1971年/アメリカ/監督:ドン・シーゲル/出演:クリント・イーストウッド、アンディ・ロビンソン、ハリー・ガーディノ、レニ・サントーニ、ジョン・ミッチャム、ジョン・ラーチ、ジョン・ヴァーノン
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
いきなり漫画ですけども。
この銃を構えている人、誰だかご存知ですか?
クリント・イーストウッドでしょって?
違うんですよ、この方は元警察官でペンギン村の散髪屋「バーバーそらまめ」の店主、空豆クリキントンさんとおっしゃる方なんです。
ホントにいつ見てもよく似てる。
ちなみに画像でクリキントンさんが持ってる銃は44マグナムではありません。この銃は「バーバーそらまめ」に逃げこんできた強盗犯のもので、彼はこの銃を「ちょっと貸してみろ」と奪い取り、包囲している警官隊に向けて発砲し、見事に警察署長の眉間に命中させます。
空豆クリキントンのモデルになったハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)が主人公のポリス・アクション、【ダーティハリー】です。
参考 44マグナム=正確には「.44マグナム弾」。ハリーが使う拳銃「M29(S&W)」に装填される大口径弾薬。ダーティハリーと言えば44マグナム、44マグナムと言えばダーティハリー。
映画【ダーティハリー】のあらすじザックリ
5作も続く“お不潔(ダーティ)”ハリーシリーズの1作目
セルジオ・レオーネ監督と組んだマカロニ・ウエスタン【荒野の用心棒】で一躍有名になったクリント・イーストウッドを、さらにスターの高みへと押し上げた快作。
型破りな捜査で異常に高い犯人逮捕率を誇るサンフランシスコ市警察殺人課の刑事ハリー・キャラハン、通称“お不潔 ハリー”の犯罪者らとの攻防を描きます。
「汚れ仕事ばっかり回されるからだよ」
ハリーがどうして仲間内から“お不潔 ハリー”と呼ばれているかという疑問には、同じ疑問を抱いている新米刑事のチコ(レニ・サントーニ)に返す形でハリー自身が答えてくれます。
ずっと真顔なんで冗談なんだか真面目なんだかよく分かんないんですけど、どちらにしろ「人の嫌がる(=難易度が高い)仕事を任される」ってことはかなり刑事としての水準が高いってことで、一度なんか真っ昼間から銀行強盗しようとしている集団をひと目で見破りランチをほおばりながらたった一人で一網打尽にしちゃうほど、ハリーは腕の確かな優れた刑事です。もぐもぐ。
ただし、悪を憎む余り暴走気味の行き過ぎた捜査をするのが玉にキズ。
【ダーティハリー】が誰もが知る伝説的大ヒットシリーズとなった今では信じ難いことですが、“汚れ役”のハリー・キャラハンのキャスティングは当時ポール・ニューマン、ジョン・ウェイン、フランク・シナトラらから「イメージダウンにつながる」という理由で断られ、かなり難航したそうです。
最終的に「ダーティヒーロー」を引き受けたクリント・イーストウッドの一人勝ちってとこですか。
「なんでさっさとブチ殺さないんだ!」
しかしですよ?
「行き過ぎた捜査」って言ってもですね、実際はハリーに共感する人が大多数を占めるはずなんですよ。だから映画は大ヒットした訳で。
大体なんなの?
なんの罪もない人を殺した犯人に「権利の告知(「あなたには黙秘権がある」とか言うやつ)」を読み上げないといかんだの、脅したらいかんだの、人権がどうのこうの。
どうして人が人を殺した時点で殺した奴は相手の権利も自分の権利も放棄したと見做 して死刑にしちゃ駄目なの?殺人犯の「権利」って何?そいつは殺された人の「権利」を奪う「権利」を持ってるの?なんで殺人犯だけ特別なの?万が一にも冤罪の可能性があるから?じゃあ殺したことが明らかだったら?目の前で誰かを殺したとしても殺人犯の「権利」が尊重されるの?
なんなのよ、ねえなんなの?
ハリーはこんなモヤモヤした気持ちをスカッと晴れやかにしてくれます。
せっかく捕まえた殺人犯を証拠不十分で釈放することになった時。
釈放されて調子に乗った犯人が再び事件を起こした時。
ホンマそれ。
冷静に犯人の要求に答えようとする市長や警察上層部の方がどうかしてる。
愉快犯なの?連続殺人犯スコルピオが強烈
本作でハリーが相手にするのは完全に頭がイカれた異常者「さそり座の男 」(アンドリュー・ロビンソン)。
ただ屋上のプールで泳いでいただけの何の罪も恨みもない女性を殺した上で市長に10万ドルを要求。指示通りに支払われなければ次は黒人か牧師を殺すと言います。
黒人射殺未遂の次は14歳の少女を拉致・強姦・監禁(その後死亡)、無理矢理抜いた少女の歯を市長に送り付け、さらにはスクールバスをジャックして7人の子供と運転手を人質にまたも金と飛行機を要求。
スコルピオの怖いところは動機がまったく見えないこと。
悲惨な過去とか同情しうる現状とか全然ないんですよコイツ。
本物の異常者。
かと思えばただ殺すだけでなく金銭を要求してくるあたり、ギリギリ心神喪失ってワケでもなさそうだし、ただただ怖い。絶対近所に住みたくない。
演じたアンドリュー・ロビンソンはこのスコルピオが強烈すぎてその後役に恵まれなかったと言います。それほどに凄まじいキャラクターと演技力です。
映画【ダーティハリー】の感想一言
ラストで湖にバッジを投げ捨てるハリーを観て刑事を辞めちゃうんじゃないかと心配になった方、大丈夫です。ちゃんと【ダーティハリー2】に続きます。
この時点ではまだ続編の構想はなかったため、こんなラストになったんだってさ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。