1976年/アメリカ/監督:ジョン・G・アヴィルドセン/出演:シルヴェスター・スタローン、タリア・シャイア、バート・ヤング、バージェス・メレディス、カール・ウェザース、トニー・バートン/第49回アカデミー作品・監督・編集賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
あーそうそう!
シルヴェスター・スタローンって昔はこんなにカッコよかったんよねえ~。
正直【ロッキー・ザ・ファイナル】とか見られたもんじゃない(おーい)ですが、本日の映画のスライ(※シルヴェスター・スタローンの愛称)にだけはどうしたってシビれちゃう。
そこら辺のボクサーが世界チャンピオンに登り詰めるだけのスポーツ映画にとどまりません。シリーズ全編を通して主人公ロッキー・バルボアを取り巻く人間模様を力強く繊細に映し出す不朽の名作、【ロッキー】です。
映画【ロッキー】のあらすじザックリ
ロッキーシリーズの順番と彼を取り巻く人間模様
【ロッキー】は8作続く大ヒットシリーズの一作目です。
順番はこう。
映画「ロッキーシリーズ」順番
- 【ロッキー】(1976年)
- 【ロッキー2】(1979年)
- 【ロッキー3】(1982年)
- 【ロッキー4/炎の友情】(1985年)
- 【ロッキー5/最後のドラマ】(1990年)
- 【ロッキー・ザ・ファイナル】(2006年)
- 【クリード チャンプを継ぐ男】(2015年)
- 【クリード 炎の宿敵】(2018年)
【クリード チャンプを継ぐ男】以外のシリーズ作品はすべてシルヴェスター・スタローンの脚本によるものです(一作目の監督は【ベスト・キッド(1984)】のジョン・G・アヴィルドセン)。しかも【ロッキー】に関して言えば、たったの3日で脚本を仕上げたと言うから驚き。
「3日で仕上げた脚本の低予算映画がオスカーを獲る」だなんて、それ自体が作中の言葉「チャンスの国アメリカ」を体現しているからなおいっそう【ロッキー】は注目されたんですね。
「ロッキーシリーズ」で面白いのは何も試合に勝利したロッキーがリング上で「エイドリア~ン!」と雄叫びを上げるシーンだけではありません。
おはこんばんちは、朱縫shuhouです。 アメリカの映画団体AFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)が1998年から(ほぼ)1年毎に発表し始めた「アメリカ映画100年シリーズ」。ライン[…]
映画【ロッキー】の本質は雄叫びでも白熱の試合内容でもなく、主人公ロッキーを取り巻く人間模様にあります。
チンピラすれすれの三流ボクサーから「世界タイトル挑戦者」、やがて「世界チャンピオン」へと登り詰めるロッキー。当然それに伴って世間の評価も住環境も生活水準も変化して行くのですが、基本的にはロッキーを取り巻く身近な人々は変わらない。
試合の勝敗のネタバレを避けながらスポーツ映画【ロッキー】のストーリーを追うことは困難なため、本日は誰もが脇役に留まらない魅力的な登場人物の皆さんをご紹介しようと思います。
ロッキーと名トレーナー/ミッキー
私にとって【ロッキー】と言えば「ロッキー(・バルボア)」じゃなくて「ミッキー」。
そうです、厳しい特訓の果てに必ずロッキーを勝利へ導くトレーナー、ミッキー・ゴールドミル(バージェス・メレディス)です。
最っ高でしょこのおじいちゃん。
「死ぬまでロッキーに寄り添う名伯楽」として記憶に残っている人も多いと思いますが、実は一作目【ロッキー】の序盤ではロッキーと喧嘩ばっかりしていてめちゃくちゃ仲悪い。ロッキーのことなんてジムの厄介者としか思っておらず、着替え用のロッカーすら与えてくれません。
そんなある日、ロッキーに世界タイトルマッチの話が舞い込んでくる。
するとミッキーの態度は一変、突然ロッキーのアパートを訪ねてきて、タイトルマッチに向けてマネジメントをしてやると自ら売り込んできます。
いやいや違うんですよ。ミッキーの態度が豹変したのには理由があるんです。
というか、「今までミッキーが冷たかった理由」が、ちゃんとある。
ミッキーがロッキーのアパートを訪ねてくるより少し前にさかのぼってみましょう。
ロッキーが「なんでそんなに俺にだけ厳しいねん!」と詰め寄った時、ミッキーはロッキーにこう言います。
やかましい!
せっかくええもん持ってんのに高利貸しの用心棒なんぞして才能をムダにしやがって!
もともと見込んでいた部分はあったのに努力もせずチンピラとつるんでいるようなロッキーを、ミッキーは早い段階で見捨てていたんですね。
それが突然タイトルマッチなんて大チャンスが転がり込んだもんだから再び夢を見ずにはいられなくなり、ロッキーの手助けをできるのは自分しかおらん!と信じて恥を忍んでロッキーのアパートを訪ねたと。
もちろんこのミッキーの豹変ぶりに一番びっくりするのはロッキー本人。
今さらなんやねん!
デカい試合が決まった途端に手の平返しやがって!
いままでずっとバカにしとったくせにアホンダラ!
そりゃそうよね。
そりゃ確かにキレてしまうかも知れん。今までの冷たい仕打ちを思い出したらミッキーのこの申し出を素直には受け取りにくいわいな。
でもひとしきり喚いてスッキリしたのか、ロッキーは意外とすぐに冷静さを取り戻し、正式にミッキーにマネジメントをお願いします。
ロッキーもまた親の愛に飢えた子供のように、ずっとミッキーに認められたかったのかも知れないね。
泣けるやん。
ロッキーと恋人/エイドリアン
そしてミッキー同様、闘うロッキーの強い支えとなるのがのちに彼の妻となるヒロイン、エイドリアン(タリア・シャイア)。
常にモジモジして観る人をイラつかせますが、彼女がイケイケのおネエちゃんだったら【ロッキー】は成立しません。
絶対ヘタレっぽいのに本気出したらめっちゃ芯が強いというギャップがエイドリアンの良いところ。
一作目の【ロッキー】では終始内気でカマトトぶってるエイドリアンは、シリーズが進むにつれて「普通の女やったらくじけてるわ」という困難にも毅然と立ち向かうことができる強い女性であることが明らかになってきます。
ロッキーと親友/ポーリー
アルコール依存症なのかな?ギリギリ大丈夫なのかな?とにかく酒ばっかり飲んでるエイドリアンの兄貴、ポーリー(バート・ヤング)。
飲んでる酒は古い洋画によく出てくるあのぺったんこの瓶のやつ。ウィスキーかな、あれめっちゃ美味しそうですよね、あれです。
誰かの非難ばかりして急にブチ切れたりするんで、できればあんまりお近づきになりたくない人物。でもロッキーはチャンピオンの地位を獲得したあとでも変わらずポーリーの傍にいます。無茶苦茶なのに何故か憎めない得な人なんですよ。私も(見てる分には)ポーリー大好き。
番外編★ポーリーとエイドリアンの兄妹喧嘩
さきほど「エイドリアンは強い」と書きましたがよく考えたらそれも当然で、エイドリアンってあのポーリーの妹なんですよね。
普段はあまり兄妹っぽくない(飲んだくれの兄と真面目な妹)のに一度だけ、2人の血が繋がっていることを改めて認識させられるシーンがあります。いつものようにポーリーに罵倒されたエイドリアンがついにプッツンするんです。
バット持って暴れるポーリーに勇ましく立ち向かうエイドリアン。その時のセリフがこちら。
言うよねえ~。
ロッキーとチャンピオン/アポロ
現世界チャンピオンのアポロ・クリード(カール・ウェザース)って一作目では特に、自分の地位にあぐらをかく意識高い系のおバカさんっぽい感じで描かれていますよね。でも2作目以降はちゃんとええ感じ出してきます。
いやごめん、そうでもないか?
【ロッキー4/炎の友情】で、ジェームス・ブラウン(本物)が「リビニナメーリカ !」を歌う盛大な演出の中、全身星条旗柄(これがすでにちょっとアホっぽい)の衣装に身を包んで華々しくリングに上がり、ロシアからの刺客イワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)に大敗を喫した時も、まあまあアホっぽさが出てましたね。根本的に陽気な人柄でサービス精神旺盛なんだろうけど、ちょっと調子に乗っちゃうタイプ。
この人ももちろん「ロッキーシリーズ」になくてはならない人。
映画【ロッキー】の感想一言
一作目だけじゃ多くを語れない作品。
個人的には【ロッキー3】まで揃って完璧やと思ってます(以降はネタやと思ってる)(コラ!)。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。