1977年/アメリカ/監督:ウディ・アレン/出演:ウディ・アレン、ダイアン・キートン、トニー・ロバーツ、キャロル・ケイン、ポール・サイモン、シェリー・デュヴァル、ジャネット・マーゴリン/第50回アカデミー作品・監督・主演女優・脚本賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
こういう映画は大好物です。
あー面白かった~!
…で、
なんの話やったっけ?
鑑賞後はこうなることが目に見えているのに、しばらく経ってからロブスターを料理する時「なんかこのロブスター、アニーが写真撮ってたあのロブスターに似てるな…」なんてふと思い出す快感を味わいたくて何度も観たくなってしまいます。
ロブスター食いませんけど。
へんことへんこのラブロマンス、【アニー・ホール】です。
参考 へんこ=偏屈、変わった人
映画【アニー・ホール】のあらすじザックリ
つかみからウディ・アレンに持ってかれる
いきなり監督・脚本・主演を務めるウディ・アレン扮するアルビー・シンガーが観客に向かって怒涛のようにしゃべり倒して始まる物語。
びっくりする間もなく観客の興味は「バストショットで畳み掛けるようにしゃべりまくるアルビー・シンガー」に釘付け。しかもそのしゃべってる内容が普通に面白い。ノリツッコミもどんと来い。
面白いのは当たり前、こちらのアルビー氏はコメディアン・漫談家。すなわちこのマシンガントークはプロのなせる技ってことになる訳で、言われてみれば本物の漫才を見てる感覚に近いかも。なんか得した気分。
バツ2のオッサン、アルビー・シンガー
さてこちらの冴えない見た目のアルビーさん、実は2回も結婚・離婚を経験してます。
幼少期から一風変わった少年だった彼は、その40ン年の人生のうちの15年を精神科通いに費やしてきた不思議ちゃん界のレジェンドに成長しました。しかしレジェンドは自分が「変」であることをあんまり気にしていません。
「気にしてない」と言うか「気付いてない」?
「正しいのは自分」であって、自分がみんなと少し違うのは「周りの方がおかしい」って思ってるみたい。ああ、これこそがまさに不思議ちゃんのスタンダードか。
そんなバツ2のアルビーが、アニー・ホール(ダイアン・キートン)という名の、これまたアルビーに匹敵する不思議ちゃんと出会い恋に落ちたからさあ大変、ってお話です。
「誰としゃべってんねん」斬新すぎるウディ・アレン映画
ウディ・アレンの映画(「笑い」の部分は特に)は日本人には難解だとよく言われます。「日本人には分からない」どころか例えアメリカ人であっても「生粋のニューヨーカーにしか分からない」と言われることさえあるほど。
でも私に言わせてみれば生粋のニューヨーカーだってウディ・アレンの映画を100%理解できてんのかっちゅう話です。
例えばアルビーとアニーが仲良く映画館の行列に並んでいる場面。
ただでさえアニーが待ち合わせに遅れてきたことで半ギレ状態のアルビーなのに、並んだ列のすぐ後ろのオッサンがデカい声で持論を展開するもんだからイライラが爆発。ええホント迷惑ですよこういうオッサン。「ああ分かる分かる!」なんて共感しながら観ていると、突然アルビーがこっちを向いて私(観客)に話しかけてくるんです。
次の瞬間には後ろにいた声のデカいオッサンまでが話しかけてくる。
こんなシーンをニューヨーカーだったらどう受け止めるって言うのよ?
じゃあアルビーとアニーが「過去の自分達」を眺めているシーンは?じゃあ急にアニメになったり幽体離脱したりするシーンは?これらのシーンを観てもニューヨーカーだったら「斬新やなあ」って思わないってこと?ニューヨーカーは日本人やその他のアメリカ人よりはるかにウディ・アレンの意図を汲めるということ?
この世界観が独特だと感じるのは万国共通でしょうに。
誰が観たって妙ちきりんな映画じゃい。
後のスター(?)が目白押し
【アニー・ホール】は駆け出しの頃のスターが数多く出演していることでも知られています。
【エイリアン(1979)】で一躍トップ女優の仲間入りを果たしたシガニー・ウィーバーは、【アニー・ホール】が映画初出演となりました。
顔は視認できないけどアルビーの隣にいるデカいのが彼女(シガニー・ウィーバーは180cmの長身です)。
1979年/アメリカ/監督:リドリー・スコット/出演:トム・スケリット、シガニー・ウィーバー、ヴェロニカ・カートライト、ハリー・ディーン・スタントン、ジョン・ハート、イアン・ホルム/第52回アカデミー視覚効果賞受賞注※このサ[…]
アルビーとアニーが立ち寄ったパーティ会場で電話してるのは【ザ・フライ】のジェフ・ゴールドブラム。若っ!
1986年/アメリカ/監督:デヴィッド・クローネンバーグ/出演:ジェフ・ゴールドブラム、ジーナ・デイヴィス、ジョン・ゲッツ、ジョイ・ブーシェル、ジョージ・チュバロ/第59回アカデミーメイクアップ賞受賞注※このサイトは映画のネ[…]
そしてアニーの実家の暗い自室で自殺願望をたぎらせるアニーの兄を演じているのは、【ディア・ハンター】、【トゥルー・ロマンス】のクリストファー・ウォーケンです。
1978年/アメリカ/監督:マイケル・チミノ/出演:ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、ジョン・カザール、ジョン・サヴェージ、メリル・ストリープ、ジョージ・ズンザ、シャーリー・ストーラー、チャック・アスペグレン/第51[…]
1993年/アメリカ/監督:トニー・スコット/出演:クリスチャン・スレーター、パトリシア・アークエット、デニス・ホッパー、クリストファー・ウォーケン、ブラッド・ピット、ゲイリー・オールドマン、サミュエル・L・ジャクソン、ヴァル・キル[…]
【シャイニング(1980)】でジャック・ニコルソンの妻を演じたシェリー・デュヴァルがアルビーの浮気相手役として結構なインパクトを残してるのは比較的有名でしょうか。この時のインパクトのデカさのお陰で彼女は【シャイニング(1980)】に抜擢されたのかも知れません。
1980年/アメリカ/監督:スタンリー・キューブリック/出演:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザース、バリー・ネルソン、フィリップ・ストーン、ジョー・ターケル注※このサイトは[…]
【冷血(1967)】の原作者トルーマン・カポーティもカメオ出演しています。
1967年/アメリカ/監督:リチャード・ブルックス/出演:ロバート・ブレイク、スコット・ウィルソン、ジョン・フォーサイス、ポール・スチュワート、ジェフ・コーリー、ジェームズ・フラヴィン注※このサイトは映画のネタバレしようがし[…]
映画【アニー・ホール】の感想一言
難解なりに好きな映画のひとつでしたが、養女(ディラン・ファロー)への性的虐待疑惑が噴出してからというものウディ・アレン映画は全然観なくなってしまいました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。