1990年/アメリカ/監督:ジャック・ニコルソン/出演:ジャック・ニコルソン、ハーヴェイ・カイテル、メグ・ティリー、マデリーン・ストウ、イーライ・ウォラック、ルーベン・ブラデス、デヴィッド・キース、トム・ウェイツ、リチャード・ファーンズワース、レベッカ・ブロウサード
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
フィルム・ノワールの傑作とされる【チャイナタウン(1974)】の続編に当たる映画。
1974年/アメリカ/監督:ロマン・ポランスキー/出演:ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン、バート・ヤング、ダイアン・ラッド、ペリー・ロペス、ジョン・ヒラーマン、ダレル・ツワーリング、ロマン・ポランスキー[…]
一作目から実に16年もの歳月が流れています。
その間に前作の監督だったロマン・ポランスキーは自身の犯した犯罪行為によりヨーロッパへの逃亡を余儀なくされ、プロデューサーのロバート・エヴァンスは身に覚えのない(とされる)麻薬カルテルとの関与を疑われ、一時は“呪われた映画”だなんて言われたこともありましたが、主演と監督を兼任したジャック・ニコルソンはこれを力強く否定しています。
うんそうだよね、“呪われた映画”じゃなくて、ただ単に面白くないだけだよね。
【黄昏のチャイナタウン】です。
参考 フィルム・ノワール=1940~1950年代末にかけてアメリカで製作された、堕落して歪んだ人物を描いた陰鬱で退廃的な映画群。主に犯罪映画や探偵映画を指す。
映画【黄昏のチャイナタウン】のあらすじザックリ
なぜにこれで“ジェイク・ギテス”を演ろうと思った?
【チャイナタウン】と言えば、“第二の(ハンフリー・)ボガード”と讃えられるほど私立探偵ジェイク・ギテスが憑依したジャック・ニコルソンが素晴らしかったものですが、続編【黄昏のチャイナタウン】のジェイク・ギテスには前作の面影なんて微塵もありません。
とにかくジャック・ニコルソンが太り過ぎ。
クールでシャープな“ジェイク・ギテス”のイメージぶち壊し。
ジェイクの10年後、20年後の姿を何度シミュレーションしてみても絶対にこうはならない。とりあえず私の頭の中では。
【黄昏のチャイナタウン】は、主演のジャック・ニコルソン、プロデューサーのロバート・エヴァンス、脚本のロバート・タウンら前作に大きく関わった3人でもって何年も構想を練って暖められてきた映画のはず。
それなのに主演のジャック・ニコルソンのこの体たらく。
徹底した役作りをすることで知られるロバート・デ・ニーロとまでは行かないまでも、もっとキャラクターのイメージを尊重して欲しかった。
依頼人のジェイク・バーマン(ハーヴェイ・カイテル)とのゴルフの場面とかもう失笑ものよ。
だってバーマンはバーマンで結構な大病患ってるはずなのに筋肉隆々なんだもん。
私はジャック・ニコルソンがめちゃくちゃ好きです。
彼がルックス重視の俳優ではないことも、自然体でいることを好む俳優であることも知っています。
しかし【黄昏のチャイナタウン】に関してだけは、愛しているからこそ敢えて言いましょう。
思い入れのあるキャラクター演じるならせめてもうちょっと役作りしてよ!!
ロマン・ポランスキーを呼び戻したとしてもダメだったんじゃ
“ジェイク・ギテス”のイメージからかけ離れたジャック・ニコルソンの容姿だけが問題でもないんですけどね。
【黄昏のチャイナタウン】の監督は当初、脚本のロバート・タウンが兼任する予定でした。それがなぜか最終的にはジャック・ニコルソンにお鉢が回ってきています(諸説あって真相不明)。
余り知られていませんが、名優ジャック・ニコルソンには脚本家や映画監督という肩書もあります。監督業としては【Drive, He Said(原題)】と【ゴーイング・サウス】に続く3作目で、まあどれもこれもぶっちゃけ彼には映画監督の才能はなかったんだねと言わざるを得ない仕上がりではあるのですが、しかし【黄昏のチャイナタウン】に限っては監督が仮に前作と同じロマン・ポランスキーだったとしても結果は大して変わらないんじゃないかと思っています。
1978年/アメリカ/監督:ジャック・ニコルソン/出演:ジャック・ニコルソン、メアリー・スティーンバージェン、クリストファー・ロイド、ジョン・ベルーシ、ヴェロニカ・カートライト、ジェフ・モリス、ダニー・デヴィート注※このサイ[…]
前作【チャイナタウン】ありきの内容になってる割には真相が明かされた時のインパクトが弱いんですよね。
もし私が監督だったら「この映画を一体どうやって面白くしろって言うんじゃ」って企画した人達を怒鳴りつけたくなると思います。
いや企画したのは監督・主演・脚本・製作の当の本人達なんだけどさ。
長年のパートナー関係に終止符を打ったレベッカ・ブロウサード嬢
ジャック・ニコルソンの熱烈ファンである私が個人的に着目するのは、ジェイクの秘書役のブロンドの女性。
こちらの、女優としてはほぼ無名のレベッカ・ブロウサード嬢はですね、ジャック・ニコルソンの子供を妊娠したことで、17年間も続いていたアンジェリカ・ヒューストンとジャックの愛人関係にピリオドを打った張本人です。
これまでもジャックの浮気性には散々苦しめられていたアンジェリカでしたが、レベッカの子供の父親が自分であることを公に認めたジャックについに愛想を尽かしたのでした。
だから何やねんって言われると困るんですけど、アンジェリカもジャックとの子供が欲しいって言ってたのに気の毒だなと思ってね。
映画【黄昏のチャイナタウン】の感想一言
邦題はあからさまに前作を意識したものになっていますが、原題は【Chinatown 】をいささかも匂わせない【The Two Jakes 】となっています。
私立探偵ジェイク・ギテスを扱った続編を作るにしても、イヴリン・モウレー(フェイ・ダナウェイ)やノア・クロス(ジョン・ヒューストン)は一切絡めない方がまだ良かったのかも?
1974年/アメリカ/監督:ロマン・ポランスキー/出演:ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン、バート・ヤング、ダイアン・ラッド、ペリー・ロペス、ジョン・ヒラーマン、ダレル・ツワーリング、ロマン・ポランスキー[…]
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