ケネス・ブラナー

映画【オリエント急行殺人事件(2017)】ネタバレ感想レビュー

ケネス・ブラナー

2017年/アメリカ/監督:ケネス・ブラナー/出演:ケネス・ブラナー、ペネロペ・クルス、ウィレム・デフォー、ジュディ・デンチ、ジョニー・デップ、ジョシュ・ギャッド、ミシェル・ファイファー、デイジー・リドリー

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

オリエント急行内部
©Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

久しぶりに映画館に足を運んで観た映画、【オリエント急行殺人事件(2017)】です。

 

朱縫shuhou

アルバート・フィニーがポアロを演じた1974年バージョンの記事はこちら。

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【オリエント急行殺人事件】

 

 

映画【オリエント急行殺人事件(2017)】のあらすじザックリ

エルサレムで鮮やかな推理を披露し窃盗事件を解決した名探偵エルキュール・ポアロ。次の事件の依頼を受けオリエント急行に乗車するが列車は雪崩で立ち往生、その後車内で乗客の1人ラチェットが刺殺体で発見される。世界一の探偵と自称するポアロが前代未聞の謎に挑む。

 

 

「リメイク」と「続編」に関する私見

飽くまで映画に関しての私見ですが(小説や漫画ではこの限りではないのかどうかは知ったこっちゃない)。

【ゴッドファーザーPARTⅡ】以外の「リメイク」もしくは「続編」と銘打たれた作品で前作を超えたか或いは前作と同等に面白いと感じた映画に私は今まで出会ったことがありません。

 

【オリエント急行殺人事件(2017)】は【オリエント急行殺人事件(1974)】のリメイクではなく原作が同じ、というだけではありますけど、それを承知の上で【オリエント急行殺人事件(2017)】を1974年版のリメイクと仮定するなら、

 

2017年版を観終わった今も、

 

この私見は変わっておりません。

 

出し抜けにアレですけど。

1974年版の方が 断然面白い

ジョニー・デップ
©Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

 

 

映画【オリエント急行殺人事件(2017)】のネタバレつっこみ

とは言ってもそれなりに愉快に鑑賞することができたので満足ではあります。

…でも今こうしてレビューを書こうとすると、

朱縫shuhou

あの描写があれば完璧やったのに…

朱縫shuhou

あの変な追加エピソードは必要やったんか…?

などと惜しかった箇所に対する要望ばっかり出てきてしまうので、やっぱりあんまりおもんなかったんかな?

ああ自分の気持ちが分からない…。

なんせ3年ぶりに映画館で鑑賞したもんで、恋した男と食べた大衆食堂のだし巻き玉子がどんな高級ホテルのディナーよりも美味いと感じるように、私の高揚した心理状態によって知らず知らず作品の評価が4~5割増しされてしまっているかも知れません。

 

ケネス・ブラナーのポアロはどっちかってーとあの人に近いような…

「私はエルキュール・ポアロ。恐らく世界一の探偵だ」

出展:【オリエント急行殺人事件(2017)】字幕

©Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

???

ぽ あ ろ ? ?

 

原作や1974年版を知る人がケネス・ブラナーが演じる2017年版のポアロを見て「およよ?」となるのは仕方ないですよね。人間初対面の時は見た目から相手を判断するしかないんですから。

見た目がまず余りにも周知のイメージと違いすぎ。

ぴょこんと上向いた口髭をたくわえ人を煙に巻くようなひょうひょうとした雰囲気を醸し出すのが特徴であるはずなのに、【オリエント急行殺人事件(2017)】のポアロはまあカッコよい。うん。カッコよいのです。

だめだめ~ポアロカッコよくなっちゃだ~め~。

 

さらに悪いこと(?)には、見た目だけでなく凄みとか仕草とかもカッコよい。

百歩譲ってビジュアルについては口出しいたしませんと誓ったところで、立ち居振る舞いに於いても一般的に有名な「ポアロ像」とはかけ離れてます。大層な自信家であることは間違いないにしても、逃げる容疑者を俊足(?)で追い詰めたり杖1本でちょっとした格闘までやってのけたり。

「人間には善と悪の2種類しかない!その中間はありえない!」と正義のキメ顔で断言された日にゃあ忘れかけていたときめきすら思い出します。

旧来のポアロを彷彿とさせたのはせいぜい本を読みながら独りで「ムハハハっ!」と声を出して笑うトコと寝る時に大事な髭を防御する髭カバーを付けるトコくらいか…?

 

ポアロっちゅーかイメージ的にはシャーロック・ホームズに近い感じ。

 

ちょっと待って!ウィレム・デフォーがええ演技してんのに!

こんな記事の中盤くらいで総評みたいなこと書きますけど、ちょっと尺が短いんですよね。

そもそも映画自体が114分と、2時間ありません。

もう少し長くするか、余計な描写をカットするか、手段はともかくもっと被害者であり容疑者である乗客1人1人の心情を掘り下げて欲しかったです。

 

せっかくゲアハルト・ハードマン(ウィレム・デフォー)が迫真の演技を見せているというのにセリフを言い終わった瞬間の実に中途半端な尺で画面が切り替ってしまいます。

ウィレム・デフォー
©Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

ちょいちょい!

もーちょいその表情見たい見たい!

 

ハードマンに限らずですが。

登場人物がセリフを言うだけ言ってぶちぶちと画面が移っちゃうんだわ。

 

余白の美は?!

 

和の心「間」は?!

 

和はないか!ハリウッドやし!

 

しかしこれを尺のせいにしたらあかんわな。

短くたってオモロイ映画なんかなんぼでもあるしな。

 

ミシェル・ファイファーがおばあちゃん役する時代かあ~…お?おお?!

あかん。

文句言うてるみたいになってきた。

ホンマにまあまあおもろかったんですよ?

その証拠に(証拠になるか分からんけど)私ラストの謎解きのシーンで涙出ました。

ペネロペ・クルス
©Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

ピラール・エストラバドス(ペネロペ・クルス)の身の上話でちょっと泣きそうになるも「泣かせてもらえる『間』」を与えてもらえずこらえさせられ、

続いて前述のハードマンの哀しい作り笑いで泣きそうになるもまたしても「間」を与えられずこらえさせられ、

朱縫shuhou

………。

泣かしにかかってきてる雰囲気やけど、この映画ではきっと最後まで泣かれへんな。

と、ハズれて欲しい確信が深くなってきた時、救世主のごとく銀幕に映し出されたのはハバード夫人(ミシェル・ファイファー)でした。

ミシェル・ファイファー
©Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

娘と娘婿、そして孫を2人も失った元名女優ハバード夫人の崩れんばかりの哀哭あいこくに、ようやく私、号泣することができたのです。

 

ミシェル・ファイファーのこの名演技がなかったら私もっと酷評してたと思います。

 

すんごいCG駆使した雪崩もスパイ映画ばりの乱闘場面もカットでお願いします

【オリエント急行殺人事件(2017)】には私が究極に「無駄やわ~」と思ったシーンが2つあります。

 

その1。

悪天候により起こった雪崩が走行中のオリエント急行に直撃する様を描いたすんごい迫力のCG。

いる?これ。

「オリエント急行殺人事件」に、いる?

列車止まります~
©Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

 

その2。

著名なバレエダンサーであるルドルフ・アンドレニ伯爵(セルゲイ・ポルーニン)が、許可なく自分の写真を撮った今で言うところのパパラッチ的な記者団をカンフーばりの早業でのすシーン

パパラッチをのすよ
©Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

アンドレ二伯爵が短気でケンカっぱやいことが何らかの謎を解く鍵になったりするんかと思ってたら、特に意味はありませんでした。

これもいる?

 

このシーン削ってさっきのウィレム・デフォーの泣きの表情最後まで観せてくれへんかなもー。(しつこい)

 

 

この終わり方は…恐らくシリーズ化狙いですよね?

とはいえケネス・ブラナーの演技力たるややっぱり凄まじい。彼が演じたあのカッコよい口髭のおっさんをポアロだと思わず新手の名探偵やと思って観た方が楽しめるんちゃうかと思います。

別物別物。

逆に1974年版を事前に復習までして観に行くんじゃなかったわ…。

 

事件は無事解決、オリエント急行も復旧し、駅に到着した途端にまたしても事件の報せが届きポアロを乗せた自動車が現場へ走り出す場面で【オリエント急行殺人事件(2017)】は幕を閉じます。

続編をにおわせるラスト
©Murder on the Orient Express/オリエント急行殺人事件より引用

…おやこれはもしかして…。

まさかの続編っちゃう感じ?

アガサ・クリスティ作品は日本でも「オリエント急行の殺人」や、「そして誰もいなくなった」がドラマ化されるなど、近年再びブームが過熱。20世紀フォックス映画も本作を皮切りに、すでに2作の映画化を進めている。

出典:「オリエント急行殺人事件(2017)」劇場パンフレット

…あーやっぱり…。

やっちゃうのね…。

2作も…。

 

 

映画【オリエント急行殺人事件(2017)】の感想一言

朱縫shuhou

まずは【ナイル殺人事件】かあ…。

ミア・ファローのポジションは誰がキャスティングされんのかな。

 

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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