1931年/アメリカ/監督:チャールズ・チャップリン/出演:チャールズ・チャップリン、ヴァージニア・チェリル、フローレンス・リー、ハリー・マイヤーズ、アラン・ガルシア
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

最近、笑ってますか?
最近、泣いてますか?
笑って泣くのって体にいいんだってね。
笑いましょう。
泣きましょう。
思いっきり笑いたい時も思いっきり泣きたい時も、この映画が必ずお役に立ちます。
【街の灯】です。
映画【街の灯】のあらすじザックリ
“喜劇王”チャールズ・チャップリンのロマンティック・コメディ
バスター・キートン、ハロルド・ロイドらと共に「世界三大喜劇王」と称されるチャールズ・チャップリンの傑作のひとつ。
山高帽にちょび髭、手にはステッキというチャップリンお決まりのユニークなスタイルに、コミカルな彼の所作と計算しつくされた舞台装置とギャグがプラスされたらもう、誰だって爆笑不可避。
そしてひとしきり笑ったあとに、すれ違った美女の香水のように心に残る、いくらかの哀愁。

笑えます。そして泣けます。
天才チャールズ・チャップリンを堪能しましょう。
ルンペンが花売り娘に恋をする
【街の灯】の時のチャップリンのイメージって、“浮浪者”というよりも昔よく使われてた“ルンペン”って感じなんで、そのように記載します。
参考 ルンペン=布切れやボロを意味するドイツ語が語源。浮浪者やホームレスの意。
ある日大通りを歩いていたルンペン(チャールズ・チャップリン)は、街角で花を売る可憐な娘(ヴァージニア・チェリル)に出会います。

一目で彼女に心奪われ、差し出された花をひとつ買うことにしたルンペン。
でもその時花を落としてしまい、落とした花をすぐに拾えなかったことから娘は盲目であることに気付きます。
拾った花を胸元に刺してもらい、なけなしのお金を渡すルンペン。
娘がおつりを渡そうとすると、目の前に停まっていたタクシーが通りすがりの紳士を乗せて発進します。
お待ちになって!
おつりを…。
ルンペンは忍び足でその場を離れ、娘は花を買ってくれたのがどこかお金持ちの紳士だと誤解してしまいます。
チャップリンはこの場面の撮影だけで1年以上もの歳月をかけたそうです。
その甲斐あってホントに美しくて甘酸っぱい、印象に残る名場面に仕上がっています。
怒涛の勢いで押し寄せる“笑い”
冒頭のこの出会いの場面とラストの再会の場面を除くと、中盤はほとんど爆笑することになります。
特に自分の立ち位置がボケというよりはツッコミだと思っている人は覚悟してご覧ください。
チャップリンは基本的にはボケっぱなしなんで。
拾うのが大変なんですよ。

から始まり、
逆!
葉巻ぎゃく!
などなど…。
まあ観ない限りはどう書いても伝わらないと思うんで、TVの前の私のひとりツッコミだけ読んどいてください。
ちなみに私はチャップリンの映画は毎回息切れするぐらい爆笑します。
ラスト1秒のチャップリンの破顔
初見の時はね、観終わった後に涙が溢れましたね。
でも2回目以降は当然結末を知ってるわけで、逮捕されたルンペンが釈放されて再び街に戻ってきたあたりからもう泣けてきます。

そして何と言ってもラストのルンペンのこの表情。

優れた映画プロデューサーであり映画監督であり脚本家であるチャールズ・チャップリンは、演技力だって半端ない。
何を思ってこんな表情できるのか。
今まで彼を観て爆笑してた自分が恥ずかしくなるくらい、正直で真摯で美しく、哀しい表情。
笑ってごめんなさい。

しかも視聴者にこの表情について思考する時間を与えず、ほんの1~2秒で暗転してしまいます。
感動の再会の余韻だけを強烈に残して、ふと彼は消えてしまうのです。
残されたのはTVの前で涙にくれる自分だけ。
あんなに笑ってたのに。
あんなに笑ってたのに私、なんで今泣いてんの…?
映画【街の灯】の感想
「○○しないと人生損してる」とかよく聞きますよね。
「読まないと人生損してる小説」とか。
「食べないと人生損してる料理」とか。
しかし「観ないと人生損してる」とまで言える映画になんて近年お目にかかってない。最新作なんて別に観てなくたって人生損しないような駄作凡作ばっかり。
でもチャールズ・チャップリンの映画を観たことない人は、もしかしたら人生損してるかも知れない。
逆説的に大げさに言うなら、観れば人生の新しい発見があるかも知れない。

ホントにおすすめなんで、ネタバレやストーリーについて詳しく書くのは避けました。
お時間が許せば是非、ご覧ください。
「観ないと損」はあっても「観て損」はないと断言できます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。