【ダーティハリー3】

映画【ダーティハリー3】あらすじと観た感想。人事はオカマの仕事ではありません

映画の概要と注意事項

1976年/アメリカ/監督:ジェームズ・ファーゴ/出演:クリント・イーストウッド、タイン・デイリー、ハリー・ガーディノ、ブラッドフォード・ディルマン、ジョン・ミッチャム、デヴァレン・ブックウォルター

【ダーティハリー3】
©The Enforcer/ダーティハリー3より引用

ハリー

ハリー

人事なんかオカマの仕事や!

こんなこと令和の現代に職場で口にしようもんなら顰蹙ひんしゅく買うどころか下手したら懲戒解雇食らいますよ。

われらがサンフランシスコ市警のハリー・キャラハン刑事(クリント・イーストウッド)はそんなこと気にせずじゃんじゃん口にしますけどね。

念の為に断っておきますけどハリーは何も「人事部のお仕事だけ・・がオカマである」、と言っているわけではありません。察するに彼は汗水たらして現場を奔走する仕事こそが男の仕事であって、椅子に座って帳面書いたり電話取ったりするようなデスクワークは全部・・女性の仕事だと思っているみたいです。

公開は昭和51年か…。

かく言う私も初見の時はさっきのハリーのセリフも取り立てて問題と感じることなく普通に聞き流していましたね。ほんの50年ほど前の映画のキャラクターの台詞ひとつ取っても「現代いまだとアウト」ってことが増えましたわ。

 

多様性を重んじる現代にこそ改めて観てみるといいかも知れないポリス・アクション、【ダーティーハリー3】です。



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映画【ダーティハリー3】のあらすじザックリ

ハリー・キャラハン刑事はいつものように物的被害を気にせず強盗犯を射殺して事件を早期に解決したが、このことで市長や上司を怒らせてしまい、人事課へ異動となる。翌日、刑事昇任試験で女性を一定数増やすという市の方針に反感を覚えたハリーは、女性刑事候補のケイト・ムーアに厳しくあたる。

今度のバディは多様性を象徴する女性刑事

【ダーティハリー3】はそのタイトル通り、「ダーティハリーシリーズ」の三作目にあたる映画です。

事件解決のためなら汚れ仕事も厭わない“ダーティハリー”ことハリー・キャラハン刑事の本作でのバディは、シリーズ唯一の女性刑事ケイト・ムーア(タイン・デイリー)。しかも人事課から刑事に採用されたばかりの新米。

【ダーティハリー3】
©The Enforcer/ダーティハリー3より引用

街なかでド派手な大捕り物を演じて警察に多額の損害を負わせたハリーは殺人課から人事課への異動を命じられます。市警上層部が殺人課でやらかしたハリーを閑職に追いやるけどそのあと凶悪事件が起こったため結局殺人課に呼び戻さざるを得なくなるってパターンは「ダーティハリーシリーズ」のスタンダードのひとつ。

 

今回のハリーの異動先は人事課で、さっそく刑事登用試験の試験官として面接をしていたハリーの前に現れたのがくだんのムーア嬢。

知識は深いけど内勤一筋で現場を経験したことがないというムーアに対して、ハリーはあからさまに「女なんかに刑事が務まるか!」という蔑んだ態度を取ります。面接も中途半端に切り上げちゃう。

【ダーティハリー3】
©The Enforcer/ダーティハリー3より引用

ところがその後ムーアは、「人民革命軍」なるテロ組織が起こした市長の誘拐事件の捜査に乗り出したハリーのパートナーに任命されることになるのです。突出した能力があるわけでもないムーアがゴリ押しされてる理由は、警察の“多様性推進”にあるらしい。

【ダーティハリー3】
©The Enforcer/ダーティハリー3より引用

映画が公開された1970年代後半はアメリカで女性の社会進出や権利運動が盛んに行われていて、【ダーティハリー3】にもそんな時代の潮流が如実に映し出されています。

テロ組織「人民解放軍」は相手にとって不足…あり

さてそんな、鳴り物入りで刑事になったムーアとともにハリーが挑む今回の事件は、先ほども申し上げました通り「人民解放軍」なるテロ組織がサンフランシスコ市長を誘拐して金銭を要求するというもの。

しかしこいつらがまあ~ハリーの敵(しかも三作目の敵)としては今一つ。

組織の野望や動機もふんわりしてるうえに、まずもって「ベトナム戦争の帰還兵でかなりヤバイ奴」って設定であるはずの組織のボス、ボビー・マックスウェル(デヴァレン・ブックウォルター)が、割と普通の犯罪者

【ダーティハリー3】
©The Enforcer/ダーティハリー3より引用

一作目【ダーティハリー】の敵スコルピオ(アンドリュー・ロビンソン)の方がよっぽどイカれてる。

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二作目【ダーティハリー2】での“正義の暴走”という大きなテーマと比較しても【ダーティハリー3】の悪役「人民解放軍」は単なる“反社会的集団”でしかなく平板で、少々物足りなさが残ります。

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映画【ダーティハリー3】の感想一言

【ダーティハリー3】
©The Enforcer/ダーティハリー3より引用

朱縫shuhou

朱縫shuhou

「女性である」というだけで軽視されていたムーアが、独特のスタイルで事件の捜査をするハリーに面食らいながらも必死で食らいつく姿はどんな屈強な男性よりも勇ましい。
男顔負けのガッツを見せるとはいえあのハリーが女性であるムーアをパートナーとして少しずつでも受け入れてゆくだなんて、従来の一匹狼的な「ダーティハリー像」からは考えられない彼の変化が見られるという点に於いて希少な映画です。
 
悪役が物足りないのに秀作に仕上がっている、という点でも希少。

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朱縫shuhou 天衣無縫に映画をつづっている人

朱縫shuhou

「天衣無縫」と「温故知新」を信条として、主に古い洋画を好む映画好き。様々な映画を観たいのにホラーだけは怖くて観られない可哀相な初老。

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