【カッコーの巣の上で】ジャック・ニコルソン

【カッコーの巣の上で】タイトルの意味考察と感想。ロボトミーって?

1975年/アメリカ/原作:ケン・キージー/監督:ミロス・フォアマン/出演:ジャック・ニコルソン、ルイーズ・フレッチャー、クリストファー・ロイド、ダニー・デヴィート、ウィル・サンプソン/第48回アカデミー作品・監督・主演男優・主演女優・脚色賞受賞

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

【カッコーの巣の上で】バスケをする患者たち
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

私が最も好きなハリウッド俳優はジャック・ニコルソンです。

80歳を超えたおじいちゃんとなった今でも大好きです。すっかり隠居してしまってここ数年表舞台から遠ざかっていますが。

 

そのジャック・ニコルソンの出演作の中でも、特に愛して止まないのがこの映画。

 

実は私、ジャック・ニコルソンに会ったことはありません。(当たり前)

会ったこともないのに、この映画でジャック・ニコルソンが演じるランドル・パトリック・マクマーフィという人物が現実のジャックそのものであるような幻想を抱いています。

実在する人物であるかのようにジャックが演じているマクマーフィに本気で恋をしているんです。

 

とても「いちファン」なんて言葉で片づけたくない本物の恋心。

前科者でもヒモでも何でもいいから一生傍にいてくださいと何度も思いました。

私は歳をとって変わっていくけど映画の中のジャックはずっと変わらず私の心を虜にしたままです。

 

従いましていつも以上に文章が壊滅的になることは必定ですが、そこは恋したあの頃を思い出してご容赦ください。

「何だか文章がおかしいぞ…ああそうか、コイツは今恋をしているのか…」と…。

 

アカデミー賞主要5部門(作品・監督・主演男優・主演女優・脚色賞。1934年の【或る夜の出来事】以来41年ぶりの快挙)受賞の珠玉の名作、【カッコーの巣の上で】です。

 

 

 

タイトルの意味考察【カッコーの巣の上で】

ケン・キージーによる原作小説のタイトルは【One Flew Over the Cuckoo’s Nest】。

もともと日本では【郭公の巣】という邦題で出版されていたものが、映画のタイトルに合わせて公開後に【カッコーの巣の上で】に改題されました。

 

改題されたところで私にはさっぱり意味が分からないんで必殺Wikipedia引用。

原題は最後にチーフという名の患者が一人 (One) で自由を求めて、cuckoo=crazy、つまり精神病を患う人の集まる精神病院 (the cuckoo’s nest) から飛び出して脱出する (flew over) ことを象徴しており、もともとの由来はマザー・グースの詩である。

またカッコーの巣(cuckoo’s nest)は、「精神病院」の蔑称のひとつである。

出典:Wikipedia

なるほど、「カッコー」が「crazy」で「カッコーの巣」が「精神病院」やったとは。

こんな言葉遊びも容易に分からないなんて…

 

ガッデム言葉の壁。

 

 

映画【カッコーの巣の上で】のあらすじザックリ

刑務所の労働を怠けたいがために精神異常者を装って精神病院に委託入院してきたランドル・パトリック・マクマーフィ。そこではラチェッド婦長が牛耳る規則でがんじがらめの生活が待っていた。何もかも病院に制御される怠惰な日々に甘んじることなく好き勝手に振る舞うマクマーフィの行動は、やがて他の患者達にも変化をもたらす。

 

 

「カッコーの巣」に新患がやってきた

日々安穏あんのんと同じ時間に同じ日課を繰り返し、刺激を一切与えられない「カッコーの巣」に、ある日精神異常を装って刑務所での労働を行わない問題児ランドル・パトリック・マクマーフィが 収監 入院させられてきます。

刑務所での労働を逃れられ、したり顔でちょっとテンション高めのマクマーフィ。

【カッコーの巣の上で】新患ランドル・パトリック・マックマーフィ
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

しかし彼が「カッコーの巣」で見たものは、刑務所以上に不可解な世界でした。

 

キャスト一覧:「カッコーの巣」に入院中の個性派俳優達

後の名バイプレイヤーを何人も生み出したことでも知られる【カッコーの巣の上で】。

主要な登場人物を振り返ってみます。

●ハーディング(ウィリアム・レッドフィールド)…妻を持ち、夫婦生活で悩んでいる。最も正常に近い患者。

【カッコーの巣の上で】ハーディング
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

●ビリー・ビビット(ブラッド・ドゥーリフ)…天パるとどもっちゃう童貞。母親がラチェッド婦長の親友。マクマーフィを「マック」と呼び慕う。

【カッコーの巣の上で】ビリー・ビビット
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

ブラッド・ドゥーリフはこの演技でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、役者として大きく躍進しました。

●テイバー(クリストファー・ロイド)…急にキレたりする躁鬱症?ぽい感じの患者。

【カッコーの巣の上で】テイバー
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

クリストファー・ロイドは後の「バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ」のエメット・ブラウン博士(ドク)役で有名。

●マーティニ(ダニー・デヴィート)…“楽”以外の感情は持ち合わせないのかな?ってくらいいつもニヤニヤしてる患者。

【カッコーの巣の上で】マーティニ
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

ダニー・デヴィートとジャック・ニコルソンはこの映画で仲良くなり、その後も様々な映画で共演しています。

●チェズウィック(シドニー・ラシック)…子供の心を持った患者。電気ショック療法が嫌だと駄々をこねてマクマーフィにすがりつきます。

【カッコーの巣の上で】チェズウィック
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

●シーフェルト(ウィリアム・デュエル)とフレドリクソン(ヴィンセント・スキャヴェリ)…親友同士でいつも一緒。

【カッコーの巣の上で】シーフェルトとフレドリクソン
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

●チーフ(ウィル・サンプソン)…ろうあのインディアン。原作では主人公であり物語の語り手。

【カッコーの巣の上で】チーフ
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

演じたウィル・サンプソンはこの映画で注目され、その後も確実にキャリアを重ね存在感を放っていましたが、残念ながら1987年に53歳の若さで亡くなっています。

●タークル(スキャットマン・クローザース)…夜勤の看守。女を連れ込むマクマーフィを注意するものの、生来の女好きで話の分かる性格により見逃してくれます。

【カッコーの巣の上で】スキャットマン
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

スキャットマン・クローザースはスタンリー・キューブリック【シャイニング(1980)】でもジャック・ニコルソンと共演。

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【シャイニング】ジャック・ニコルソン

 

「カッコーの巣」での規則正しい毎日

「カッコーの巣」の内部では、ガチガチに決められた規則の中で、みんな不満も疑問もなく日々を過ごしています。

 

病室はどこも金網・鉄柵・南京錠だらけ。

毎日決まった薬の配給。毎日決まったレクリエーション。毎日決まった起床時間・自由時間・掃除時間・就寝時間・規則やルールや決まり事、それを破れば与えられるペナルティ。

これら病棟での一切合切を取り仕切っているのが婦長のラチェッド女史(ルイーズ・フレッチャー)。

【カッコーの巣の上で】ラチェッド婦長
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

彼女はいつもガラス張りのナースルームから天使のような微笑みをたたえながら患者たちのいるデイルームを監視しています。

そしてレクリエーションの時間ともなれば患者たちの輪に交わり、さも自分は患者たちのことを親身になって考えている風を装いながら、言葉少なに実に巧みに各々の弱みを挙げ連ねさせ、自分がここでの絶対的権力者であることを植え付けているのです。

 

【カッコーの巣の上で】皆でミーティング
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

彼女の「統制」は完璧でした。

そう、マクマーフィがやってくるまでは。

 

ランドル・パトリック・マクマーフィがやったこと

そんな生活を入院当初はちょっとだけ静観してみるマクマーフィ。

しかしすぐに彼は本領発揮します。

【カッコーの巣の上で】救世主マクマーフィ
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

マクマーフィはそもそもどうしてこの「カッコーの巣」へやってきたかというと、刑務所の労働が嫌だったから。

働きたくないから狂人のフリでもしとこうと言う、ごくごく安易な発想でまんまと連れて来られただけなワケです。ヒーローでもなんでもない。

 

でもなぜか【カッコーの巣の上で】でのマクマーフィはまるで入院患者たちの英雄のよう。

荒廃した世界を救いにやってきた救世主のよう。

 

無茶苦茶なのに、です。

よくよく考えるとマクマーフィがやったことといえば、得意のカードで患者たちと賭けをして儲けたこと、TVでワールドシリーズを見せろと婦長に掛け合ったこと、病院に無断で患者たちを釣りに連れて行ったこと、クリスマスに病棟に女友達を連れ込んだこと、など。

無茶苦茶なんです。

結局全部自分の主義主張・趣味嗜好・老若男女で酒池肉林なんです。最後の2つは勢いです。

 

でもこの「自分のやりたいことをやって何が悪い!」と言わんばかりのマクマーフィの行動すべてが、「カッコーの巣」の患者たちにはどれほどサプライジングな出来事であったか。

【カッコーの巣の上で】釣りに出かけるマクマーフィ
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

 

そりゃそもそも犯罪者で、学もなく品もなく女が好きで真面目に働く勤勉さもない世間のはみ出し者ではあるワケで…。

やり方は強引だし、こんな我がまま放題で屁理屈をまかり通そうとするマクマーフィを相手にしなければならないラチェッド婦長にも「お察しします」と言わざるを得ない部分も多少なりともあるんですけど…。

【カッコーの巣の上で】ラチェッド婦長
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

でも彼と接してロボットのように日々を過ごしていた他の患者達の表情がみるみる生き生きと輝き出す過程は、彼が間違いなく「何か」を持っていると思わざるを得ません。

 

 

原作の主人公チーフ

原作小説では、主人公はチーフです。

【カッコーの巣の上で】ニヤリと笑うチーフ
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

私なんかは映画から先に入ったもんで、小説のマクマーフィ(小説では「ッ」が入る)のセリフはすべてジャック・ニコルソンの声で脳内再生されるほど違和感なく読むことができましたが、原作者のケン・キージーは映画の仕上がりに大変不満を持っていたそうです。

分からんでもないですけどね。

原作はチーフのモノローグありきと言うか、チーフの客観的目線でマックマーフィを捉えている部分に面白さがあるんですよね。

 

最初は「なんだか面白そうな新患が入ってきたなあ…」と傍観していただけのチーフが、いつのまにかまるで親友か同志か、でなければ兄弟ででもあるかのように、主観的な目線でマックマーフィを語るようになっていきます。

原作小説の方がマックマーフィの神々しさは増しているような気がします。神格化してるというか…言いすぎかな。

 

私は双方どちらも大変面白く拝見いたしました。

映画のファンなら一度は原作も読んでみてください。

カッコーの巣の上で
ケン キージー
Out of stock

 

チーフとマクマーフィの信頼関係

チーフ
俺はお前みたいにでっかくないから…。
【カッコーの巣の上で】チーフと脱獄を企てるマクマーフィ
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

大男のチーフがマクマーフィに病院の脱出を誘われた時、自嘲気味にこんな事を言います。

この時、泣いてないのになんだかチーフが泣いているような気がして、一瞬すごく哀しい気持ちになりますが、間髪入れずに放たれるマクマーフィのセリフでそんな気持ちは吹き飛びます。

マクマーフィ

ははっ!でっかい体して何言ってんだ!

やるぞ!

こーゆー人、現実にもいますよね。

 

無神経な訳ではなくて、「何細かいこと気にしてんねん!」て、自分の小さな世界観を一瞬で変えてくれる人

本人は全然意識してないのに、こーゆー人種に救われる人って多いんじゃないでしょうか。

【カッコーの巣の上で】ワールドシリーズの実況をするマクマーフィ
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

原作でチーフはマクマーフィにこうも言います。

チーフ
昔は俺も「大き」かったが、今はすっかり「小さく」なってしまった…

マクマーフィはそんなチーフに約束します。

マクマーフィ

よし、俺がお前を「元の大きさ」に戻してやる。

【カッコーの巣の上で】マクマーフィを抱いて涙を流すチーフ
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

そして映画の最後でチーフは返事をしないマクマーフィに言います。

チーフ

行こう。

今は俺も でっかい気分 だ。

「元の大きさ」に戻ったチーフ。

約束を守ったマクマーフィ。

 

ちゃんと原作の設定も随所に活かされていて申し分ない仕上がりです。

 

 

マクマーフィに施されたロボトミー手術とは

病院内で酒を浴び女を連れ込み、ナースルームのガラスを割り、ラチェッド婦長の首を絞めて暴れ回ったマクマーフィに最後に行われた「治療」はロボトミー手術(前頭葉白質切截術←読めない)。

 

原作のマックマーフィの言葉で言うなら「脳の一部をぶち切る」手術。

ハーディング曰くは「脳の去勢」。

【カッコーの巣の上で】ロボトミー後のマクマーフィ
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

現在は行われていない(はずの)外科手術であるとはいえ、人為的に人間を廃人のようにできてしまうなんて、恐ろしい技術があるんですね。

 

 

ジャック・ニコルソン胸キュンポイント

最後にジャック・ニコルソンの胸キュンポイント(なんじゃそら)を一個だけご紹介します。

【カッコーの巣の上で】ジャック・ニコルソン胸キュンポイント
©One Flew Over the Cuckoo’s Nest/カッコーの巣の上でより引用

これです。

この、右肩んトコ。

 

病院の計器か何か付けられてるのかと思ってたら、タバコ

 

当時こんなファッションが流行ってたのかどうか、残念ながらジャックより数十年もあとに生まれてしまった私はよく知らないのですが。

逞しい腕のTシャツの袖に荒っぽく巻き付けられている四角いタバコの箱に、ただならぬ男の色気を感じます。(変なツボ)

 

映画の後半は冬になってしまって普通に上着のポケットにタバコ入れたりしてるんですけどね。

 

 

映画【カッコーの巣の上で】感想一言

朱縫shuhou
朱縫shuhou
ジャックの袖に巻き付けられて気が向いた時に吸うだけ吸われて捨てられる彼専用のタバコになってしまいたい…。

意味が分からん?

そうそれが

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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