2001年/アメリカ/監督:ショーン・ペン/出演:ジャック・ニコルソン、ロビン・ライト、アーロン・エッカート、サム・シェパード、パトリシア・クラークソン、ベニチオ・デル・トロ、トム・ヌーナン、ミッキー・ローク、ハリー・ディーン・スタントン、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ヘレン・ミレン
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
約束守る人ですか?
ほんの1秒たりとも待ち合わせに遅れたこともないし、やると言ったらやる人ですか?
絶対約束破らないとか?破ったことないとか?
私は違います。
約束破ったことなんて死ぬほどあります。
「あとで宿題する」って親に約束して全然守らなかったり、「一生あなただけ」って彼氏と誓い合った翌週には別の男に乗り換えてたり。
まあでも自分に甘いと人生行き詰ることが少ないんで楽ですよ(勧める)。
それに責任感が強すぎると自分が交わした約束事に囚われてしまって人格崩壊してしまわないとも限りませんもの、【プレッジ】のジェリーみたいにね。
映画【プレッジ】のあらすじザックリ
「必ず犯人を見つける」魂にかけて誓うジェリー
見るからに有能そうな警察官ジェリー・ブラック(ジャック・ニコルソン)。
今日は彼の退職日。
署長(サム・シェパード)や相棒のスタン(アーロン・エッカート)、その他大勢の同僚らが参加する盛大な送別パーティのさなか事件が発生。森の中で見つかったのは少女の惨殺死体。
「退職日」まで「あと6時間」あるジェリーは、スタンとともに現場へ急行します。
現場には暴行された上にギタギタに切り刻まれた少女の、文字通り“惨殺死体”があって、余りの惨さに現役警察官の誰もが両親への報告を躊躇する中、明日から気ままな隠遁生活を送るはずたったジェリーがその役目を買って出ます。
泣き崩れる両親。
母親(パトリシア・クラークソン)は亡き娘が作った十字架を差し出し、ジェリーに向ってこう言います。
必ず犯人を捕まえて。
魂にかけて誓って 。
映画のタイトルにもなっている英単語「Pledge」には、「Promise 」のさらに上を行く「誓約」や「契り」と言う意味があります。
退職するその日に起こった少女惨殺事件、そしてこの時に立てた誓い によって、順風満帆だったジェリーの人生はあらぬ方向へ流され始めるのです。
あっという間に事件は“解決”?
意外にも事件発覚後すぐに、前科と知的障害のあるインディアンの青年トビー・ワデナ(ベニチオ・デル・トロ)が容疑者として捕まります。
それにしてもこの時のデル・トロの演技はすごい。
あからさまにおかしい…。絶対コイツがやったんや。
よかった、犯人がすぐ捕まって。
トビーは過去にも少女暴行事件を起こしているし、そもそも「俺が殺した」と自供しているので、これで事件は解決したかに思われました。しかし逮捕されたトビーは警官の銃を奪ってその場で自殺。真相を究明することもできないまま、事件は「容疑者死亡」で解決とされてしまいます。
相棒のスタンと違い、最初からどうしてもトビーが犯人だとは思えなかったジェリーは、すでに引退しているにもかかわらず独自に捜査を続けます。
すると近隣の町で数年に一度、似たような少女惨殺事件が起こっていたことが発覚。過去の犠牲者の父親(ミッキー・ローク)に話を聞いてみると、事件が起こった時の少女の服装や状況が酷似していました。
おかしいよこれは。
おかしいような気がするよ。
「大きな魚を捕らえるにはミミズよりも小魚がいい」
2度の離婚歴があり今は寂しい独り身のジェリーは、退職金でも充てたのか、事件の手掛かりを得られそうな住居付きガソリンスタンドを破格で購入。
思わぬ幸運が訪れた前のオーナー(ハリー・ディーン・スタントン)がウハウハで引っ越して行くのがちょっと面白い。
ジェリーは釣りしか楽しみがない静かな田舎町に移り住み、ガソリンスタンドを経営しながら、親しくなった近くの食堂のウェイトレスのロリ(ロビン・ライト)とその娘クリシーと一緒に暮らすようになります。
ここら辺で、このまま新しい生活を初めて3人で平和に暮らしてくれたらいいのにって思ったりするんですけどね…。気が付けば少女惨殺事件からかなりの月日が経ってるみたいだし、「真犯人は別にいる」というジェリーの“刑事の勘”を除けば事件は解決している訳だし、もうあの事件のことは忘れて楽しく余生を送ってよって思うんです。
そんな話、「映画」的には全然おもろないんやけどさあ。
“平和な日常”に麻痺しそうになった頃合いで、TVに映し出される何気ない釣りの番組のナレーションにゾワっとします。
え…?
ジェリーまさか…
映画【プレッジ】の感想一言
「どんでん返し」という訳ではないにしろ、ラストは予想もつかず、すごく後味の悪い映画です。
もしかしたら閲覧注意系の映画なのかも知れませんが、「枯れたおっさんの哀愁」が死ぬほど好きな私としてはおすすめしたい1本です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。