【アニー・ホール】ウディ・アレンとダイアン・キートン

映画【アニー・ホール】あらすじと観た感想。ニューヨーカーなら分かるの?

1977年/アメリカ/監督:ウディ・アレン/出演:ウディ・アレン、ダイアン・キートン、トニー・ロバーツ、キャロル・ケイン、ポール・サイモン、シェリー・デュヴァル、ジャネット・マーゴリン/第50回アカデミー作品・監督・主演女優・脚本賞受賞

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【アニー・ホール】アニメになっちゃった。
©Annie Hall/アニー・ホールより引用

こういう映画は大好物です。

朱縫shuhou

あー面白かった~!

 

…で、

なんの話やったっけ?

鑑賞後はこうなることが目に見えているのに、しばらく経ってからロブスターを料理する時「なんかこのロブスター、アニーが写真撮ってたあのロブスターに似てるな…」なんてふと思い出す快感を味わいたくて何度も観たくなってしまいます。

ロブスター食いませんけど。

 

へんことへんこのラブロマンス、【アニー・ホール】です。

参考 へんこ=偏屈、変わった人

 

 

 

映画【アニー・ホール】のあらすじザックリ

ニューヨークに住む2度の離婚歴があるちょっと変わったコメディアンのアルビー・シンガーと、不思議な世界を生きている歌手志望のアニー・ホールの数年間の交際を描いたロマンティック・コメディ。ウディ・アレン監督が自身の映画スタイルを確立した秀作。

 

 

つかみからウディ・アレンに持ってかれる

いきなり監督・脚本・主演を務めるウディ・アレン扮するアルビー・シンガーが観客に向かって怒涛のようにしゃべり倒して始まる物語。

びっくりする間もなく観客の興味は「バストショットで畳み掛けるようにしゃべりまくるアルビー・シンガー」に釘付け。しかもそのしゃべってる内容が普通に面白い。ノリツッコミもどんと来い。

【アニー・ホール】ウディ・アレン
©Annie Hall/アニー・ホールより引用

面白いのは当たり前、こちらのアルビー氏はコメディアン・漫談家。すなわちこのマシンガントークはプロのなせる技ってことになる訳で、言われてみれば本物の漫才を見てる感覚に近いかも。なんか得した気分。

 

バツ2のオッサン、アルビー・シンガー

さてこちらの冴えない見た目のアルビーさん、実は2回も結婚・離婚を経験してます。

小学校に出てくるアルビー・シンガー
©Annie Hall/アニー・ホールより引用

幼少期から一風変わった少年だった彼は、その40ン年の人生のうちの15年を精神科通いに費やしてきた不思議ちゃん界のレジェンドに成長しました。しかしレジェンドは自分が「変」であることをあんまり気にしていません。

「気にしてない」と言うか「気付いてない」?

「正しいのは自分」であって、自分がみんなと少し違うのは「周りの方がおかしい」って思ってるみたい。ああ、これこそがまさに不思議ちゃんのスタンダードか。

 

そんなバツ2のアルビーが、アニー・ホール(ダイアン・キートン)という名の、これまたアルビーに匹敵する不思議ちゃんと出会い恋に落ちたからさあ大変、ってお話です。

©Annie Hall/アニー・ホールより引用

 

「誰としゃべってんねん」斬新すぎるウディ・アレン映画

ウディ・アレンの映画(「笑い」の部分は特に)は日本人には難解だとよく言われます。「日本人には分からない」どころか例えアメリカ人であっても「生粋のニューヨーカーにしか分からない」と言われることさえあるほど。

でも私に言わせてみれば生粋のニューヨーカーだってウディ・アレンの映画を100%理解できてんのかっちゅう話です。

【アニー・ホール】ウディ・アレンとダイアン・キートン
©Annie Hall/アニー・ホールより引用

例えばアルビーとアニーが仲良く映画館の行列に並んでいる場面。

ただでさえアニーが待ち合わせに遅れてきたことで半ギレ状態のアルビーなのに、並んだ列のすぐ後ろのオッサンがデカい声で持論を展開するもんだからイライラが爆発。ええホント迷惑ですよこういうオッサン。「ああ分かる分かる!」なんて共感しながら観ていると、突然アルビーがこっちを向いて私(観客)に話しかけてくるんです。

アルビー
ねえ皆さん。こーゆー迷惑な人ってどう思います?

次の瞬間には後ろにいた声のデカいオッサンまでが話しかけてくる。

こんなシーンをニューヨーカーだったらどう受け止めるって言うのよ?

じゃあアルビーとアニーが「過去の自分達」を眺めているシーンは?じゃあ急にアニメになったり幽体離脱したりするシーンは?これらのシーンを観てもニューヨーカーだったら「斬新やなあ」って思わないってこと?ニューヨーカーは日本人やその他のアメリカ人よりはるかにウディ・アレンの意図を汲めるということ?

【アニー・ホール】アニーとアルビー
©Annie Hall/アニー・ホールより引用

この世界観が独特だと感じるのは万国共通でしょうに。

誰が観たって妙ちきりんな映画じゃい。

 

 

後のスター(?)が目白押し

【アニー・ホール】は駆け出しの頃のスターが数多く出演していることでも知られています。

【エイリアン(1979)】で一躍トップ女優の仲間入りを果たしたシガニー・ウィーバーは、【アニー・ホール】が映画初出演となりました。

【アニー・ホール】シガニー・ウィーバー
©Annie Hall/アニー・ホールより引用

顔は視認できないけどアルビーの隣にいるデカいのが彼女(シガニー・ウィーバーは180cmの長身です)。

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【エイリアン】で戦うリプリー

 

アルビーとアニーが立ち寄ったパーティ会場で電話してるのは【ザ・フライ】ジェフ・ゴールドブラム若っ!

【アニー・ホール】ジェフ・ゴールドブラム
©Annie Hall/アニー・ホールより引用
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【ザ・フライ】ジェフ・ゴールドブラム

 

そしてアニーの実家の暗い自室で自殺願望をたぎらせるアニーの兄を演じているのは、【ディア・ハンター】【トゥルー・ロマンス】クリストファー・ウォーケンです。

【アニー・ホール】クリストファー・ウォーケン
©Annie Hall/アニー・ホールより引用
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クラレンスとアラバマ

 

【シャイニング(1980)】でジャック・ニコルソンの妻を演じたシェリー・デュヴァルがアルビーの浮気相手役として結構なインパクトを残してるのは比較的有名でしょうか。この時のインパクトのデカさのお陰で彼女は【シャイニング(1980)】に抜擢されたのかも知れません。

【アニー・ホール】シェリー・デュヴァル
©Annie Hall/アニー・ホールより引用
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【シャイニング】ジャック・ニコルソン

 

【冷血(1967)】の原作者トルーマン・カポーティもカメオ出演しています。

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トルーマン・カポーティ原作映画【冷血】

 

 

映画【アニー・ホール】の感想一言

朱縫shuhou

難解なりに好きな映画のひとつでしたが、養女(ディラン・ファロー)への性的虐待疑惑が噴出してからというものウディ・アレン映画は全然観なくなってしまいました。

 

 

>> 翌年(第51回)のアカデミー最優秀作品賞はこれ!

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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