【ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還】

映画【ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還】あらすじと観た感想

2003年/ニュージーランド、アメリカ/監督:ピーター・ジャクソン/出演:イライジャ・ウッド、ショーン・アスティン、ヴィゴ・モーテンセン、イアン・マッケラン、オーランド・ブルーム、ジョン・リス=デイヴィス、リヴ・タイラー、ヒュウーゴ・ウィーヴィング/第76回アカデミー作品・監督・脚色・作曲・歌曲・美術・衣裳デザイン・メイクアップ・視覚効果・音響・編集賞受賞

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

ミナス・ティリス
©The Lord of the Rings: The Return of the King/ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還より引用

「ロード・オブ・ザ・リングシリーズ」三部作の最終章、【ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還】です。

 

第79回アカデミー賞で11部門受賞し、第32回アカデミー作品賞【ベン・ハー】と第70回アカデミー作品賞【タイタニック】と並ぶ史上最多受賞記録を保持しています。

上映時間は3時間20分と少々長めですが、ファンタジーファンやRPGファンにはたまらない傑作です。

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【ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔】

 

 

 

映画【ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還】のあらすじザックリ

永い間「ひとつの指輪」を身につけていたため異形となったゴラム。指輪の奪還を目論んでいることは明白だが滅びの山への道順が分からない以上フロドとサムはゴラムを頼りにするより他なかった。一方アラゴルン達はゴンドールに進軍してきたサウロン軍を迎え撃つ。
「ロード・オブ・ザ・リングシリーズ」三部作の最終章。

 

 

映画【ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還】の背景

この7年間、「ロード・オブ・ザ・リング」三部作の脚本、監督、製作に私のすべてを捧げてきました。

睡眠時間も十分になく、普通の生活が全く送れなかったこの歳月は、まるでフロドやサムの旅のように、全精力を使い果たすものでした。

この仕事は本当に終わるのか、と誰もが思った日もありました。

 

ー中略ー

 

今、三部作は完結して私の手を離れ、受け手である皆さまの元へ届きます。

原作を愛し、そして映画をこよなく愛する皆さま、どうぞごゆっくりとご鑑賞ください。

 

ピーター・ジャクソン

出典:【ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還】劇場パンフレット

 

なんとピーター・ジャクソン監督、【ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還】の製作に7年もかけてくれています。(「撮影期間」じゃないですよ)

これだけの大作であっても、いえ大作であればあるほどアンチが生まれ賛否分かれるもので、【ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還】に関しても「言うほどおもろいかあ~?」と思う人ももちろんいるでしょうが、私は心の底から「ロード・オブ・ザ・リングシリーズ」を作り出してくれたすべての人達にありがとうと言いたいです。

1人ずつ会って口頭で伝えてもいいです。

言ってほしい人は会いにきてください。

 

 

ここに至ってかなり指輪に支配されグッダグダのフロド(イライジャ・ウッド)と、そのフロドの強力な支えとなるサム(ショーン・アスティン)の指輪を棄てる旅、

そして日増しにかつての力を取り戻していくサウロンと、サウロンに立ち向かうあらゆる種族の連合軍との戦いがついに終焉を迎えます。

 

残念!!

永遠に続いて欲しい!!

 

 

ゴラムの過去が明らかに

「早くっ!早くっ!フロドは?アラゴルンはっ?続きが観たい観たい!とはやる気持ちを制して、【ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還】はゴラム(アンディ・サーキス)がまだスメアゴルという名のホビットであった頃の回想から始まります。

 

気持ち悪っ!…って思い過ぎてごめん

意地悪やし狡猾やし見た目がすでに気持ち悪いしええとこないわって感じのゴラムでしたが、元々は本当に普通のホビットで、ただ指輪の強力な魔力に負けたがために現在のような姿になり精神を病んでしまったのが分かると途端に可哀想に見えてくる不条理。

増してや手にしてからずっと指輪に支配されまいと精神世界で孤独な戦いを続けているフロドは、自分の未来の姿かも知れないゴラムに冷たく接することなどできません。

 

客観視できる余裕がある私達やサムの目にはゴラムが何か企んでいるのは明白ですが、普通の精神状態ではないフロドは次第にゴラムを信用しサムを疑うようになります。

やばくなってくるフロド
©The Lord of the Rings: The Return of the King/ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還より引用

 

 

人間の国の最大の砦ミナス・ティリス

エント族の協力を得てサルマン(クリストファー・リー)の支配するアイゼンガルドを陥落させたメリー(ドミニク・モナハン)とピピン(ビリー・ボイド)は再びアラゴルン(ヴィゴ・モーテンセン)達と合流。

サルマンが使っていたパランティアという占い師の水晶玉みたいな石を覗いたピピンは、サウロン軍が人間の国ゴンドールに向かっていることを知ります。

【ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還】
©The Lord of the Rings: The Return of the King/ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還より引用

 

ボロミアが抱えていたお家事情

ガンダルフ(イアン・マッケラン)はサウロンの進軍を伝えるためピピンを連れてゴンドールの都ミナス・ティリスにやってきます。

 

王不在(ゴンドールの王の末裔はアラゴルン。さすらい人になってフラフラしてる)のゴンドールを統べているのはフロドの指輪を奪おうとして命を落としたボロミア(ショーン・ビーン)の父で執政のデネソール(ジョン・ノーブル)。

デネソール
©The Lord of the Rings: The Return of the King/ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還より引用

しかしデネソールは大事な長男のボロミアが死んだショックで病み過ぎっちゅーくらい病んでます。まだ次男のファラミア(デビッド・ウェナム)は生きてるのに、未練がましくボロミアボロミア言うてます。

ボロミアは 死 ん だ の!!

 

挙句の果てにファラミアに向かって「ボロミアが生きててお前が死んだら良かったのに」という意味の言葉まで投げつけます。

毒親。

 

「王不在、執政ダメダメ」のゴンドールを救うために

トップがそんなんでもサウロンの軍勢はゴンドールに攻め込んでくるのです。

しかしこのままでは到底勝ち目はありません。

前作で「蛇の舌」に操られていた元祖ダメダメ王が名誉挽回

ははあ~ん、こりゃやべーな。と悟ったガンダルフはローハンのセオデン王(バーナード・ヒル)に助けを求めます。

持てる力を余すことなく発揮して人間の兵士を招集してくれますが、まだまだ兵力は及びません。

理解ある義理の父さんって憧れます

焦るアラゴルンの元に裂け谷のエルフ、エルロンド(ヒューゴ・ウィーヴィング)が娘のアルウェン(リヴ・タイラー)に頼まれて鍛え直した王の剣アンドゥリルを携えてやってきます。

アルウェンがアラゴルンと添い遂げ人間になり永遠の命を無くすことは許しがたいことにしろ、娘の心根はきっちり理解し、娘が愛した男がどんな男であれ力になろうとする父親の鏡みたいな人です。

 

毒親デネソールとえれー違い。

 

まあそもそもエルフという種族自体が永遠の命を持つために人格形成がちゃんとできてるって設定なんですけども。

ちなみにエルフ族はこの時サウロンに支配されつつある中つ国を離れ、不死の国へ旅立とうとしています。

不死の国へと旅立つエルフ
©The Lord of the Rings: The Return of the King/ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還より引用

なぞなぞ解けたら勝てました

ゴンドールへ加勢に向かう途中、ローハン軍は荒野でサウロン軍と激突します。

オークの大群はもちろん、オークよりはるかに強くてデカいトロル、巨大な象、【ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間】から出演しているお馴染みのナズグル、そしてそのナズグルの首領で「人間の男には絶対に殺すことができない」アングマールの魔王までもやってきます。

 

アングマールの魔王はドラゴン的な動物に乗って颯爽と現れ、指導者であるセオデン王を馬から引きずり降ろし投げ飛ばします。

とどめを刺そうとセオデン王に歩み寄るアングマールの魔王。

アングマールの魔王
人間の男には絶対に俺を殺すことはででけへん! 

じゃあどないせえっちゅーねん、と思ったら密かに鎧に身を包み戦いに加わっていたセオデン王の姪エオウィン(ミランダ・オットー)が、瀕死のセオデン王をかばいアングマールの魔王の前に立ちはだかり、

兜を脱いで長い髪をたなびかせながら一言。

エオウィン
私は男ちゃうわ!

あっけにとられた(とられたんかな)アングマールの魔王をエオウィンが剣で一突きにすると、くしゃくしゃに丸まって消滅してしまいます。

アングマールの魔王を突き刺すエオウィン
©The Lord of the Rings: The Return of the King/ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還より引用

 

…ああー。

そんななぞなぞみたいな感じでOK?

トランプで言うたら「ジョーカー」、薬で言うたら「万能薬」

アラゴルンに王の剣を渡したエルロンドはさらに、「死者の道」と呼ばれる場所に、かつてアラゴルンの祖先で最初の指輪の所有者イシルドゥアに忠誠を誓いながら裏切ったために彷徨っている死者たちがいて、アラゴルンが王として命令すればきっと戦いに加わってくれると助言します。

 

…「死者」?

それはちょっと反則ちゃうのん?

死んでんのに攻撃できんねやったら誰も敵う訳ないやん。

 

まあえっか。

サウロンの軍もそんな変な連中ばっかやし。

死者の軍団を引き連れたアラゴルン
©The Lord of the Rings: The Return of the King/ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還より引用

 

 

サウロンとの最後の戦いが始まる

最終的にゴンドールに勝利をもたらしたのは死者の軍団感が残りますが、そこはそれ、一旦危機は脱します。

 

戦いのあと、アラゴルンはまるでフロドとサムが今どこにいるのか見えているかのように決意します。

アラゴルン
モルドールに攻め入って少しでもサウロンの目をフロドとサムから逸らそう。

 

言わばおとり

 

フロドが指輪を投げ棄てることができなければ犬死にする可能性だってあります。

…しかしそれは戦わなくても同じこと。

 

「フロドのために」

常に暗雲に覆われ昼だか夜だかよく分からん陰気なモルドールの黒門の前で攻め入る準備をする連合軍。

アラゴルン
フロドのために。

そう言って黒門に突っ込んでいくアラゴルンと誰一人尻込みすることなく後に続く兵士たち。

「フロドのために」
©The Lord of the Rings: The Return of the King/ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還より引用

フロドは「世界のために」、そして世界が「フロドのために」行動しています。

 

三銃士の「1人はみんなのために、みんなは1人のために」の一説を思い出しますね。

コープさんが掲げる標語「一人は万人のために、万人は一人のために」でもいい。

 

なんと素敵な言葉なんでしょう。

 

 

一番かっこええのは意外にもこの人

一方指輪の奪還を目論むゴラムの策にハマり、巨大蜘蛛の毒牙にかかって動けなくなったフロドを救ったのはやっぱりサム。

サム

あなたの重荷は担えませんが、

あなたを背負うことならできます。

サムはフロドを担いで滅びの山を目指します。

フロドを抱えるサム
©The Lord of the Rings: The Return of the King/ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還より引用

ヒーローかお前は。

さてはヒーローなんやな?!

健気さに涙出るわ。

 

 

そしてフロド。

マグマはそこよ?

早く棄てて棄てて~!!!

ついに指輪を棄てるフロド
©The Lord of the Rings: The Return of the King/ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還より引用

 

フロドは強靭な精神力で指輪をマグマの中に投げ入れ使命を果たし、力尽きて気を失ってしまいます。

 

 

こんなRPGみたいな終わり方良すぎる

裂け谷での再会
©The Lord of the Rings: The Return of the King/ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還より引用

フロドが目を覚ますとそこはボロミアを除いた8人の旅の仲間が集う裂け谷の暖かいベッドの中。

みんなとの再会を喜ぶフロドが最初に探したのはサムで、サムはちゃんといつものようにフロドの傍にいて見守っています。

 

ボロミアやセオデン王など、犠牲は確かにあったものの最小限で食い止められ、アラゴルンはゴンドールの王となり永遠の命を捨てたアルウェンと夫婦となります。

ゴンドールの王となったアラゴルンとアルウェン
©The Lord of the Rings: The Return of the King/ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還より引用

 

王となったアラゴルンは戴冠式にかしこまって参列する4人のホビットを見つけ、深く頭を下げひざまずきます。

そうしてアルウェンが、レゴラスが、ギムリが、国民全員が4人のホビット達に跪くのです。

アラゴルンの戴冠式でのホビット
©The Lord of the Rings: The Return of the King/ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還より引用

 

 

映画【ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還】の感想一言

朱縫shuhou

…はあ~。

こんな感じでいい?

もう全部ハッピーエンドやけどいい?

もう全部です。

ザ・大団円!!

 

まるでホンマにゲームの世界やん。

全面クリアおめでとうございます!

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>> 翌年(第77回)のアカデミー最優秀作品賞はこれ!

 

 

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>死ぬまでに観たい映画1001本

死ぬまでに観たい映画1001本

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