1964年/アメリカ/監督:ロバート・スティーブンソン/出演:ジュリー・アンドリュース、ディック・ヴァン・ダイク、デヴィッド・トムリンソン、グリニス・ジョンズ、カレン・ドートリス、マシュウ・ガーバー/第37回アカデミー主演女優・歌曲・作曲・編集・視覚効果賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

もう50年以上も前の映画なんですねえ~…。
しみじみ…。
古い洋画が大好きな私は、面白くて良い映画であればサイレントだろうがモノクロだろうが苦も無く何時間でも観ることができますが、正直言ってこの映画はキツイ!
そりゃ当時は画期的だったでしょうよ。
魔法使いの主人公が空から舞い降りてきて、アニメーションと実写の合成映像で、夢があってね。
でもその当時の最新技術だけに頼ってしまってるもんで、技術が廃れてしまうととても観られたもんじゃない。
リメイク版の公開に先駆けて再視聴してみましたが、結果的に近年の映画業界を席巻している最新技術だけに頼って中身のない大衆映画の50年後の未来を垣間見ることになってしまいましたね。
唯一の救いはジュリー・アンドリュースの美しい歌声とディック・ヴァン・ダイクの大道芸がまったく色褪せていなかったこと。
【メリー・ポピンズ】です。
映画【メリー・ポピンズ】のあらすじザックリ
バンクス家にやってきた経緯からして横暴
いつも気難しそうな顔して英国の伝統がどうのとか教育の在り方がどうのとかのたまう銀行家のジョージ・バンクス(デヴィッド・トムリンソン)と、女性の権利を主張する運動に忙しい妻ウィニフレッド(グリニス・ジョンズ)。
バンクス家では悪戯盛りの子供達ジェーン(カレン・ドートリス)とマイケル(マシュウ・ガーバー)の身の回りのことは乳母に一任されています。

乳母に任せきりとは言ってもお約束といいますか、まあこの姉弟が問題ばっかり起こすもんで乳母はまるで日雇い状態。
今日も辞めて行った乳母の代わりを探すため、バンクス氏は早速「乳母募集」の広告を出します。
翌日、バンクス家の前には乳母応募者が長蛇の列をなしますが、そこへ一陣の風が吹き、応募者はみんな吹き飛ばされてしまいます。
何を隠そうこれは姉弟が書いた「乳母募集」の広告を見てやってきたメリー・ポピンズ(ジュリー・アンドリュース)の仕業。
雲の上で暮らすメリー・ポピンズは傘を片手にパラシュート部隊のような絵面で、静かになったバンクス家の前に舞い降ります。

ちなみに本編の中ではメリー・ポピンズが「魔法使いである」や「魔法が使える」と言った表現は一切出てきません。誰も彼女の「不可解な能力」について言及しないんです。
よく考えたらそもそもこの唐突に現れる不思議な女性についてはどんな風に受け止めたらいいんですかね?
ライバルたちを吹き飛ばし、たった一人の応募者となったメリー・ポピンズはズカズカとバンクス家に上がり込み、

お給料のことは相談で。
じゃあとりあえず今日から働きますんで、よろしく。
子供達の部屋はあっち?
と勝手に就職してしまいます。
善良なフリして結構横暴。
行儀の悪さはピカイチ
乳母1日目、まずメリー・ポピンズは子供達に「働くこと」の大切さを教えようとします。
子供達に今必要な「仕事」とは「部屋を片付けること」。


うむうむ、そりゃごもっとも。
…って賛同したのも束の間ですよ、なんとメリー・ポピンズは部屋の片付けを魔法でやってのけてしまいます。
それ考え方次第でもなんでもないやん!
魔法で勝手に部屋が片付いたら普通に楽しいだけやん!
さらに子供達に口を酸っぱくして「お行儀よくしなさい!」って言う割には自分は階段の手すりに腰掛けて滑り降りる!しかも口笛を吹きながら!

これ絶対あかんやつやん!
めっちゃ先生に怒られるやつやん!
…大丈夫ですかねこの人。
いつまでも聞いていたいジュリー・アンドリュースの声といつまでも観ていたいディック・ヴァン・ダイクの大道芸
ただしジュリー・アンドリュースの声だけはホントに心地いい。
やっぱりこの人は小鳥のさえずりのような奇跡の声を持ってますね。
単に会話している声を聞いているだけでも心地いいのに、歌って子供達を寝かしつける場面なんてもう、こっちまで寝てしまいそうです。こんな子守歌で眠れたらめっちゃ幸せ。
メリー・ポピンズの友人バートを演じたディック・ヴァン・ダイクの大道芸も然り。
中でもアニメーションのペンギンとみごとにシンクロするダンスにはうちの子供達も大ウケでした。

この場面にはなぜか古臭さを感じない不思議。
ディック・ヴァン・ダイクの輝くエンターテインメント性に映像の稚拙さなんて補って余りあるものがあるんでしょうかね。
映画【メリー・ポピンズ】の感想一言

バンクス家の近所の船を模した家に住んでる元船長が個人的にはツボ。
煙突掃除人たちが屋根の上で華麗に踊っているのを見てすかさず「悪魔め!退治してやる!」と言って大砲を発射した日にゃあ我が目を疑いましたけど。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。