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【ディア・ハンター】映画レビュー:戦闘シーンのない戦争映画

戦争
 20秒で読める概要とあらすじ

1978年/アメリカ/監督:マイケル・チミノ/出演:ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、ジョン・カザール、ジョン・サヴェージ、メリル・ストリープ/第51回アカデミー賞作品・監督・助演男優・音響・編集賞受賞

製鉄所で働くマイケルたち6人は、いつもみんなで冗談を言い合い悪ふざけをして休日には鹿狩りを楽しむ仲の良いグループ。しかし6人の内マイケル、ニック、スティーブンの3人が徴兵されベトナムに赴くことになる。

※このブログはネタバレしようがしまいが気にせずただ映画について書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

🄫The Deer Hunter/ディア・ハンターより引用

人それぞれ色んな映画の観方があると思います。

事前にその映画に関して調べ倒してパンフレットも原作も評論もばっちりチェックしてから鑑賞する人もいるだろうし、まったく何も知らない状態から観てみる人もいるでしょう。

 

私は「後者からの前者」派で、最初に観る時は(どうしても耳に入ってしまうもの以外は)余計な下知識を一切持たないようにしています。

難解だった部分を鑑賞後に調べて「ああ~!そういうことやったんやあ~!」ってなるのが快感でして、ええ。そんでまた改めて観直すんです。

 

物語の内容を大きく反映することが多い「タイトル」も然り。

故意に調べないようにしているので、【ディア・ハンター】に関しても鑑賞するまでDear Hunter(親愛なる狩人へ)」やと思ってました。

 

ベトナム戦争がテーマの映画なのは知ってしまっていたので、「人間を『狩る』から『狩人』なんかな?」と思ってたら 綴りちゃうやん!!

 

×「Dear」 → ○「Deer(鹿)」でした!!

 

【ディア・ハンター】です!

 

 

カラフルで騒々しい平和な町の平凡な若者たち

【ディア・ハンター】はおおまかに3つの章で構成されていて、まずはペンシルベニア州の小さな町クレアトンでの平凡だけど賑やかな暮らしが映し出されます。

 

ベトナムに赴く3人の壮行会を兼ねた結婚式

いつもつるんで行動しているマイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーブン(ジョン・サヴェージ)、スタン(ジョン・カザール)、アクセル(チャック・アスペグレン)、ジョン(ジョージ・ズンザ)の6人は、
今日もマイケルとニックとスティーブンの3人のベトナム出征の壮行会を兼ねたスティーブンの結婚式でハッスルしています。

ニックとリンダ

🄫The Deer Hunter/ディア・ハンターより引用

 

スティーブンの妻アンジェラはこの時なんと別の男との子供を妊娠中

それでも愛し合っているんだとスティーブンとアンジェラは誓いの盃[さかずき]を交わします。

「こぼさなければ永遠に2人は幸せになれます!」と司会者が盛り上げますが、今後の2人を暗示するように新婦アンジェラの純白のドレスに赤いワインが数滴したたり落ちてしまいます…。

 

老若男女町中の人々が集まりバンド演奏でダンスに興じて盛り上がり、酔いつぶれて眠ってる爺さんもいれば調子に乗ってカワイ子ちゃんのケツを触る司会者も出てくる始末…。

なんとも平和な日常の風景。

 

ちなみにこの結婚式のシーン、小1時間ばかり続きます。

そして若き日のメリル・ストリープ超プリティー。

 

結婚式の翌日には鹿狩りへ

結婚式翌日、新婚のスティーブンを除いた5人はいつものようにマイケルのキャデラックで恒例の鹿狩りへ。

 

山へ向かう道中で車を停めて用を足したあと、最後になったアクセルを残してマイケルが車を発進させてみんなでおちょくる場面がすごく好きです。映りませんが車内はきっと大爆笑のはず。

「お前ら鬼かーっ!」って追いかけるアクセルも数m先まで行って戻ってくる仲間たちも大好きです。(戻ってきたと見せかけて「うっそぴょーん!」ともっぺん被せてきたりします)

 

無邪気に仲間とじゃれ合うこんな時間て、中年になってしまうとホントに懐かしいんですよ…(遠い目)。

キャデラックで悪戯中

🄫The Deer Hunter/ディア・ハンターより引用

 

その後狩りではマイケルが見事に鹿を仕留め、またもおおはしゃぎで町に戻ります。

 

 

人として扱われもしない過酷なベトナム

長ーい日常の描写のあと、突如舞台はベトナムへ。

【ディア・ハンター】は紛れもなく戦争がテーマの映画ですが、戦闘シーンはほぼありません。

いきなり舞台がベトナム戦争真っ只中の最前線に移ったかと思ったら気が付くと3人は捕虜になり拘束されてます。

 

不要な描写は容赦なく端折[はしょ]ってきよる。好きですこの感じ。

 

「たたいてかぶってジャンケンポン!」ぐらいにしとけ

ベトナム兵…というか後にサイゴン(現:ホーチミン市)の町でもこのゲームが出てくるので、当時ベトナムで流行っていたのでしょうか?

ベトナム兵達はマイケル達捕虜に実弾の入った銃の引き金を引かせロシアン・ルーレットを楽しんでます。

 

金を賭け向かい合わせに座らせた2人の捕虜に平然とどちらかが「当たる」まで引き金を引かせるベトナム兵…。

床下に拘束されているマイケル達は床板の隙間からその様子を見ながら銃声を聞くたびに震え上がり、スティーブンは正気を保つのがやっとです。

 

もー怖くってあきませんねん私…。

ホントにベトナム戦争を扱った映画はもう…

戦闘シーンがなくても惨[むご]い…

怖すぎて心拍数上がるんですよね…スーハースーハー…。

 

「早く引き金引けやコンニャロ―!」とバシバシビンタしてくる審判役みたいなベトナム兵、もう、マイケルでなくても「mother○ucker!」です。

 

こんな状況の中マイケルは命がけで機転を利かせ、一瞬でベトナム兵全員を始末しこの危機を脱します。

実に爽快な場面ではありますが、一瞬で楽にさせてやるなんて…。

もっと鼻フックとかケツバットとかして苦しませてやったらいいのに。

逃げ出した3人

🄫The Deer Hunter/ディア・ハンターより引用

 

 

変わらない平和な町、変わってしまった3人

2年の兵役を終えてクレイトンの町に戻ったマイケルを友人達は歓迎しますが、マイケルは昔のままのそのノリについていけず一旦逃げてしまいます。

共にベトナムへ赴いたニックとスティーブンも心と体に癒えない傷を負ったままです。

 

「Deer hunting(鹿狩り)」と「ロシアン・ルーレット」

以前のように仲間と鹿狩りに出かけたマイケルは、目の前の鹿を「撃てなく」なっていました。

鹿を狙うマイケル

🄫The Deer Hunter/ディア・ハンターより引用

マイケル達は食用の鹿を獲っているわけではありません。「狩猟」を楽しんでいるだけです。

 

「鹿狩り」「ロシアン・ルーレット」…どちらも命をもてあそぶ行為です

 

出征前には「鹿なんか1撃で仕留めるから意味があるねん、はっはあ~!」と笑っていたマイケルは、そのたった「1撃」の弾丸の威力を思い知り、以前のように鹿狩りを楽しむことができなくなっていたのです。

 

キャデラックで冗談を言い合い無邪気にじゃれあってた平凡な若者たち…
あんな日々はもう戻ってきません。

🄫The Deer Hunter/ディア・ハンターより引用

町はなんら変わることなく、マイケルは無事に戻ったというのに、前半の印象と余りに違う町の雰囲気に心が痛み…
直接的な戦闘シーンなんてなくても、こんなにも戦争を嫌悪できる名作です。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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