

こんな視聴者をバカにした番組が許されていいはずがない!

でも数十年ぶりに観てみたところ、すっかり番組側の気持ちに共感してしまっていることに自分でも驚きました。

朱縫shuhou

TVなんてショービジネスっしょ?

そりゃドラマティックに演出しないと視聴率なんて上がらないからヤラセして当然でしょうに。

 

その罪を問うなんてナンセンス。

実際私は冒頭に書いています。

「面白い番組がなくなったからTVを観なくなった」って。

そういうことです。

面白くなかったら視聴者は離れてしまう。

視聴者を釘付けにする面白い番組を作ろうと思ったら、事実ばかりでなく誇張した表現や嘘八百にも多少は寛容にならざるを得ないということです。

TV業界の闇を暴く【クイズ・ショウ】
©Quiz Show/クイズ・ショウより引用

時代が変わってから改めて観ると、ディックやBPOみたいな団体がどんどんTVをつまらなくしているような、変な観点で鑑賞してしまっていました。

「一体どっちの味方やねん」みたいな。

番組のスポンサーはあの監督

本編には全然関係ないけど、ハービーの番組降板を指示した「21」のスポンサー会社の社長を演じたのは【タクシードライバー】【ディパーテッド】マーティン・スコセッシです。

マーティン・スコセッシ
©Quiz Show/クイズ・ショウより引用

ロバート・デ・ニーロレオナルド・ディカプリオとの縁が有名な監督ですけど、ロバート・レッドフォードとも仲良いんだね。

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映画【クイズ・ショウ】の感想一言

朱縫shuhou

でもやっぱり「騙されていた」って分かると人間腹も立ちますわなあ。

 

不正はあかんでえ~。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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