2006年/アメリカ/監督:マーティン・スコセッシ/出演:レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォールバーグ、マーティン・シーン、レイ・ウィンストン、ヴェラ・ファーミガ、アレック・ボールドウィン、アンソニー・アンダーソン/第79回アカデミー作品・監督・脚色・編集賞受賞
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本日の映画の主役って、ジャック・ニコルソンですよね?
だって血生臭い組織の抗争や報復・制裁を描いているため次から次へと人が殺されたりボッコボコにされたりする内容なのにこの人ときたら、どれほど凶悪なゴアシーンであってもちょん切られた人間の手を大好物の珍味みたいに扱うことで映画全体をポップなコメディ仕様に塗り替えてしまうんですよ?
なんならちょん切られた人間の手が美味しそうにさえ見えてくる。
ぶっ飛んだ悪のボスキャラ演 らせたら右に出る者はいませんやん。さすが私のジャック。
…と、めちゃくちゃ偏った私的感情を披露しておいてから(※私はジャック・ニコルソンの熱烈ファンです)、本題に移ります。
本当の主演は若手(当時)のレオナルド・ディカプリオとマット・デイモン。
正反対の境遇に立たされた敵同士であると同時に、「自分」を偽らなければならなかったり同じ女性に惹かれてしまったりといった共通する部分も持ち合わせる二人の男を演じています。
恐 ろしく口の悪い特別捜査課巡査部長を演じるマーク・ウォールバーグが本作でアカデミー助演男優賞にノミネートされましたが、個人的には同じく特別捜査課の警部マーティン・シーンの方がいい演技してたと思ってる(おっさんマニア)。
2002年の香港映画【インファナル・アフェア】のリメイクで、マーティン・スコセッシ監督初の(?!)オスカー受賞作となった人間不信になりそうなポリス・アクション、【ディパーテッド】です。
2002年/香港/監督:アンドリュー・ラウ、アラン・マック/出演:トニー・レオン、アンディ・ラウ、アンソニー・ウォン、エリック・ツァン、ケリー・チャン、サミー・チェン、チャップマン・トウ注※このサイトは映画のネタバレしようが[…]
映画【ディパーテッド】のあらすじザックリ
似すぎてる主演の3人
唐突ですけど、ジャック・ニコルソンとレオナルド・ディカプリオって似てると思いませんか?
眉間にしわが寄るとことか、輪郭とか。
レオナルド・ディカプリオ自身もジャック・ニコルソンの顔真似をしてみたりして、ちょっと顔の系統が似ていることは自覚しているようです。
数年前、こんな感じの失礼な見出しのハリウッド・セレブのゴシップ記事を見かけました。
その記事に載っていたのは、太ってますますジャック・ニコルソンに寄せてきているレオナルド・ディカプリオの写真。それを見た私は「うんうん、やっぱり似てる似てる…」と一人でほくそ笑んでいたものです。
それにしてもレオナルド・ディカプリオが「超絶劣化」した姿がジャック・ニコルソンに似ているとは これいかに(←怒ってる)。
“劣化”してなくても似とったわ!
何やったら若い頃のジャック・ニコルソンの男の色気ときたらレオナルド・ディカプリオなんか足元にも及ばないほどだったんだからね(※個人の見解です)。
1970年/アメリカ/監督:ヴィンセント・ミネリ/出演:バーブラ・ストライサンド、イヴ・モンタン、ラリー・ブライデン、ボブ・ニューハート、サイモン・オークランド、ジャック・ニコルソン、ジョン・リチャードソン注※このサイトは映[…]
まあええわ。レオ様も好きだし。
そう言えばもう一人の主人公であるマット・デイモンはマット・デイモンで、出たての頃はよくレオナルド・ディカプリオに似てるって言われてたよね。最近はそうでもないけど。
よく考えたら顔の系統似てる奴ばっかりの映画だね。
犯罪組織の若衆が警察に、新米警官が犯罪組織に
暗黒街のボス、フランク・コステロ(ジャック・ニコルソン)に見込まれたコリン・サリバン(マット・デイモン)少年は、コステロから金銭的な援助を受けて優秀な成績で警察学校を卒業、やがてエリート警察官となります。
サリバンが内部に居ることで警察側の動きはコステロたちに筒抜けになるという、数年越しの壮大な計画が花開いた瞬間でした。
一方、サリバン同様トップクラスの成績で警察学校を卒業したビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)は、親類縁者に犯罪者が多いことを理由に「犯罪組織への潜入捜査」という危険な任務に就かされます。
かくしてコステロを巡って守る者と潰す者の攻防が始まるのでした。
両者の盛大なネズミ探しの物語
お互いの組織にスパイがいることがバレると、どちらも紛れ込んでいる敵のネズミを探すことに躍起になります。
このスパイ合戦はなんと5年にも及び、ネズミは誰でどこにいるんだと探し回っているコステロの身近にいるコスティガンが神経をすり減らし薬無しでは眠れなくなっていく様は痛ましくて見てられません。
ミソはサリバンとコスティガン、どちらも優秀な成績で警察学校を卒業してるということ。どちらかがバカだったら5年もこんな潜入捜査が続いているわけがない。双方頭が回りすぎてボロが出ず、結果長期戦になってお互いの首を絞め合う「無間 地獄」に囚われてしまいます。
心理戦が多い中盤までは静かに敵を欺きじわじわと追い詰めるサスペンス映画の様相を呈しているのに、組織と警察の銃撃戦から突然疾走感が増してきてそのまま一気にラストまでぶっ飛ばす怒涛の展開にテンション上がります。
ラストのディグナムの謎の行動の真意は?
最後まで生き残ったサリバンを「ディパーテッド」に至らしめるのは、触れる者みな傷つける思春期真っ最中のような狂犬ディグナム巡査部長(マーク・ウォールバーグ)。
誰が相手だろうと反論する隙も与えず暴言を吐くだけ吐いて、一体どこに消えたのかと思ったら…。
おお、
ここで出てくるか。
しかし曲がりなりにも「元刑事」が、まるで強盗のような出で立ちでマンションに不法侵入してまで誰かを殺そうとする動機って、謎ですよね?
ディグナム巡査部長が警察に潜入していたネズミがサリバンであることを知っていたのは間違いありません。
本来であればわざわざリスクを背負って殺したりせず、密かに証拠を集めながら正式な手続きを踏んで「刑事として」堂々と逮捕すれば良いはずですよね?
それなのにディグナム(元)巡査部長はなぜサリバンを殺してしまったのでしょう?
…思い返すと、誰彼かまわず悪口雑言の限りを尽くすディグナム巡査部長も、唯一クイーナン警部(マーティン・シーン)にだけは暴言を吐いていませんでした。
若手の頃から尊敬でもしていたのかよほどの恩があったのかは分かりませんが。いずれにせよディグナム巡査部長はそのクイーナン警部が殺されるきっかけを作ったサリバンを相当恨んでいた可能性が高いです。
それはもう、クィーナン警部の仇をとるためなら自分が殺人を犯すことも厭わないほど。
最初から自分を偽る事なく、(クイーナン警部以外)誰に対しても「平等に」ガラが悪かったディグナム巡査部長。
人が人を裏切りまくる映画【ディパーテッド】で、もっとも誠実に人と接していたのはもしかしたらディグナム巡査部長なのかも知れません。
映画【ディパーテッド】の感想一言
第79回アカデミー賞で最優秀作品賞・監督賞など4部門受賞した【ディパーテッド】ですが、演技部門では誰一人受賞してないんですよね。
主演の二人も、助演のマーク・ウォールバーグやマーティン・シーンも鬼気迫るいい演技してたのにねえ?相手が悪かったかな?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。