1978年/アメリカ/監督:ジャック・ニコルソン/出演:ジャック・ニコルソン、メアリー・スティーンバージェン、クリストファー・ロイド、ジョン・ベルーシ、ヴェロニカ・カートライト、ジェフ・モリス、ダニー・デヴィート
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
私が熱烈に思慕する名優ジャック・ニコルソン。
実は彼は俳優として鳴かず飛ばずだった若手時代に、脚本家や映画監督を志したりしています。
【イージー・ライダー】で一躍人気者になり【カッコーの巣の上で】で念願のオスカーを獲得したあともくすぶりつづけた彼のその夢は、残念ながら「演技以外は才能なし」と云う不名誉を被るトリガーにしかならなかったのです。
1969年/アメリカ/監督:デニス・ホッパー/出演:1969年/アメリカ/監督:デニス・ホッパー/出演:ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン、アントニオ・メンドーサ、カレン・ブラック注※このサイトは映画[…]
1975年/アメリカ/原作:ケン・キージー/監督:ミロス・フォアマン/出演:ジャック・ニコルソン、ルイーズ・フレッチャー、クリストファー・ロイド、ダニー・デヴィート、ウィル・サンプソン、ウィリアム・レッドフィールド、ブラッド・ドゥー[…]
差し当たって脚本作を除き監督作に関して言えば、ジャック・ニコルソンは3つの映画を世に放っています。
1971年の【Drive, He Said】、1990年の【黄昏のチャイナタウン】、そして本日の映画【ゴーイング・サウス】。
1990年/アメリカ/監督:ジャック・ニコルソン/出演:ジャック・ニコルソン、ハーヴェイ・カイテル、メグ・ティリー、マデリーン・ストウ、イーライ・ウォラック、ルーベン・ブラデス、デヴィッド・キース、トム・ウェイツ、リチャード・ファー[…]
これがねえ、日米ともに、全作揃いも揃って彼の俳優としての評価からは考えられないくらいクソカス言われておるんですよ、ええ。
【Drive, He Said】だけは入手困難のため未視聴で真の価値は判断しかねるんですけど、私としては【黄昏のチャイナタウン】は誰が監督しても面白くなりようがなかったように思うし、【ゴーイング・サウス】は結構面白いと思ったんですけどね。
ん~…、いやまあ、やっぱり惜しいか。
映画【ゴーイング・サウス】のあらすじザックリ
「稼ぎ手を亡くした女性の力になるなら無罪放免」
ならず者のヘンリー・ムーン(ジャック・ニコルソン)は、馬泥棒の罪で絞首刑に処されることに。
群衆が見守る中、刑の執行直前に保安官(リチャード・ブラッドフォード)がお上 からの布告を伝えます。
もちろん逃亡したりDVするようなことがあったらすぐさまその権利ははく奪されます。
そこで手を挙げたのが父親が遺した自宅に独りで暮らすジュリア(メアリー・スティーンバージェン)。
かくしてならず者のヘンリーは、命を救ってくれた初対面の女性と結婚し、晴れて自由の身となるのでした。
のっけから舞台背景がユニークでしょ?
もちろん「初対面の2人が一緒に暮らすうちに愛し合うようになる」なんて陳腐な展開で終わったりしませんよ。ジュリアがヘンリーと結婚した目的は地道に農作業に駆り出すためではなく、か弱い顔した彼女は意外にも、金鉱を掘って一攫千金を狙う野心家だったのです。
女の細腕でささやかな横穴を掘ってきたジュリアの生活に、ヘンリーと云う夫兼助っ人(飯付き無給)が現れたってことですね。
爆笑も感動もなければ銃撃戦もない
普通に楽しく観られる映画なんですけど、欲を言えばもう少しパンチが欲しかったかな。
ジャンルとしてはコメディ西部劇になると思うんですけど、(かのジョン・ベルーシが出演しているにも関わらず!)これと言って面白いシーンがない。
ジュリアの前にヘンリーに求婚してくれたお婆ちゃんが即死亡する場面と、ならず者仲間と保安官らの「至近距離なのに命中しない銃撃戦」は笑ったけど、そこだけかな。
かといって【キャット・バルー】みたいに爆笑する訳でもないし、【明日に向って撃て!】みたいに目の保養になる訳でもない。
1965年/アメリカ/監督:エリオット・シルヴァースタイン/出演:ジェーン・フォンダ、リー・マーヴィン、マイケル・カラン、ドウェイン・ヒックマン、レジナルド・デニー、ナット・キング・コール、スタッビー・ケイ/第38回アカデミー主演男[…]
1969年/アメリカ/監督:ジョージ・ロイ・ヒル/出演:ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス、ストローザー・マーティン、ジェフ・コーリー、ジョージ・ファース/第42回アカデミー脚本・撮影・作曲・主題歌賞受賞[…]
ジャックにもう少し演出の才能などがあればもっと面白くなったのかなあ~、と、密かに思っている次第であります。
これまでのすべてをうやむやにした牧歌的なラスト(オープニングと対になってる)は割と好きなんだけどな。
その後大活躍する著名な俳優が目白押し
ジュリアを演じたメアリー・スティーンバージェンは、幸か不幸か(?)【ゴーイング・サウス】が本格銀幕デビューとなりました。
ウエイトレスをしながら演技の勉強をしていたメアリー・スティーンバージェンを見出したのは他ならぬジャック・ニコルソンだったそうです。スティーンバージェンは後年もずっと「今の私があるのはジャックのお陰」と公言しています。
スティーンバージェンと言えば【バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3】のクララ・クレイトン、そしてその恋人ドクことブラウン・エメット(クリストファー・ロイド)ですよね(違う?)。
1985年、1989年、1990年/アメリカ/監督:ロバート・ゼメキス/出演:マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、リー・トンプソン、クリスピン・グローヴァー、クローディア・ウェルズ、トーマス・F・ウィルソン、ジェームズ[…]
なんの因果か、【ゴーイング・サウス】にはジュリアに振られる副保安官トーフィールドとしてクリストファー・ロイドも出演しています。
さらにさらに、ジャック・ニコルソンとクリストファー・ロイドが揃ったら、そうです、【カッコーの巣の上で】です。
【ゴーイング・サウス】には【カッコーの巣の上で】出演時からジャックと固い友情で結ばれているダニー・デヴィートも出ています(出番が少ないので画像は割愛)。
そして33歳の若さでこの世を去った伝説のぶっ飛んだコメディアン、ジョン・ベルーシ。
すんごい豪華キャストであるのにスティーンバージェン以外はまったく活かしきれていないのも“監督”としてのジャック・ニコルソンの評価が低い理由なんでしょうねえ。
映画【ゴーイング・サウス】の感想一言
驚くべきことにこれだけの名優が揃い踏む中、一番光ってるのは新人時代のメアリー・スティーンバージェンだったりします。うつむいてる演技が多いから自然と上目遣いになってまたかわいいんですよね。
脚本家としても監督としてもパッとしないジャック・ニコルソンですが、女優を発掘する眼力はあるみたい。
えっ?!
そうなの?!
いい女優やんか!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。