1992年/アメリカ/監督:ティム・バートン/出演:マイケル・キートン、ダニー・デヴィート、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン、ヴィンセント・スキャヴェリ、マイケル・ガフ、パット・ヒングル
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1989年の【バットマン】の続編。直系子孫。
1989年/アメリカ/監督:ティム・バートン/出演:マイケル・キートン、ジャック・ニコルソン、キム・ベイシンガー、ロバート・ウール、ジャック・パランス、マイケル・ガフ/第62回アカデミー美術賞受賞注※このサイトは映画のネタバ[…]
今回の敵“ペンギン”には、前作でジョーカーを演じたジャック・ニコルソンとも親交が深いダニー・デヴィートがキャスティングされています。双方のファンとしては続編じゃなくて同じ作品で一緒に戦って欲しかった。
【バットマン フォーエヴァー】のトゥーフェイス(トミー・リー・ジョーンズ)とリドラー(ジム・キャリー)みたいにさあ。
どないや。
映画【バットマン リターンズ】のあらすじザックリ
泣ける生い立ちのペンギンと主役を食ってる悪役のみなさん
前作以上に主人公ブルース・ウェイン及びバットマン(マイケル・キートン)がないがしろにされていることで有名な映画。
観終わった瞬間「この映画大丈夫かな?」って何となく心がざわざわしたもんです。
ヒットして良かった。
なぜ「ペンギン」?哀しすぎるペンギンの過去
今回の敵“ペンギン”(ダニー・デヴィート)は、ゴッサム・シティの下水道に棲む“鳥人間”。
どうしてそんな風に呼ばれているかと言うと、彼の鼻はくちばしのようにとんがっていて、手の指は水かきのようなもので繋がり小さな翼のようになってしまっているから。
そんな姿で産まれた奇形児を、非情にも両親は真冬の小川にベビーカーごと投げ捨ててしまいます。
奇形児は奇跡的に下水道の野良ペンギンに拾われて(?)生き延びますが、野良ペンギンと同じように生魚を食べてきたせいか口からは黒い唾液が滴 り落ち、長い間地下で暮らしていたためその肌は不気味なほどに蒼白になり、産まれた時よりもさらに異形の姿へ変わり果ててしまいます。
成長した奇形児は、名前すら判然としない自らを“ペンギン”と称し、地下から人間たちに復讐できる日を待ちわびているのです。
嘘やん!
めっちゃ可哀想やんペンギン…!
めっちゃ泣けるやん…!
でしょお~?
ラストの土座衛門状態で下水道に流れて行く姿なんてねえ、涙出てきますよホントに。
この哀愁。ティム・バートンが好きそうなキャラクターだけどね。
ペンギンよりは設定が弱いけどキャラクター性で押しまくってくるキャットウーマン
【バットマン リターンズ】にはもうひとり、「バットマンシリーズ」で人気のキャラクターが出てきます。
キャットウーマンです。
とか言って実は原作コミック読んだことないんでキャットウーマンがどれほどの人気キャラクターなのかとか全然知らないんですけど、まあこりゃ人気出るよねって感じ。
見事にキャラが立ってる。
ところがこのキャットウーマン、原作コミックはいざ知らず、【バットマン リターンズ】に於ける存在理由がちょっとよく分かんないんですよ。
よくよく考えると誕生した過程も結構雑。
とりあえずキャットウーマンの「中の人」は、ペンギンが地上に出てくる目的のために手を結んだゴッサム・シティを陰で操る実業家マックス・シュレック(クリストファー・ウォーケン)の秘書セリーナ・カイル(ミシェル・ファイファー)で間違いありません。
ドジですっとぼけた秘書だったセリーナは、マックスの不正を偶然見破ってしまったため高層ビルから突き落とされてしまいます。
その後、絶対死んでるセリーナの周りに、なぜか野良猫が集まってくる。
そして集まった野良猫がセリーナをペロペロ舐めると、なぜか彼女の意識は戻る。
意識が戻ったセリーナはなぜかカタカタとお裁縫を始め、キャットウーマンに変身するための「キャットスーツ」とでも言いましょうか、黒いボンデージ風衣裳を縫い上げ、なぜか夜のゴッサム・シティを闊歩し始めるのです。
まあ最終目標としては、自分を殺したマックスに復讐したい訳なんですけど、別にキャットスーツ作ったりビル爆破したりはしなくてよくない?
終盤、セリーナはブルースにこう言います。
あやっぱり?!
【吸血鬼ノスフェラトゥ】のオルロック伯爵?!まるで怪人マックス・シュレック
今回のバットマンの敵はまだいます。
黒幕と言いますか諸悪の根源と言いますか、可哀想なペンギンを唆 し狂人すれすれのキャットウーマンを生み出したゴッサム・シティの陰の支配者マックス・シュレック。
私欲のためなら殺人も厭 わないその生き様には、いくら顔面に白々しい薄ら笑いを張り付けていようとも戦慄を覚えますが、それ以前に名前からしてヴィラン要素出まくり。
だって吸血鬼を扱った映画の最高峰とも言われる【吸血鬼ノスフェラトゥ】で吸血鬼のオルロック伯爵を演じたマックス・シュレックと同じ名前なんですもん。
1922年/ドイツ/監督:F・W・ムルナウ/出演:マックス・シュレック、グスタフ・フォン・ヴァンゲンハイム、グレタ・シュレーダー、アレクサンダー・グラナック、ゲオルク・H・シュネル、ヨハン・ゴットウト注※このサイトは映画のネ[…]
“シュレック”ってのは“恐怖”を意味するんですってよ(しかもマックス・シュレックは芸名ではなくて本名)。
「黒幕が往年の怪奇俳優と同じ名前」という偶然(?)について、この“マックス・シュレック”というキャラクターが原作に出てくるのかどうかを考えに含まない私は、怪奇映画ファンのティム・バートンが【吸血鬼ノスフェラトゥ】のマックス・シュレックから引用したんだと予想してます。
前作【バットマン】のヒットを受けてか、【バットマン リターンズ】はティム・バートンが好きなようにやらせてもらってるような雰囲気がプンプン漂っていますしねえ。
映画【バットマン リターンズ】の感想一言
ヴィランが活躍する映画に仕上がってしまっていますが、バットマンもあからさまにセリーナを狙ってたりして、安定した“女好きキャラ”を発揮してくれていますよ。
スーパーマンのクラーク・ケントは一途にロイスだけを想ってるってのに、彼と同じ正義の味方であるはずのブルース・ウェインは女性に対して少々軽薄って言うこの設定、好きです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。