【シン・レッド・ライン】

映画【シン・レッド・ライン】日本兵も米兵もない戦争映画のあらすじと感想

1998年/カナダ、アメリカ/監督:テレンス・マリック/出演:ショーン・ペン、ジム・カヴィーゼル、ベン・チャップリン、エイドリアン・ブロディ、ジョン・キューザック、ウディ・ハレルソン、イライアス・コティーズ、ニック・ノルティ、ジョン・トラボルタ、ジョージ・クルーニー、ジョン・サヴェージ、ジャレッド・レト、ジョン・C・ライリー、ミランダ・オットー

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【シン・レッド・ライン】
©The Thin Red Line/シン・レッド・ラインより引用

【地獄の逃避行】【天国の日々】テレンス・マリック監督による第二次世界大戦のガダルカナル島の戦いを描いた戦争映画。

第71回アカデミー賞では同年公開のスティーヴン・スピルバーグ監督の戦争映画【プライベート・ライアン】と争い敗れましたが(多くの部門で【プライベート・ライアン】が受賞)、2つの作品は視点も構成も全く違うため、どちらが好きか好みは分かれるでしょう。

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私ですか?

私は…どっちかなあ、どっちも1つずつ要らんところがあるのでどちらとも言えないなあ。

考えときます!

 

【シン・レッド・ライン】です。

 

 

 

映画【シン・レッド・ライン】のあらすじザックリ

太平洋戦争中のソロモン諸島。アメリカ陸軍のウィット二等兵は他の兵士とともに脱走し、現地のメラネシア人とともに暮らしていたが捜索隊に捕えられてしまう。軍法会議の免除と引き換えに担架兵としてガダルカナル島の戦場に送られ他の兵士たちと行動を共にする。

 

 

大自然残るガダルカナル島でのアメリカ軍と日本軍の戦争

文明から取り残されたような自然豊かな島に、島民と仲良く暮らす白人の姿がありました。

【シン・レッド・ライン】
©The Thin Red Line/シン・レッド・ラインより引用

ここはソロモン諸島で、白人たちはアメリカ軍の脱走兵。島民と家族のように暮らしていた彼らは軍の哨戒船に見つかり連れ戻されてしまいます。軍に戻った彼らは、本来なら軍法会議にかけられるところを担架係として次の作戦に加わることを許されます。

次の作戦とは日本軍がソロモン諸島の岩山の上に作った飛行場の壊滅。

アメリカ軍はソロモン諸島最大の島ガダルカナルを目指します。

【シン・レッド・ライン】
©The Thin Red Line/シン・レッド・ラインより引用

 

主人公はいないけど群像劇ってわけでもない

ショーン・ペンエイドリアン・ブロディジム・カヴィーゼルニック・ノルティジョン・トラボルタジョージ・クルーニーなど、名だたる俳優陣が出演していますが、【シン・レッド・ライン】にははっきりとした主人公はおらず、かといって群像劇とも少し違います。

【シン・レッド・ライン】
©The Thin Red Line/シン・レッド・ラインより引用

戦火の中たびたび語られる詩的なモノローグが脱走兵のウィット二等兵(ジム・カヴィーゼル)だけのものだと思って観てたら泡食いますよ。

不特定多数の兵士の視点が交錯しますから。

だからウィットですらも主人公なわけじゃないんですって。ウィットのモノローグなんだと思って聞いてたら全然違う奴の心の声で、なんやったら敵である日本兵の視点で描き出されたりもするんです。

【シン・レッド・ライン】
©The Thin Red Line/シン・レッド・ラインより引用

 

つまらなくないけどいくらなんでも長い

第二次世界大戦を描いていながら戦争そのものというよりは自然の美しさや人間の内面を描いた映画で、他の戦争映画のように派手なアクションを期待して観ると当てが外れるでしょう。

【シン・レッド・ライン】
©The Thin Red Line/シン・レッド・ラインより引用

丘の上のトーチカからアメリカ兵が狙い撃ちにされるシーンは迫真で息を飲みますけど、基本的には物語が進むペースはのんびり。

そりゃそうですよ、だって兵士ひとりひとりにスポットが当たるんだもん。どんな気持ちで軍隊に入ったのか、とかね。戦地で何を考えているのか、とかね。敵兵とは言えど「人間」を殺しちゃったよどうしよう、とかね。

それぞれの兵士の哲学が淡々と語られるんです。

【シン・レッド・ライン】
©The Thin Red Line/シン・レッド・ラインより引用

映像もごく淡々としていて、アメリカ軍が勝ったの負けたの殺したの殺されたのという視点に縛られず、実に客観的です。第三者が平静に撮った報道映像みたい。

一方でソロモン諸島の透き通る海や蔦巻く大樹はまるで神が宿っているかのように神々しく映し出されます。

「敵味方」や「勝敗」ではなく戦争という壮大なテーマを自然と対比しながら率直に描き出した異色の戦争映画として傑作であることは間違いありませんが、いくらなんでも長すぎる(171分)。

 

ペースがのんびりだからね。余計に長く感じるんよ。2時間ちょいくらいにまとめたらあかんかったんかいな。

 

 

映画【シン・レッド・ライン】の感想一言

朱縫shuhou

冒頭に書いた【シン・レッド・ライン】の「要らんところ」は、故郷 くにに残してきたウィットの嫁はん(ミランダ・オットー)の下り。

これ要る?

遠いアメリカでひとり夫の帰りを待つ妻、そんな妻を戦地で想う夫。

美しいわいな。

美しいけども、私は【シン・レッド・ライン】にこの下りは蛇足だったように思います。

せめてもうちょっと短かったらまだマシだったかも。何回も何回も、しかも結構長い時間ブッ込まれてくるんですよ。懐かしい妻との日々の記憶がさあ。スローモーションでさあ。

こんなんとかさあ。

【シン・レッド・ライン】
©The Thin Red Line/シン・レッド・ラインより引用

こんなんとかさあ。

【シン・レッド・ライン】
©The Thin Red Line/シン・レッド・ラインより引用

ねえこれ要る?

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

>死ぬまでに観たい映画1001本

死ぬまでに観たい映画1001本

1902年公開の【月世界旅行】から2010年公開の【ブラック・スワン】まで。
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