1933年/アメリカ/監督:メリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シェードザック/出演:フェイ・レイ、ロバート・アームストロング、ブルース・キャボット、フランク・ライヒャー
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巷では【サイコ(1960)】のジャネット・リーが「絶叫クイーン」なんて呼ばれてますけどね、
1960年/アメリカ/監督:アルフレッド・ヒッチコック/出演:アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー、ヴェラ・マイルズ、ジョン・ギャヴィン、マーティン・バルサム、ジョン・マッキンタイア注※このサイトは映画のネタバレしようが[…]
いやいや、
【キング・コング(1933)】のフェイ・レイはあんなもんじゃないから。
もお~お叫ぶ叫ぶ!
セリフのほとんどが絶叫。
目を見開いて絶叫する演技、もしくはショックの余り卒倒する演技しかしてない。
「元祖・絶叫クイーン」はフェイ・レイでお願いします。
映画【キング・コング(1933)】のあらすじザックリ
ストップモーション・アニメーション技術によるモンスター映画
続編やリメイクものってオリジナルを絶対超えられないと思ってる派です。
面白いんですよ?
【キング・コング:髑髏島の巨神】だけはまだ観られてないけど、【キング・コング(1976)】も【キング・コング(2005)】も、面白い。
でもやっぱりオリジナルの【キング・コング(1933)】が一番なんです、私的には。
キング・コング元祖の1933年版なんて、CGはもちろんないし、特撮技術もしょっぼしょぼで、ストップモーション・アニメーション初期のコングの動きなんてカックカク。
ロングショットのコングに握られてるフェイ・レイは絶対人形。
画面のどっからどこまでが合成なのかばっちり分かっちゃうし、コングがいる島の原住民の松明の煙で画面が覆われちゃったりもする。今やったら放送事故ですよこんなもん。
なのになぜか一番記憶に残ってるのはこの初代【キング・コング(1933)】である不思議。
逆にこのカックカクのストップモーション・アニメーションが新鮮で笑えるしね(笑うんかい)。
参考 ストップモーション・アニメーション=静止している物体を1コマ毎に少しずつ動かしカメラで撮影し、あたかもそれ自身が連続して動いているかのように見せる映画の撮影技術、技法。
リアルに映し出される「人間」
体当たりの危険な撮影も厭わず、秘密主義を貫くことで知られる映画監督カール・デナム(ロバート・アームストロング)は、伝説的生物「コング」の撮影のため、主演女優のアン・ダロウ(フェイ・レイ)とともに前人未到の孤島「髑髏島」にやってきます。
髑髏島に辿り着いたデナムは船の乗組員達をぞろぞろと引き連れて、原住民がなにやらまつりごとをしているさなかに上陸。その姿略奪者のごとし。
未開の髑髏島にはキング・コングを始めとする様々な怪物が生息しています。デナムはそんな怪物達の楽園に容赦なく足を踏み入れ、平和に暮らしていた怪物達を攻撃し、金になると分かれば都会に連れ帰り見世物にして儲けようとします。
酷い!
コング可哀想!
いやいやいやいや、ちょっとお待ちなさい?
そうは言ってもあなた、実際こんな怪物目の前にして、「可哀想」とか「彼にも心が」とか、考えると思います?
5メートルもあるゴリラが目の前にいたら恐怖に支配されてそんな動物愛護の精神なんて吹っ飛びますって。
本作以降のリメイク版でも、まるでコングに人の心があって、人とコングが心を通わせているかのように描かれたりするんですけど、それってリアリティに欠けると思いませんか?
「コングが美女に恋をする」とか言ってなんとなく美化されがちですが、コングとしてはただ単に動物的本能で子孫繁栄に最適な雌を見つけただけの話なんですよ。
カール・デナムとアンを始めとするこの初代【キング・コング(1933)】の登場人物が、シリーズの中で一番人間らしい行動をとっていてリアリティがあるんですよねえ。
出てくる怪物はキング・コングだけではない
【キング・コング(1933)】にはキング・コングの他にもいっぱい怪獣(恐竜?)が出てきます。
ティラノサウルスっぽいのとかプテラノドンっぽいのとかブラキオサウルスっぽいのとか。人気ドコロ目白押し。
捕食本能でとにかく人間を襲ってくる怪獣達。しかし生贄として差し出されたアンだけはコングが身を挺して守ってくれます。
このようなコングの行動によって、
とアンに該当する美女に慈愛の心が芽生えてくるのがリメイク作品だったりするんですけど、
いやだからないない!
絶対ないよそんなん。そんな菩薩みたいな女おるか。
本気でこんな怪物に捕まったらひたすら「ギャー!!」ですよ。
ここでもフェイ・レイのリアクションが絶対正しいと思いますね私は。
大体「愛する美女を守ってる」ように見えるけど、これも恐らくコング的には自分の子孫を残す雌を守ってるだけの動物的本能だし。
愛とか関係ないっしょ、冷静に。
できたてのエンパイア・ステート・ビル
ちなみにクライマックスでコングがアンを握ってよじ登るエンパイア・ステート・ビルは、1931年に完成したニューヨークの超高層ビル。
【キング・コング(1933)】の公開は1933年なんで、チラリと映り込むまだピッカピカのビルの映像にちょっと感激するし歴史を感じますよね。
映画【キング・コング(1933)】の感想
この時代の映画の特徴と言うかなんと言うか、結構エピローグが雑なのは普通だったみたいですね。結末よりも過程の方が重要だったんでしょう。
後日談みたいなのはなくて当たり前だし、事件が解決すると実にあっさりと幕を閉じる傾向があります。
【キング・コング(1933)】も然り。
勝手にニューヨークまで連れてきたコングに逃げられ、鉄道は破壊されるわ死人怪我人はでるわ、戦闘機まで出動させて大騒ぎになったというのに、死んだコングを見たデナムが他人事みたいに一言。
美女が野獣を倒したのだ(キリッ)。
は?
これで終わり?!
なんのこっちゃ!
反省とか詫びの一言でもないんかい!
雑ですねえ~。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。