1999年/アメリカ/監督:スタンリー・キューブリック/出演:トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、シドニー・ポラック、マリー・リチャードソン、トッド・フィールド、ヴィネッサ・ショウ、アラン・カミング、ラデ・シェルベッジア
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【シャイニング(1980)】、【2001年宇宙の旅】、【博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか】などで知られるスタンリー・キューブリック監督の遺作。
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1964年/アメリカ、イギリス/監督:スタンリー・キューブリック/出演:ピーター・セラーズ、ジョージ・C・スコット、スターリング・ヘイドン、スリム・ピケンズ、キーナン・ウィン、ピーター・ブル注※このサイトは映画のネタバレしよ[…]
公開当時はまだ実生活でも夫婦だったトム・クルーズとニコール・キッドマンの共演が話題を呼びました(その後2001年に離婚)。
最初に観た時は余り刺さることもなく、とにかくニコール・キッドマンの大胆な濡れ場や謎の儀式に続く乱交パーティばかりが脳裏に焼き付いてしまって長い間「変態エロ映画」ぐらいの認識でいましたが、改めて観てみると結構面白かったので記しておきます。
映画【アイズ・ワイド・シャット】のあらすじザックリ
“浮気心”に嫉妬するイケメン医師の器の小ささ
イケメン開業医ビル(トム・クルーズ)と芸術家の妻アリス(ニコール・キッドマン)のハーフォード夫妻は、今年もビルの友人ビクター・ジーグラー(シドニー・ポラック)宅のクリスマス・パーティに招かれています。
パーティの席で、アリスはハンガリー人男性にナンパされ、夫のビルは若いデルモのお姉ちゃん2人に囲まれます。
これってつまり、娘もいて結婚十年目にもなるこの夫婦は、まだまだセクシャルな魅力を放っているということ。
でも2人は別の相手と浮気どころかキスをすることもなく自宅に帰り、その晩は夫婦で愛し合って眠りにつきました。
そんな平和なハーフォード夫妻、翌晩もラリって行為に及ぼうとしたところ、ぶっ飛んだアリスが余計な告白をし始めます。
アリスは夏に家族で出かけた避暑地のホテルで、通りすがりの海軍士官の男性に心を奪われたんだそうです。二度と会えなくてもいいからとにかく彼とファックしたいと思ったと。ビルも娘も捨てて彼と逃げてしまいたいと思ったと。
「思った」だけ。
ここまでいいですか、「思った」だけです。
初見の時は見落としていましたが、実はこの映画における数奇な事件のすべてはビルの器 の小ささに端を発します。
だってこのビルときたら、浮気なんてしようはずもないと勝手に信頼しきっていたアリスの告白を聞いて、信じられないくらい嫉妬心をたぎらせるんです。アリスの告白をじっと聞いてる間の表情も血管浮き出て怖すぎだし、今にもそこらへんの固形物とか投げ出しそう。
ついには仕事と偽って夜の街を徘徊し、(思い止まりはしたものの)女を金で買おうとしたり旧友に教えてもらった変な集会に是が非でも参加しようとしたり、海軍士官に抱かれるアリスを想像しては仕事そっちのけでイラついてみたり…、何をやっとんねん何を。
もう一度言います。
「夫とは別の男性と逃げたいと思った」と言っても、アリスは「思った」だけ。
逃げてへんしヤッてへん。
思うだけならどこの世界の妻でも毎日のように思てるわ。
男はイイ女見かけたら普通に「乳もんだろか」って思うでしょ?女は清楚で貞淑だからそんなこと考えへんやろって?アホかい、女だって通りすがりの好みの男に「ごっつタイプやわ~。できるもんならあんな人と再婚したいわあ~」って思ってるって。
これまで自分の妻がそんなこと考えもしてないと思ってた お ま え が バ カ な の !
しかもアリスはちょっと想像してしまっただけだって言ってるのに、ビルはその後ノコノコ娼婦の家までついて行ってる。
たった一度の妻の正直な告白に、完全に自分を見失って迷走。
でもじゃあ仮にそこまで(娼婦の家まで)行ってしまったとしましょうよ。
どうしてもやり場のない怒りというか、湧き上がる感情を抑えきれなくてね?
行ってしまったとしましょう。
それやったらそれで最後までヤッてこんかい。
別の女とセックスしてみたら意外とスッキリするかも分からんのにね?
途中で帰ってくるとか、一番やったらあかんやつやん。しょうもないで~こいつ、ビル。
気になる脇役一挙公開
て、言うても夫婦の形なんてそれぞれでして、初見の時は独身だった私も今や二度の結婚を経たわけで、私としてはうちのゴリラ が外で女ひっかけようが(ひっかけられるもんなら)ヤリまくって病気になって死のうがどうでもいいなあ~(ちゃんと保険に入ってます)などと自分に置き換えて考えつつ、「まあそらこんな夫婦もおるわいな」と一歩引いた視点でハーフォード夫妻の倦怠期を見守っておりました。
主役夫婦の関係よりも今回の視聴で気になったのは個性的過ぎる脇役の面々。
いや「どの」って言うか…、脇役気になる奴だらけやん。
気になる脇役①ミスコンの女王マンディ
まずビルが最初に招かれるクリスマス・パーティでオーバードースによって死にそうになってた女性マンディ(ジュリエンヌ・デイヴィス)。
そうです、秘密の集会でビルを救ってくれた仮面の女性。
何が気になるってその抜群のプロポーション。おっぱい、くびれ、ヒップ、ウォーキング、どれを取っても芸術的。演じたジュリエンヌ・デイヴィスはミュージシャンでもあるそうです。道理で、脱ぎっぷりがロックやわ。
ビルをかばったあと、仮面の男に紐パンをひょいっと引っ張られて連れて行かれるシーンが好き。
気になる脇役③貸衣装屋「レインボー」の店主ミリチ
ビルが集会に出席するための衣装と仮面を急いで借りに行った貸衣装屋「レインボー」の店主ミリチ(ラデ・シェルベッジア)。
最初こそ深夜にやってきたビルをいぶかしんでいましたが、衣装代プラス200ドルを支払ってもらえると分かってからは気風 よく衣装を選んでくれます。
ビルが「タキシードと仮面とマントを貸して欲しい」と言った時の、何かを知ってそうな意味ありげな表情が不気味すぎてあなたのことが頭から離れません。
気になる脇役④貸衣装屋「レインボー」の店主ミリチの娘
深夜に店の裏手でコスプレパーティを楽しんでいたミリチの娘(リーリー・ソビエスキー)は、ある意味でもっとも謎と言えば謎の人物。
いや、ミリチとセットで「謎の親子」か?
親子そろって「何かを知っている感」が半端ない。
気になる脇役⑤ホテルのフロント・クラーク
謎の集会の唯一の手掛かりで旧友のニック・ナイチンゲール(トッド・フィールド)を探すため、彼の滞在先のホテルを訪ねるビル。
その時に対応したフロント(アラン・カミング)が、なぜかオネエ。
なんでや、なんでフロントがオネエである必要があったんや。
気になる脇役⑥尾行してくるスキンヘッドのおっさん
謎の集会のことが頭から離れないビルが目的もなく深夜の街を徘徊していると、背後の人の気配に気づきます。
振り返るとじっとこちらを見ている(気がする)スキンヘッドのおっさんが…。
不気味なピアノの旋律をバックに流すスタンリー・キューブリックらしい演出が切迫感を盛り上げます。
次の瞬間、じっとこちらを見据えたまま、おっさんは建物の向こうへ消えて行くのでした。
もう一回!
もう一回戻ってきてくれ!
絶対おもろい!
気になるカメオ出演:スタンリー・キューブリック
最後はあの人ですよ。
出とるんですわ、嬉しそうに。
前半~中盤あたりの、ニックが働く「ソナタカフェ」の客として。
スタンリー・キューブリックが。
映画【アイズ・ワイド・シャット】の感想一言
【アイズ・ワイド・シャット】の試写会の5日後に突然訪れたスタンリー・キューブリックの死には陰謀説もささやかれていますが、真偽は不明です。享年70。
完璧主義で攻撃的な人だったみたいだから敵は多かったでしょうけどねえ。
熱狂的ファンでもないですけど、彼の作品はもっと観てみたかったなあ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。