【エド・ウッド】ジョニー・デップとサラ・ジェシカ・パーカー

映画【エド・ウッド】史上最低の映画監督の熱意に最敬礼。あらすじと感想

1994年/アメリカ/監督:ティム・バートン/出演:ジョニー・デップ、マーティン・ランドー、サラ・ジェシカ・パーカー、パトリシア・アークエット、ジェフリー・ジョーンズ、ビル・マーレイ、リサ・マリー、ジュリエット・ランドー/第67回アカデミー助演男優・メイクアップ賞受賞

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

史上最低の映画監督エド・ウッド
©Ed Wood/エド・ウッドより引用

「史上最高の映画監督」って聞いて思いつく人ってたくさんいますよね。

ビリー・ワイルダーウィリアム・ワイラージョン・フォード、近年で言えばスティーブン・スピルバーグジェームズ・キャメロン、日本人では黒澤明など、挙げればきりがありません。

 

ところが「史上最低の映画監督」って聞くとどうですか?

たった一人しか思い浮かばないんじゃないですか?

 

そうなんです。

「史上最低の映画監督」の称号を欲しいままにしているのは【エド・ウッド】ただ一人なんです。

他にいるなら教えてください。

 

ねえねえでもこれってすごくない?

なんだかんだでこの人すごくない?

 

映画【エド・ウッド】のあらすじザックリ

1950年代のハリウッド。映画監督を目指す青年エドワード・D・ウッド・Jrことエド・ウッドは、映画スタジオで使いっ走りの仕事をしながら、いつの日か第2のオーソン・ウェルズになることを夢見ていた。ある時、かつてドラキュラ俳優として一世を風靡したベラ・ルゴシと出会ったエドは、彼を出演させて1本の映画を完成させる。

「史上最低の映画監督」エド・ウッドとは

何はともあれエド・ウッドという映画監督をご存知ない方のためにざっくり引用。

『ハリウッドの反天才』『映画界のゴッホ』『芸術の突然変異』などの異名を持つ。

出典:ピクシブ百科事典

ほぼ全ての作品に於いて「早い・安い・面白くない」の三拍子が揃っており、技術的には学生映画以下で救いようもなく、彼の作品が商業ベースで残った事自体奇跡というレベル。彼の作品を簡潔に表す言葉として、「ゴミのような映画は数あれど、映画のようなゴミはエド・ウッド作品だけ」というものもある。

出典:ニコニコ大百科

ちょい待て映画のようなゴミ」てなんやねん。

そうか要するにあれか、一見映画のように見えるけど実はゴミなんですよこれはってことか。

同意。

 

【エド・ウッド】は数々のゴミを作り出した人の伝記映画です。

ついでに言うと女装癖があります。

女装したエド・ウッド
©Ed Wood/エド・ウッドより引用

女装する恋人エド・ウッド(ジョニー・デップ)を見つめるドロレス(サラ・ジェシカ・パーカー)のこの表情かおよ。

エド・ウッド三部作【グレンとグレンダ】【怪物の花嫁】【プラン9・フロム・アウタースペース】

誤解をなさらないように。

「『史上最低の映画監督』と呼ばれているエド・ウッドさんを描いた伝記映画」であるだけで、映画【エド・ウッド】が「史上最低の映画」である訳ではありません。

それどころかかなり面白い名作に仕上がっております。

エド・ウッドの撮影風景
©Ed Wood/エド・ウッドより引用

映画【エド・ウッド】は、エド・ウッドが彼の三部作と言われる【グレンとグレンダ】【怪物の花嫁】【プラン9・フロム・アウタースペース】を作り上げるまでが描かれます。

散々こき下ろされてはいますけど、実はこの人のファンを公言する著名人の中には、デヴィッド・リンチジョン・ウォーターズクエンティン・タランティーノなど、今をときめく名監督(曲者ばっかり)が名を連ねていたりするんですよ。

もちろん映画【エド・ウッド】の監督ティム・バートンだってその一人。

 

さて、ここでひとつ注意があります。

熱心な映画ファン

熱心な映画ファン

そうなんだ~。
なんだか面白そうな監督だわ~。
DVD買って観てみよう!

お止めなさい。

ある。

今の時代、確かに探せば何かしらメディアは見つかる。

 

しかし買うのは絶対お止めなさい。

必ずあなたは後悔するでしょう(預言者クリズウェル(ジェフリー・ジョーンズ)風)。

クリズウェル
©Ed Wood/エド・ウッドより引用

幸いにもエド・ウッドの映画はパブリックドメインになっているものが多く、ちょっとネットで検索すればわんさか動画が出てきます。

それで十分。

 

先ほど挙げたエド・ウッドのファンを公言している監督勢も、恐らくエド・ウッドの映画そのものを評価している訳ではないと思われます。

いや、要所要所インスパイアされる部分はあるんでしょうけど、彼らがエド・ウッドをあがめたてる最も重要なファクターは「映画への情熱」に他ならない。

だってホントに作る映画作る映画全部クソみたいなゴミ(あれ?なんか変わった?)ばっかりなのによ?これほど才能の欠片もなく映画に見放されておいてそれでも映画に固執する情熱がね。

そりゃもうすごいメンタル、パッションですよ。

並みの神経ならコッソリ映画界を去るか自分の才能の無さに気付いてデューダしてる。

 

広い意味では同じ映画に取り憑かれた者として、エド・ウッド作品に愛を込めて言っておきます。

観る価値なし。

ヴァンパイラとトー・ジョンソン
©Ed Wood/エド・ウッドより引用

それでもどうしても観たい人は、ネットの動画で十分だから。マジで。

 

私?

私は観ますわいな、こんな映画サイト作ってるくらいなんだからさ。暇人ですよええ、暇人。

その後史上最低のZ級映画【死霊の盆踊り】を作り上げる

この項はオマケ。

【死霊の盆踊り】という映画タイトル聞いたことないですか?

【プラン9・フロム・アウタースペース】プレミア会場
©Ed Wood/エド・ウッドより引用

【プラン9・フロム・アウタースペース】のプレミア上映のあと、エド・ウッドと恋人キャシー(パトリシア・アークエット)がオープンカーで走り去り、映画は幕を閉じます。

実際のエド・ウッドはその後、史上最低のZ級映画【死霊の盆踊り】の脚本を執筆するんです。監督はどっかから抱き込んできたA.C.スティーブンってド素人なんですけどね。

ある意味カルト的人気を誇るこちらの映画みたいなゴミは、早回しにされたり変なBGMつけられたり好き放題やられることでさらに破壊力が増してるんで、思いっきり笑いたい時、及び命の危険が迫るほど暇で暇で仕方がない時に動画検索して是非ご覧になってみてください。

 

くれぐれも、

買ってはいけませんよ。

怪奇スター ベラ・ルゴシ、天才オーソン・ウェルズ

【エド・ウッド】は史上最低の映画監督エド・ウッドの伝記映画であると同時に、ユニバーサル映画が生み出したホラー映画ブームの急先鋒【魔人ドラキュラ】でタイトルロールを演じたベラ・ルゴシの伝記映画でもあります。

ただしベラ・ルゴシに関しては、怪奇スターから転落してシャブ漬けになってしまってからの晩年の描写。

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ベラ・ルゴシを演じたマーティン・ランドーはアカデミー賞を始めとするこの年の数々の演技賞を軒並みかっさらっています。

マーティン・ランドーとジョニー・デップ
©Ed Wood/エド・ウッドより引用

そりゃそうだわ。

ベラ・ルゴシとマーティン・ランドーって骨格からして全然違うからビジュアル的にはまったく本人に似てない。メイクで寄せられるレベルではない。それなのにめちゃくちゃ雰囲気出てるんですから。

俳優の演技力って容姿や特殊メイクを凌駕するものなんですね。

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一方、容姿も雰囲気も信じられないほど寄せてきたのが、26歳で【市民ケーン】を生み出した天才オーソン・ウェルズを演じたヴィンセント・ドノフリオ

オーソン・ウェルズを演じたヴィンセント・ドノフリオ
©Ed Wood/エド・ウッドより引用

おかしいでしょこれ、似すぎ。

声だけは吹き替えですけどね。

それにしたってビジュアルとか表情とか仕草とかもう、「あれ?この映画の撮影時オーソン・ウェルズ生きてたっけ?」と異空間に意識が飛んでしまうくらいの錯覚を覚えましたよ。

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再現度がすごいといえば、【エド・ウッド】の中で撮影されているていの映画の数々も、カット割りからセリフの“間”まで、かなり忠実。

プラン9・フロム・アウタースペースの一場面
©Ed Wood/エド・ウッドより引用

あまりにもクソみたいな映画を忠実に再現してるもんで、見方を変えるとホントはバカにしてるんちゃうんかって思えてくるレベル。

ティム・バートンのエド・ウッド愛が感じられる名作です。

映画【エド・ウッド】の感想一言

朱縫shuhou

朱縫shuhou

クライマックスのBGMに、なんの脈絡もなく「白鳥の湖」が流れるのは、【魔人ドラキュラ】のオープニングへのオマージュです。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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朱縫shuhou 天衣無縫に映画をつづっている人

朱縫shuhou

「天衣無縫」と「温故知新」を信条として、主に古い洋画を好む映画好き。様々な映画を観たいのにホラーだけは怖くて観られない可哀相な初老。

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