歴代アカデミー最優秀作品賞ランキングBEST90

【ナチュラル・ボーン・キラーズ】あらすじと感想・ネタバレレビュー

ミッキーとマロリー その他(アクション)
©Natural Born Killers/ナチュラル・ボーン・キラーズ
映画の概要と注意事項

1994年/アメリカ/監督:オリバー・ストーン/出演:ウディ・ハレルソン、ジュリエット・ルイス、ロバート・ダウニー・Jr、トミー・リー・ジョーンズ、トム・サイズモア

注※このブログは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

マロリーとミッキー

©Natural Born Killers/ナチュラル・ボーン・キラーズ

【プラトーン】【JFK】で有名なオリバー・ストーン監督作品。

クエンティン・タランティーノが脚本書いてるはずですけど(作風にも現れてる)、オリバー・ストーンが大幅な変更を強いたもんでスネちゃった結果、「原案」にとどまっています。

 

この映画を観て同様の模倣犯が多発するほどの影響力を持ったおっとろしい名画、【ナチュラル・ボーン・キラーズ】です。

 

参考記事 全12作品!クエンティン・タランティーノ映画一覧とおすすめランキング※監督作8つと最新作情報含む

 

 

映画【ナチュラル・ボーン・キラーズ】のあらすじザックリ

父親から性的虐待を受けて育ったマロリーは肉屋の配達のミッキーと恋に落ち、2人はマロリーの両親を殺し逃避行に走る。2人だけで結婚式を挙げたミッキーとマロリーは、その後も行く先々で殺人を繰り返し、やがて時の英雄のごとくマスコミから注目される。

 

 

【俺たちに明日はない】を彷彿とさせる破滅的カップル

食堂で魅惑のダンスを披露するマロリー(ジュリエット・ルイス)に声をかけてきた男性客がギタギタにぶちのめされ、「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な」で選ばれた運の良い1人を除くその場にいた全員が皆殺しにされるという衝撃の場面で幕を開ける【ナチュラル・ボーン・キラーズ】。

犯人はミッキー(ウディ・ハレルソン)とマロリーのノックス夫婦。

 

まるで大好きな歌手のライブにでも来ているように興奮してキャッキャと飛び跳ねるマロリーと、満足そうな笑みを浮かべ嬉々として銃の引き金を引くミッキー。

橋の上で結婚を誓うミッキーとマロリー

©Natural Born Killers/ナチュラル・ボーン・キラーズ

作中でマロリーが「私たちは生まれついての殺人者ナチュラル・ボーン・キラーズとつぶやくように歌う場面がありますが、殺人者である事実はさておき、そもそも「生まれついての」って訳ではないと思うんですけどね。

彼らが大量殺人鬼と化した背景には、マロリーはずっと父親から性的虐待を受けていて母親はそれを見て見ぬフリ、ミッキーも父母から虐待されていたという、生まれ育った環境に問題があったかと。

 

大筋はこのイカれた夫婦の逃走劇です。

 

 

食物連鎖と報道の在り方について

オープニングから自然界の食物連鎖の頂上にいる狼や蛇といった「強者」の映像、一方的にしゃべりつづけるTVの映像、赤や緑の原色に染められた映像とその反対の白黒映像が忙しくランダムに映し出され、この手法は映画の最後まで続きます。

始終流されるTVの映像

©Natural Born Killers/ナチュラル・ボーン・キラーズ

ノックス夫婦が愛し合いキスを交わす場面の背景でさえも自然の空や建物ではなく、TVや映画の「映像」。アルフレッド・ヒッチコックの映画でよく見られたスクリーン・プロセス技法に似ています。

一見ドライブインシアターかと見紛うこれらの手法は、彼ら(私達)の生活のすべてがメディアに掌握されていると解釈していいんですかね?

 

本来おぞましい表現をされてしかるべきである「娘を性のはけ口にする父親とそれを黙認する母親」からなるマロリー一家の描写ですら現実味のないコメディタッチに描かれます。

マロリーのイカれた家庭

©Natural Born Killers/ナチュラル・ボーン・キラーズ

虐待おとん
あとでお仕置きやからな~マロリィ~!

体中綺麗に洗ってベッドで待っとけ~!

観客
(ゲラゲラゲラ!!)
朱縫shuhou
おもろないわ気色悪い!

 

行く先々で殺人を繰り返しながら大陸を横断していく彼らは、どの殺戮現場でもたった一人だけ「生き証人」を残して去ります。

生き延びた被害者達は「ミッキーとマロリーがやった」と証言し、その証言を元にTV局が編成した再現VTRが放送されるや番組視聴率はうなぎのぼり。

番組を担当する視聴率と自分の人気しか頭にないアホキャスターのウェイン・ゲール(ロバート・ダウニー・Jr)なんてもうウハウハ。

番組の編成をするTV曲のみなさん

©Natural Born Killers/ナチュラル・ボーン・キラーズ

現実とフィクションの区別がつかないTVを見た市民の中には、まるで映画のような逃避行を続けるミッキーとマロリーを「かっこいい」と思う者も増え始め、次第に2人はカルト的人気を博していきます。

そして反対に2人を執拗に付け狙う刑事(トム・サイズモア)や刑務所長(トミー・リー・ジョーンズ)も現れ、一躍時の人となっていくのです。

トム・サイズモアとトミー・リー・ジョーンズ

©Natural Born Killers/ナチュラル・ボーン・キラーズ

かく言う私だって、やっぱり有無を言わさず人を殺しまくるミッキーとマロリーを画面を通して観ていると「いけいけGOGO!」って気分になってきますもん。

サブリミナル的にちょいちょいぶっこまれている血にまみれた悪魔のような映像には目もくれず、クールに人を殺して歩く彼らだけに注目して、ですよ。

 

映画ですよ、これ。

真似しちゃダメ。

 

メディアに踊らされない人には悪魔にしか見えない

荒野でガス欠になったミッキーとマロリーは近くのインディアンの家を訪ねます。

TVとは無縁の生活を送る老インディアンの目にはっきりと映る2人の本性“悪魔””TVの見すぎ”の文字が面白い。

老インディアン

©Natural Born Killers/ナチュラル・ボーン・キラーズ

インディアンは孫息子に

老インディアン
コイツら病気なんや

治そうとしても彼らはそれを望まんやろ…

と言って、孫息子に何やらナイフらしきものを渡し、「男になれ」と言ってここを立ち去らせています。

 

老インディアンはミッキーとマロリーに、ある女が毒蛇と分かった上で蛇を助けた結果かまれてしまう話をして聞かせます。

それはまるで2人が”悪魔”であると分かっていて食事を与え泊めようとしている老インディアンそのもの。

 

老インディアンはミッキーにより射殺されてしまいますが(事故みたいなもん)、それは予想していたことだった様子。

老インディアン
20年前悪魔の夢を見てからずっと、俺は待ってたんや…

老インディアンは亡くなった妻の写真を見ながら、「幸せそうに」とも取れる表情でこと切れます。

 

無意味な殺戮を繰り返す”悪魔”であることは間違いないミッキーが、ここでは天使のごとく妻に先立たれ無気力だった一つの魂を救ってるんですよね。

 

やっぱり「生まれついての殺人者ナチュラル・ボーン・キラーズ」ってワケでもないんだと思うんですけど。

捉えようによっては魂の救済者?

 

 

チャンネルを変えればお終い

ラストが一番怖くって。

 

散々マスコミに追い回されて時の人となったミッキーとマロリー。

しかし最後の犠牲者アホキャスターのウェインが殺され2人が逃亡し画面が切り替わった途端、TVのチャンネルは替えられてしまいます。

凄惨な大量殺人現場を生放送で見たにもかかわらず視聴者の興味はすぐに別の番組に移るんです。

世間を騒がせた殺人鬼ミッキーとマロリーが自分たちと同じ平和な日常社会に潜んでいようが、そんなことに誰ももう興味はありません。

幸せそうなノックス一家

©Natural Born Killers/ナチュラル・ボーン・キラーズ

2人は子供を持ち、今日も平然と幸せに生きています。

 

ミッキーに触発されて暴動が起こった刑務所のその後なんかも一切描かれていないのも怖い。

社会の闇に切り込むのが得意なオリバー・ストーン監督らしい、考えさせられる映画です。

 

 

映画【ナチュラル・ボーン・キラーズ】の感想一言

朱縫shuhou
ミッキーが対抗心(?)を燃やすイカれた連続殺人犯としてジョン・ゲイシー、テッド・バンディ、チャールズ・マンソンの名前(映像も少し)が出てきます

2019年にチャールズ・マンソンのシャロン・テート殺害事件を題材にした映画の公開が控えているタラちゃん、彼自身もメディアに多大な影響を与えられた人物のひとりと言えますね

参考 ジョン・ゲイシー…”キラー・クラウン(殺人ピエロ)”の異名を持つ連続強姦殺人犯。殺害人数33人。

参考 テッド・バンディ…IQ124前後。頭脳明晰・容姿端麗のシリアルキラー。女性に乱暴した上で殺害、死体を切り刻み遺棄するという極めて残忍な犯行を繰り返した。30人以上にものぼると言われる正確な殺害人数は分かっていない。

参考 チャールズ・マンソン…殺人カルト集団「チャールズ・マンソン・ファミリー」を率いた指導者。自分の手は汚さず信者を教唆して殺害を行わせた。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

【ナチュラル・ボーン・キラーズ】を観たくなったら

全12作品!クエンティン・タランティーノ映画一覧とおすすめランキング※監督作8つと最新作情報含む
他を圧倒する独特の作風で知られる鬼才クエンティン・タランティーノ。良くも悪くも話題に上る彼の代表作をまとめてランキングしてみました。最新作【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド】の情報も。
全部観た?不朽の名作映画を脳裏に刻もう

コメディ・ヒューマンドラマ・ラブストーリー・SF・アクション・洋画・邦画…国も時代もジャンルも超えた不朽の名作映画1001本の一覧。

あなたが映画好きならきっと、眺めているだけでもワクワクしてくるはず。

その他(アクション)
関連記事とスポンサーリンク



シェアありがとうございます
「天衣無縫に映画をつづる」をフォロー
天衣無縫に映画をつづっている人

「天衣無縫」と「温故知新」を信条として、主に古い洋画を好む映画好き。様々な映画を観たいのにホラーだけは怖くて観られない可哀相な初老。

更新情報を延々つぶやいているツイッターフォローをお待ちしています。

「天衣無縫に映画をつづる」をフォロー
天衣無縫に映画をつづる
トップへ戻る