1976年/アメリカ/監督:エリア・カザン/出演:ロバート・デ・ニーロ、ジャック・ニコルソン、トニー・カーティス、ロバート・ミッチャム、レイ・ミランド、イングリッド・ボウルティング、テレサ・ラッセル、アンジェリカ・ヒューストン、ジョン・キャラダイン、ダナ・アンドリュース、ピーター・ストラウス
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
【グランド・ホテル】、【戦艦バウンティ号の叛乱】、【チップス先生さようなら(※遺作)】などを手掛けたハリウッド初期の敏腕映画プロデューサー、アーヴィング・タルバーグをモデルにした映画。
1932年/アメリカ/監督:エドマンド・グールディング/出演:グレタ・ガルボ、ジョン・バリモア、ジョーン・クロフォード、ウォーレス・ビアリー、ライオネル・バリモア/第5回アカデミー作品賞受賞注※このサイトは映画のネタバレしよ[…]
1935年/アメリカ/監督:フランク・ロイド/出演:クラーク・ゲーブル、チャールズ・ロートン、フランチョット・トーン/第8回アカデミー作品賞受賞注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視[…]
1939年/イギリス、アメリカ/監督:サム・ウッド/出演:ロバート・ドーナット、グリア・ガースン、テリー・キルバーン、ジョン・ミルズ、ポール・ヘンリード、ジュディス・ファース、リン・ハーディング、ミルトン・ロズマー/第12回アカデミ[…]
37歳でその短い生涯を閉じたタルバーグを、若きロバート・デ・ニーロが演じています(めっちゃ細い!)。他のキャストも超豪華。そしてエリア・カザン監督の遺作でもあります。
「最後の大物」を意味するタイトルを冠した映画、【ラスト・タイクーン】です。
映画【ラスト・タイクーン】のあらすじザックリ
仏像に乗って流されてきた女に恋する“タイクーン”
1920~1930年代、ハリウッドで絶対的な力を持っていた敏腕プロデューサー、モンロー・スター(ロバート・デ・ニーロ)。
妻を亡くして独り身のモンローは、撮影スタジオで地震が起こった時に大道具の仏像に乗って流されてきた女性に恋をしてしまいます。
持てるコネを総動員して調べたあげた女性の名前は「キャスリーン」(イングリッド・ボウルティング)。
物語は“ラスト・タイクーン”モンローのプロデューサーとしての活躍よりも、キャスリーンとの恋愛模様に重点を置いて描かれます。比重は3:7ってところでしょうか。これ、逆にした方が良かったような気はします。プロデューサー業の方を7割、キャスリーンとの恋を3割。
モンローの熱烈アプローチの甲斐あって2人は愛し合うようになるんですけど、実はキャスリーンはもうすぐ別の相手と結婚することが決まっています。
だからキャスリーンも最初は一応、モンローに誘われても頑なに断るんですけどね?
モンローの押しに負けて彼を愛し始めてしまってからはもうグッズグズ。自分から会いたいって電話してみたり手紙よこしてみたり、かと思えば「今日の午後私は結婚します」という内容の電報を送りつけただけで勝手にTHE ENDにしてみたり。酷い女ですよ実際。
でもモンローもモンローなんです。
モンローがどうしてこれほどまでにキャスリーンを愛してしまったのかと言うと、「死んだ妻に似てるから」。
軽率な代償行動ですよね。しかもこの事実を本人に言ってしまう。「“君だから”好きになったんだ」とは言わない。
この2人のイラつく恋愛模様をみせつけられるくらいなら彼らを取り巻く豪華キャストにワーキャー言ってる方がよっぽど良い。
“タイクーン”を取り巻く豪華キャスト
モンローが勤める映画会社の社長ブラディーには【狩人の夜】、【恐怖の岬】のロバート・ミッチャム。胸板厚っ。
そのブラディーの弁護士フライシャッカーは【失われた週末】、【ダイヤルMを廻せ!】のレイ・ミランド。レイ・ミランドって晩年毒気が抜けてるよね。
気難しい大御所女優ディディは【突然炎のごとく】のジャンヌ・モロー。地で行ってる感が凄い。
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1945年/アメリカ/監督:ビリー・ワイルダー/出演:レイ・ミランド、ジェーン・ワイマン、フィリップ・テリー、ハワード・ダ・シルヴァ/第18回アカデミー作品・監督・主演男優・脚本賞受賞注※このサイトは映画のネタバレしようがし[…]
1954年/アメリカ/監督:アルフレッド・ヒッチコック/出演:レイ・ミランド、グレース・ケリー、ロバート・カミングス、ジョン・ウィリアムズ、アンソニー・ドーソン注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと[…]
演技のみならず妻との夫婦生活までモンローに相談する大御所俳優ロドリゲスは【お熱いのがお好き】のトニー・カーティス。一瞬だけ映り込む「往年のトニー・カーティス」は、確かにロドリゲス自身が惚れ惚れするほどカッコいい。
1959年/アメリカ/監督:ビリー・ワイルダー/出演:マリリン・モンロー、トニー・カーティス、ジャック・レモン、ジョージ・ラフト、ジョー・E・ブラウン/第32回アカデミー衣裳デザイン(白黒)賞受賞注※このサイトは映画のネタバ[…]
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1991年/アメリカ/監督:バリー・ソネンフェルド/出演:ラウル・ジュリア、アンジェリカ・ヒューストン、クリスティーナ・リッチ、ジミー・ワークマン、クリストファー・ロイド注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず[…]
1993年/アメリカ/監督:バリー・ソネンフェルド/出演:ラウル・ジュリア、アンジェリカ・ヒューストン、クリスティーナ・リッチ、ジミー・ワークマン、クリストファー・ロイド、キャロル・ケイン、ダナ・アイヴィ、カレル・ストルイケン、ジョ[…]
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ここまででもすでにドエライ顔ぶれだというのに、最後の最後に究極の大物が出てくるんで泡食いますよ。
映画作家組合の共産党員ブリンマーはなんと、オスカー12回ノミネートの化け物、ジャック・ニコルソンです。
※私はジャック・ニコルソンの熱烈ファンです。
笑いを禁じ得ない深夜のピンポン
【ラスト・タイクーン】の一番の見どころは、このブリンマーとモンローの会談及び深夜のピンポンの場面だと思います。
キャスリーンにフラれて自暴自棄になったモンローが、飲めない酒を浴びて泥酔状態でブリンマーと卓球対決するんです。審判にはブラディーの娘セシリア(テレサ・ラッセル)。
見どころソコ?!
ええ、ここです。
そうは言いますけどあなた、ロバート・デ・ニーロとジャック・ニコルソンの共演って観たことあります?
全作完璧に調べたわけじゃありませんけど恐らくこの2人の共演って【ラスト・タイクーン】だけですよ。
このツーショットだけでもレアすぎてドキドキしちゃう。
そこへ持ってきてこの2人が深夜に卓球対決してるんですよ?!
絵面 が無茶苦茶シュールで笑っちゃうからホントに。
映画【ラスト・タイクーン】の感想一言
豪華キャストを除いて【ラスト・タイクーン】で忘れられないのは、「大仏の頭」と「ピンポン」と「モンローの一人芝居」と「モンローが真っ暗なスタジオに消えていくラスト」くらいでしょうか。
これがまさかエリア・カザン監督の遺作とは…何しろモンローとキャスリーンの恋愛ドラマが下らないので、残念な気持ちは拭えません。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。