1942年/アメリカ/監督:マイケル・カーティス/出演:ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン、ポール・ヘンリード、クロード・レインズ、コンラート・ファイト/第16回アカデミー作品・監督・脚色賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
世界史がからきしなもので、苦手なんですよ、どの国とどの国が戦っててどの国が味方でここが一体どの国の領土なのかがティんぷんかんぷんの映画って。
【第三の男】とかね。【誰が為に鐘は鳴る】とかね。
1949年/アメリカ/監督:キャロル・リード/出演:ジョゼフ・コットン、オーソン・ウェルズ、アリダ・ヴァリ、トレヴァー・ハワード、バーナード・リー、パウル・ヘルビガー/第23回アカデミー撮影(白黒)賞受賞注※このサイトは映画[…]
1943年/アメリカ/監督:サム・ウッド/出演:ゲイリー・クーパー、イングリッド・バーグマン、エイキム・タミロフ、カティーナ・パクシヌー、ウラディーミル・ソコロフ/第16回アカデミー助演女優賞受賞注※このサイトは映画のネタバ[…]
まあでもそんなこと気にせず観ましょうよ。
当時のモロッコの戦況なんて知らなくてもハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンが演じる恋人達の愛の深さは感じ取れますから。
本物の愛ってこんなんなのかあ~…。
お目にかかったことないわあ~…。
と唸らずにはいられない傑作、【カサブランカ】です。
映画【カサブランカ】のあらすじザックリ
「カサブランカ」って都市の名前
第二次世界大戦中、ドイツの進軍に脅えるヨーロッパの人達は、アメリカに亡命しようとしてフランス領モロッコの「カサブランカ」という都市にやってきます。
しかし余程お金があるかツキに恵まれでもしない限りアメリカへの通行証が手に入ることはなく、ほとんどの人はただカサブランカにとどまり延々とチャンスを待つしかない、というのが現状。
フランス領と言ってもこの時のフランスの政権(ヴィシー政権)が親ドイツ派で、街中をドイツ兵が我が物顔で歩いてます。
ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマン
そんなカサブランカで盛況を呈する酒場「カフェ・アメリカン」。ここのワンマン経営者が主人公のリック・ブレイン(ハンフリー・ボガート)。
臆面もなく「金がすべてだ」と吹聴してまわり、人付き合いもしなければニコリともしないニヒルな男。女性への態度だって超激辛のハバネロ君。
リックに思いを寄せるイヴォンヌ(マデリーン・ルボー)が酔っ払って絡んできても冷たく一蹴。
取り付く島もございません。
でもこんなの言われてみたい。
「カフェ・アメリカン」で日夜企てられる脱出劇
「カフェ・アメリカン」には色んな国のお客様が色んな事情を抱えてやってきます。
フランス植民地警察のルノー署長(クロード・レインズ)は公衆の面前で殺人犯を逮捕して手柄を立てようとし、ドイツ軍のシュトラッサー少佐(コンラート・ファイト)は政治犯はいないかと目を光らせ、ドイツ抵抗運動指導者ヴィクトル・ラズロ(ポール・ヘンリード)はアメリカ行きの通行証を求めてヤミ取引に訪れる。
ちょっとした異文化交流会。
地下組織の大物であるラズロが謎の女性イルザ・ラント(イングリッド・バーグマン)を伴って酒場を訪れた時、取引相手のウーガーテ(ピーター・ローレ)はすでに通行証を盗んだ嫌疑をかけられルノー署長に逮捕された後。
ラズロは席を外し、そこへやってきたリックはイルザを見て仰天します。
言葉も出ないリックにあっけらかんと「久しぶりね」と微笑んでみせるイルザ。
「なんでそんなに…」と思うくらいになぜか自信満々のイングリッド・バーグマンが神々しい。
さて名セリフ「君の瞳に乾杯」は何回言うでしょう?
実はその昔、パリでほんの数日間だけ付き合っていたらしいイルザとリック。
その時に「お互いのことは詮索しない」と約束していて、生まれも素性もまったく分からないのに二人は強く惹かれ合ったんですと。
ほうほう。
パリでの回想はもう鬱陶しいくらいにラブラブです。
ええ大人がドライブ中に肩組んだりアイスクリーム半分こしたりするんですよ。
羨ましいやん?
そしてとあるカフェでピアノの演奏を聴きながら2人でシャンパンを飲む時に、出ます。
あのセリフ。
わっは!出た!
ところでこの名セリフですが、作中でリックが何回言うかご存知ですか?
私は昔、1回しか言わないんだと思ってました。
普通そうですよね、【風と共に去りぬ】の名セリフ「明日は明日の風が吹く」だって、ヴィヴィアン・リーが口にするのは1回だけです。
1939年/アメリカ/監督:ヴィクター・フレミング/出演:ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル、レスリー・ハワード、オリヴィア・デ・ハヴィランド、トーマス・ミッチェル、ハティ・マクダニエル/第12回アカデミー作品・監督・主演女優・[…]
しかしなんと【カサブランカ】でハンフリー・ボガートはこのセリフを、4回も言います。
4回目なんて乾杯するグラスも何も持っていないのに言います。
「君の瞳に完敗」って言うたんかな。
まあ「君の瞳に乾杯」は原文「Here’s looking at you,kid.」のファンタスティックな意訳であって、「乾杯」なんてどこにも出てこないんですけども。
男の決断が渋すぎ
しかしパリでの幸せは一瞬でした。
ドイツ軍がパリにもやってくるので一緒に逃げようと約束した日、「一緒には行けません。何も聞かないで。愛してる」という手紙だけをホテルに残し、イルザはリックの前から姿を消してしまいます。
その時以来、今初めてこのカサブランカで2人は再会。
イルザはようやく当時は言えなかったすべてを口にします。
実はイルザはラズロの妻で、収容所に捕まっていたラズロが死んだと聞かされ哀しみに暮れていた時にリックと出会い愛してしまったと言うのです。
自分が地下組織の大物ラズロの妻であることは口止めされていたため事実を話すこともできず、その後リックと一緒に逃げようとした当日にラズロが生きていると分かり、手紙を残して一方的に別れを告げる以外にどうすることもできなかったと。
しかしリックと再会したことによってイルザの心は揺さぶられ、もう自分を偽って生きていくことはできなくなります。
ラズロだけをアメリカに亡命させて、自分はリックの傍に残ると誓ってくれるのです。
やっとイルザが突然去った理由が分かり心が通じあったリックも同じく、「ラズロには渡さない」と言ってイルザを抱きしめます。
(うっとり…)
そしてラストのリックの決断を聞いた時、本物の愛とはこういうことかと思わず膝を打ち、一度でいいからこんな恋をしてみたいもんだと思い巡らせてみる訳ですね。
映画【カサブランカ】の感想「屋台のオッサンの売り込みすごい!」
本編には全然関係ないんですが、屋台で織物を見ているイルザに対する店主の売り込みのキレの良さとぼったくり加減が関西人も真っ青なんでご紹介しておきます。話術が巧みな上に動作も面白い。
(言葉が通じない人用にか)色んな金額が書かれたプライスカードを用意していて、サクサクと手品のように値段を提示してくる店主。イルザはまったく買う気ないんですけど、店主は負けじと声をかけ続けるわけですよ。
どうですか奥さん、
その織物はたったの700フラン!
(リックが後ろから現れる)
えっ!
いきなり半額以下行った!
なんだよもお~!
リックの恋人なら100フランでいいよ!
100でええんかい!
原価なんぼやねん!
ぼったくりすぎ!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。