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【イヴの総て】ベティ・デイヴィスの真骨頂!「シートベルトを締めてね」

クラシック
20秒で読める概要とあらすじ

1950年/アメリカ/監督:ジョセフ・L・マンキーウィッツ/出演:ベティ・デイヴィス、アン・バクスター、ジョージ・サンダース、ゲイリー・メリル、セレステ・ホルム、ヒュー・マーロウ/第23回アカデミー作品・監督・助演男優・脚本・衣裳デザイン・録音賞受賞

ブロードウェイの大女優マーゴ・チャニングの舞台を毎日見に来る田舎娘のイヴ・ハリントン。マーゴはイヴに目をかけ付き人として側に置くが、プライバシーもないほど身の周りのことに手を回すイヴのことが次第に疎ましくなっていく。芸能界の裏側を描いた秀作。

※このブログはネタバレしようがしまいが気にせずただ映画について書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

サラ・シドンス賞受賞式

🄫All About Eve/イヴの総てより引用

日本の芸能界でも枕営業がどうのとか芸能事務所の力関係がどうのとかって噂は絶えませんよね。実力だけではどうしようもない部分も少なからずあるんでしょう。私にはまったく縁のない世界ですけども。

 

本作では「ブロードウェイでののし上がり方」が詳細に描かれています。

やっぱり何はなくとも目指す世界で力を持っている人に取り入るのが最良最短の策のようです。

本作のように時には嘘も方便、人を裏切り蹴落としおとしいれてのし上がった人々の集合体が「芸能界」であるのなら…ホント怖すぎ。

 

でもそんな芸能界よりも怖いのは、栄えある賞を獲得しても心から祝ってくれる親友の1人もいない人生を送ることでしょう。

本作のイヴ・ハリントンのように。

 

【イヴの総て】です。

 

 

うざいほど謙虚で控えめなのは世を忍ぶ仮の姿

ブロードウェイの大スター、マーゴ・チャニング(ベティ・デイヴィス)の舞台を毎日観に来ている変な帽子にレインコート姿の若い女性…。

彼女のことがなんとなーく気になって仕方がなかったマーゴの親友で劇作家ロイド・リチャーズ(ヒュー・マーロウ)の妻カレン(セレステ・ホルム)は、ある晩ついに彼女をマーゴに紹介することにします。

 

マーゴと演劇の大ファンだという彼女の名はイヴ・ハリントンアン・バクスター)。

美しいけれど地味な身なりをしていて消え入りそうな声で話すはかなげな女性です。

 

こんな奴おれへんやろ~

マーゴも毎日劇場に来ている変なカッコの女性のことは知っていて、「会ってあげてよ~」というカレンの頼みを聞き入れ楽屋にイヴを招き入れます。

マーゴとイヴの初対面

🄫All About Eve/イヴの総てより引用

イヴ
私…私…感激です!

いつも観てます!

大ファンなんです…!

この感動は一生忘れません!

マーゴを紹介されたイヴはしどろもどろ…。

そしてマーゴの傍らに座るカレンの夫ロイドにも涙を流しそうな勢いでこう言います。

イヴ
先生!

先生の書く劇は最高です!

素晴らしいです!

 

朱縫shuhou
…ん?

なんかちょい色々と過剰すぎへんかこの女?

謙虚で奥ゆかしいイヴの不幸な境遇を聞いたマーゴは突如母性本能に目覚めたらしく、イヴを付き人として自宅に住まわせそばに置くことにします。

 

まだまだこの辺りでは私は、「実はイヴがマーゴ達を踏み台にしてブロードウェイでのし上がろうとしてたらおもろいな~」とかシャレ半分に思いながら観てました。

 

まさかホンマにそうやったとは。

 

何が目的やねん吐きやがれ!

どこまでも謙虚で控えめな態度を崩さず、みるみるうちにマーゴや舞台関係者の信頼を得ていくイヴ。

付き人として手腕を発揮するイヴ

🄫All About Eve/イヴの総てより引用

 

しかしある日マーゴはイヴが許可も得ずマーゴの恋人で演出家のビル・サンプソン(ゲイリー・メリル)に勝手に電話を架けたことに違和感を覚えます。

ビルはツンデレのマーゴが自分の誕生日に電話をくれたことを喜んでいたし、イヴに悪気はなく忙しい2人に良かれと思ってしてくれたことと分かっていても、マーゴはなんとなく腑に落ちません。

 

人間関係なんて一度わずかなほつれが気になりだすと疑心暗鬼がどんどん膨らんでいくわけで、
それからのマーゴはもう自分の真似ばかりするイヴも、イヴのことを褒めちぎる周囲の人間も、誰も彼もみんな気に入らなくなってきて荒れ放題に当たり散らします。

パーティで浮かない顔をするマーゴ

🄫All About Eve/イヴの総てより引用

そんな折、自分のバースデイパーティの席で苛立ちMAXのマーゴが吐いたセリフ、

マーゴ
Fasten you seatbelts. It’s going to be a bumpy night.

(今夜は大荒れよ。シートベルトを締めてね)

「AFIアメリカ映画の名セリフベスト100」の9位にランクインしています。かっこいい!

参考 AFI=アメリカン・フィルム・インスティチュート。1967年に設立されたアメリカ合衆国において「映画芸術の遺産を保護し前進させること」を目的とする機関。

 

 

正体を現した妖怪みたい

最初にイヴの正体に気付いたのは私と(ふふ)マーゴですが、それが次第に周囲の人間にもバレていくのは必然です。

相手だってアホやないんですから。

しかもそうやって権力者に取り入ってのし上がろうとする人間なんてゴマンといるであろう芸能界の関係者であるなら尚のこと、のぼせていたのが落ち着いてきて冷静にイヴの人となりをみれば自ずとわかってくるんでしょう。

 

しかしバレてもイヴはお構いなし。

今度は弱みを握っているカレンを脅してロイドの劇の主演を自分にやらせろと迫ります。

 

最初に劇場で出待ちしていた時のイヴの印象と余りに違う豹変ぶり。

これが女優。

これがブロードウェイ。

 

こえーってマジで。

 

妖怪どもが巣くう芸能界

しかし24歳の小娘にいいようにされるようでは芸能界もとっくに終わってますよ実際。

総てを見抜いた批評家アディソン・ドゥイット(ジョージ・サンダース)によってイヴの暴走は止められ、イヴはドゥイットのものとなります。

その見返りとしてイヴは演劇界最高のサラ・シドンズ賞を史上最年少で獲得することができるのです。

 

結局ドゥイットが食物連鎖の一番上にいて本気で怖いんですけども。

色々掌握しとるんですよこのオッサン。

ちなみにラストで 次の獲物もロックオンしてます。

何もかもお見通しのドゥイット

🄫All About Eve/イヴの総てより引用

 

マリリン・モンロー…?えっ!

最後に。

作中でイヴと一緒にオーディションを受けるちょっと天然のカズウェルという女性がいます。

「えらいマリリン・モンローに似せた女優やなあ~…」と思ってたら

なんと本物の駆け出しの頃のマリリン・モンローでした!

 

まあ【イヴの総て】の魅力は主演のベティ・デイヴィスの鬼気迫る演技に尽きるのであって、この時点のマリリン・モンローには全然主役を食うような雰囲気は出てませんけど、ネームバリューは半端ない女優なので一応ご紹介しておきます。

数分しか出ないので注視しときましょう!

ププッピドゥ~!

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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