1993年/アメリカ/監督:トニー・スコット/出演:クリスチャン・スレーター、パトリシア・アークエット、デニス・ホッパー、クリストファー・ウォーケン、ブラッド・ピット、ゲイリー・オールドマン、サミュエル・L・ジャクソン、ヴァル・キルマー
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
シビれる映画について書きます。
めちゃめちゃ好きな映画です。
一口に好きな映画って言っても、出演している俳優が好きだったり感情移入できるストーリーが好きだったり色々あると思うんですけど、この映画に関してはまずは主人公である最強の恋人同士(夫婦やけど)の2人が大好き。
よく【地獄の逃避行】や【俺たちに明日はない】へのオマージュとか言われますけどね、こっちの2人はあっちの2人より相当頭悪いでしょ。
明らかに頭悪そうなのに完璧にお互いを信じ合って愛し合ってセックスしまくって共に生きていけるなんて最高。
1967年/アメリカ/監督:アーサー・ペン/出演:ウォーレン・ベイティ、フェイ・ダナウェイ、ジーン・ハックマン、マイケル・J・ポラード、エステル・パーソンズ、デンヴァー・パイル、ジーン・ワイルダー/第40回アカデミー助演女優・撮影賞[…]
監督は【トップガン】、【クリムゾン・タイド】のトニー・スコット、脚本は【レザボア・ドッグス】、【パルプ・フィクション】のクエンティン・タランティーノ(以下、タラちゃん)。
ブラッド・ピットやヴァル・キルマーがちょい役で出ていることでも有名。
名画じゃねえの?マジで。
【トゥルー・ロマンス】です。
映画【トゥルー・ロマンス】のあらすじザックリ
木琴風のテーマ曲に乗せて…出会った翌日に結婚する運命の恋人達
コミック屋で働くクラレンス・ウォリー(クリスチャン・スレーター)は誕生日にもたった一人でカンフー映画3本立てを観ている冴えない男。
しかしガラガラの映画館で後ろの席に座ったグラマラスな美女に声を掛けられ一夜を共にすることに。
美女は名をアラバマ(パトリシア・アークエット)と言い、濃密な夜を過ごした後、涙を流しながらクラレンスに告白します。
実は私コールガールなの。
でももう足を洗うわ。
たった一晩で笑われるかも知れないけど、あんたが好き。
心に染みる木琴風の平和なテーマ曲に乗せて、過去やら親兄弟やらどないでもええ、とにかく今、お互いが好きで好きでたまらんねん…そんな2人の恋が始まる名場面。
木琴風テーマ曲はハンス・ジマーの“You’re So Cool”って曲です。
クールなテクノサウンドっぽいタイトルでいて実体は真逆。甘くてほかほかの“チェリー・パイ”ってタイトルの方が似合いそうなあったかい曲。
普通に考えればスピーディな展開に終始する【トゥルー・ロマンス】にはアンマッチなこの“You’re So Cool”は、一周回って抜群のエッセンスとなっています。
クエンティン・タランティーノがモデルで間違いない
もしかしたら知らない人もいるかも知れないので一応書いておきます。
コミック・ショップで働き(実際はレンタル・ビデオ店)、サニー千葉(字幕は「ソニー千葉」になっていることも)に傾倒しているクラレンスのモデルは脚本を担当したクエンティン・タランティーノ自身です。
アラバマみたいな美女に告られてみてーなーみたいなオタク青年の妄想も入ってるんでしょうね。
アラバマのリアクションでバカップル確定
恋に落ちた翌日、2人はなんと正式に婚姻届けを提出します。
次の日ですよ、次の日!
この辺りのスピード感もう最高。
晴れて夫婦となってすぐ、クラレンスはアラバマの足を洗わせるため、ヤバいポン引きのドレクセル(ゲイリー・オールドマン)の売春宿を尋ねます。
予想通り話しがこじれたクラレンスはドレクセルを殺害、アラバマの服が入ったトランクを持って帰ってきます。
クラレンスがドレクセルを殺したと聞いたアラバマの第一声。
殺したなんて…ホントなの…?
ロマンチックだわ!
「ロマンチックだわ」!???
このセリフを聞いた時の感動は筆舌に尽くしがたいものがありましたので、とりあえず復唱。
そして熱いべろちゅーをかました後アラバマの服が入っているはずのトランクを開けると、中には大量のコーク(コカイン)が…。
クラレンスはトランクを間違えて持って帰ってきたのでした。
思わぬ駄賃に喜ぶ2人でしたが、このブツはドレクセルよりさらにヤバいイタリアマフィアのもの。
クラレンスはドレクセルの売春宿に免許証を残してきてしまったため瞬殺で身バレ、マフィアに追われることになります。
早く逃げねーとやべーよマジで?
電話ボックスでアオカンしてる場合ちゃうって。(でもこのシーンめっちゃ好き)
キャストおかしい!名優たちが捨て駒のように!
最強のバカップルを取り巻くキャスティングがホントにおかしい。
主役級の俳優が無慈悲に切り捨てられていくタランティーノ・メソッドは【トゥルー・ロマンス】にも健在。
数分…いや数秒しか出ないサミュエル・L・ジャクソン!
タラちゃん映画の常連サミュエル・L・ジャクソンなんかホントに一瞬。
ドレクセルと取引する悪党として序盤に出てきて、そして、散ります。
パンイチで飛び蹴り、からのダブルパンチを浴びせるゲイリー・オールドマン!
ドレクセルの時のゲイリー・オールドマンのイカれた演技はめちゃめちゃ渋かった。
第90回アカデミー賞で悲願の主演男優賞を獲得したのは記憶に新しいですけども、そのアカデミー俳優がなんと、パンイチ(ガウンつき)で飛び蹴り、からのダブルパンチを披露してくれます。
脚めっちゃ綺麗やし!
そしてジャンプが華麗!!
鼻パンチで鼻血が噴き出しても息子を守るデニス・ホッパー!
元警察官でクラレンスの父親を演じるのは【イージー・ライダー】のデニス・ホッパー。
この起用は正しかった(ネタじゃない)(いや他も別にネタじゃないんでしょうけど)かな。
デニス・ホッパー自身が若い頃は問題児であったはずですけど、こうしてみると良識ある父親に見えますもんね、さすがです。
1969年/アメリカ/監督:デニス・ホッパー/出演:1969年/アメリカ/監督:デニス・ホッパー/出演:ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン、アントニオ・メンドーサ、カレン・ブラック注※このサイトは映画[…]
先祖に黒人の血が入っていると言われて爆笑するクリストファー・ウォーケン!
相手を飲み込む鬼気迫る演技はピカイチ。
クラレンスの居場所を聞き出すためにデニス・ホッパーに詰め寄るイタリアマフィアのボスは【ディア・ハンター】のクリストファー・ウォーケンです。
デニス・ホッパーの決死の詭弁に爆笑する姿にぞわっ!
マフィアいいね、うん、マフィア役かなりいい。
1978年/アメリカ/監督:マイケル・チミノ/出演:ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、ジョン・カザール、ジョン・サヴェージ、メリル・ストリープ、ジョージ・ズンザ、シャーリー・ストーラー、チャック・アスペグレン/第51[…]
声と上半身だけのヴァル・キルマー!
クラレンスはエルヴィス・プレスリーの崇拝者でもあり、その熱烈な信仰っぷりは幻覚を見るほど。
…幻覚と言うか、何か大きな決断をするときの相談役として自分自身で「創り上げて」いる感じ。
そのエルヴィス・プレスリーを演じているのが【トップガン】のアイスマン役で一躍有名になったヴァル・キルマー!
の、
…はず…
なんですけど、
一切顔が出ない!
これは笑った!
ただし声色は死ぬほど似ている!!
さてはお前もエルヴィス崇拝者かヴァル・キルマー!
らりらりブラッド・ピット!
ブラッド・ピットまで出てるんですよこの映画。
常にラリってますけども。
どっかの記事にも書きましたけど、私としてはこれぞブラッド・ピットなんですけどね。
【リバー・ランズ・スルー・イット】とか【ジョー・ブラックをよろしく】とか、あんなんあかんあかん。
この人イケメン枠あかんって。
イロモノ枠でお願いします。
1992年/アメリカ/監督:ロバート・レッドフォード/出演:クレイグ・シェイファー、ブラッド・ピット、トム・スケリット、ブレンダ・ブレッシン、エミリー・ロイド、スティーヴン・シェレン、ニコール・バーデット、エディ・マックラーグ/第6[…]
クエンティン・タランティーノ監督作との違い
クラレンスやドレクセルが映画の話をしていたり(ドレクセルは襲撃してきたクラレンスをチャールズ・ブロンソンに例えて“ミスター・マジェスティック”と呼んだりする)、かわいいアラバマが容赦なくマフィアに暴行されたり、三つ巴の銃撃戦が展開したり、スタイリッシュな音楽で全編が彩られていたり、テイストとしてはクエンティン・タランティーノ色がかなり濃い映画ですが、他のタラちゃん監督作とは決定的な違いがあります。
それは「ハッピーエンドであること」。
全然タラちゃんらしくないし、なんやったら少し陳腐であるくらいにハッピーエンド。
それもそのはず、タラちゃん自身はラストでクラレンスを殺してしまおうと考えていたそうです。
それを監督のトニー・スコットと主演のクリスチャン・スレーターが説得してハッピーエンドに落ち着いたとか。
コアなタラちゃんファンにとっては納得いかないラストかも知れませんね。
でも私はこのアホなカップルがどっかの孤島で(知らんけど)子宝に恵まれ幸せに暮らしているナメた描写で終わるラストがすごく好きです。
映画【トゥルー・ロマンス】の感想一言
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。