1992年/アメリカ/監督:ポール・バーホーベン/出演:マイケル・ダグラス、シャロン・ストーン、ジョージ・ズンザ、ジーン・トリプルホーン、レイラニ・サレル、デニス・アーント、チェルシー・ロス
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

ヒットしすぎてネタみたいになっちゃってる映画について書きます。
このレビューを書くために数年ぶりに観ましたけどね、まあよく出来た映画なんですよ。脚本もしっかりしてるし視聴者の引き込みかたも巧みだし。
でもやっぱりのちのち本作について回想してみると、「あのシーン」しか思い出せない。
「あのシーン」だけが独り歩きしてしまうことが製作側の狙い通りか反しているかなんて知る由もないんだけれど、とにかく映画はスーパーヒット作となったんだから良かったんじゃねえの?
それまで中途半端なB級女優だったシャロン・ストーンを一躍スターダムに押し上げたエロティック・サスペンス、【氷の微笑】です。
映画【氷の微笑】のあらすじザックリ
そのように脚組み替える?シャロン・ストーン大出世作
セックス(騎乗位)の最中に金髪の女性が男性をアイスピックで滅多刺しにするという衝撃の映像から幕を開ける【氷の微笑】(原題は「基本的本能」を意味する【Basic Instinct】)。
事件の捜査に乗り出したのはサンフランシスコ市警のニック・カラン(マイケル・ダグラス)刑事と相棒のガス・モラン(ジョージ・ズンザ)刑事。

容疑者は31箇所もアイスピックでブッ刺され精子を撒き散らして死んだ男の恋人、キャサリン・トラメル(シャロン・ストーン)。

キャサリンの捜査を進めるうちに、逆に彼女の怪しい魅力に囚われてしまう刑事ニックのポンコツぶりを描いた映画です。
嘘です。
いやごめん、嘘でもないか。ニックは最終的にキャサリンにメロメロになっちゃいますから。
アイスピック殺人事件からの一連の騒動は、ニックの元恋人で精神科医、そしてキャサリンの大学時代の同窓でもあるベス・ガーナー博士(ジーン・トリプルホーン)の、学生時代からのキャサリンへの歪んだ愛憎が引き起こしたものであるとして一応の解決をみます。

しかし真犯人がキャサリンであることは明白。
それなのにキャサリンにすっかり骨抜きにされちゃったニックときたら、この幕引きのうさん臭さにはさっさと蓋をして、表向きには容疑が晴れたキャサリンに向かって「俺らはセックスして幸せに暮らすのさ」なんて言っちゃうもんね。
まあまあ、そう怒ってやりなさんな。
そこで思い出されるのが「あのシーン」なワケですよ。
超ミニワンピ姿(ノーパン)のキャサリンが警察署の取調室でおもむろに脚を組み替える「あのシーン」。

こんなことされた日にゃああなた、どんな堅物でも彼女の虜になっちゃうでしょうよ。
私だって【氷の微笑】についてこの場面しか思い浮かばないって言ったでしょ?
要するに私もニックもこの時取調室に居た刑事たちも全世界の視聴者も、真犯人よりキャサリンの股間の方が気になってるってことですわ。

アルフレッド・ヒッチコックへのオマージュ多数
監督は前作【トータル・リコール】でもシャロン・ストーンを起用しているオランダ出身の異才ポール・バーホーベン。
1990年/アメリカ/監督:ポール・バーホーベン/出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、シャロン・ストーン、レイチェル・ティコティン、ロニー・コックス、マイケル・アイアンサイド、マーシャル・ベル、メル・ジョンソン・Jr、ロイ・ブロ[…]
惨殺された警官が“ロボット警官”としてよみがえり悪を討つ近未来ヒーローアクション【ロボコップ】でその名を世に轟かせた人です。
“サスペンス映画の神様”アルフレッド・ヒッチコックに傾倒するポール・バーホーベンは、【氷の微笑】のそこここでヒッチコック映画へのオマージュを捧げています。
アイスピックを何度も振り下ろす冒頭の場面は【サイコ(1960)】のシャワーシーンを彷彿させるし、カーチェイスとニックのアパートの階段は【めまい】を思い起こさせます。

屋外にいるニックが窓越しにキャサリンのナマ着替えをのぞいちゃうシーンは【裏窓】へのオマージュに他ならないでしょう。

ともすればノーパン超ミニでこれ見よがしに脚を組み替える「あのシーン」ばかりが話題になりがちですけど、映画ファンにはたまらない仕掛けも随所に盛り込まれているんですね。
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映画【氷の微笑】の感想一言

近年(?)よく取り沙汰されるのが「【氷の微笑】の真犯人はキャサリンなのかベスなのか」論争。
初見の時からずっとキャサリンが犯人だと思っていた私は、どうしてこんな論争が起こるのか分かりませんでした。
公開当時は“キャサリンが真犯人”で一致していたような気がするんだけど…違ったかな?当時はインターネットとか今ほど普及してなかったから自分の周囲の見解だけにとどまるんだけど。
でも改めて観てみると、確かに“ベスが真犯人”とも取れますね…。
え?どっちなの?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。