1992年/アメリカ/監督:クエンティン・タランティーノ/出演:ハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、クリス・ペン、スティーヴ・ブシェミ、ローレンス・ティアニー、エディ・バンカー、クエンティン・タランティーノ
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

“ライク・ア・ヴァージン”は巨根とヤリたい女の歌だ
歌全部が巨根の暗示だ
出典:【レザボア・ドッグス】字幕
大半の映画好きは導入部のこのセリフを聞けばなんの映画か分かるんじゃないでしょうか?
なんとこの映画はしょっぱなから、マドンナの“ライク・ア・ヴァージン”についてだの、レストランでチップを払うだの払わないだの、クソどうでもいい会話が8分弱もの間繰り広げられます。
素晴らしいですねえ~。
何気ない会話にすでに消せない暴力の香りがプンプン漂ってますしねえ~。
賛否はあれど映画を撮ればとにもかくにも話題に上るハリウッドきってのオタク監督クエンティン・タランティーノ(以下タラちゃん、タラりん)の最初にして最強の映画、【レザボア・ドッグス】です。
映画【レザボア・ドッグス】のあらすじザックリ
クール過ぎるオープニング動画“リトル・グリーン・バッグ”
タラちゃんの映画って、何度でも楽しめるところがいいですよね。
予定調和的な演出が多いのに、飽きるどころかなぜか観れば観るほど面白くなるという、ね。
【レザボア・ドッグス】のオープニングもそう。
このオープニングのカッコよさはタラちゃん監督作の中でも群を抜いてます。
異常。
観た回数が増えるにつれて鳥肌が立つほど興奮しちゃう。

みたいな。
あ、観たいですか?
ちょっとだけ切り取ったので貼っときますね。
でもこの動画再生しない方がいいですよ?
100%本編観たくなると思うんで。
ほ~らまた観たくなってきた~。
映画【レザボア・ドッグス】のタイトルの意味は?
タイトルの意味を考察しようとしたんですけど、この映画に関してはWikipediaに完っ璧に記載されています。
誰が編集したんでしょうね、名乗れ名乗れ。ひとこと言いたい。
おみそれしました(お辞儀)。
かなりタラりんを愛している人が編集したことは間違いないでしょう。見事にまとまっているので見てみてください。
ここでは少しだけ引用しつつまとめておきます。
“Reservoir dogs”という題名は英語を母国語としている者にとっても意味が曖昧であり、特定のスラングでもない。 “Reservoir”とは貯水池、貯蔵、蓄積などを表すフランス語が語源となっている単語である。
出典:Wikipedia
「ドッグス」が宝石強盗のために集まった犯罪集団を指していることだけは明らかですが、「レザボア」って単語からしてよく分からんってことですね。
そしてWikipediaでは【レザボア・ドッグス】のタイトルの意味として6つの可能性を示しています。
なんて諸説あるみたいですけど、十中八九4番目の「④聞こえの良い単語を繋げただけで意味は無い説」で間違いないでしょこれ。
あとの説はきっと熱烈なタラちゃんファンが深読みしまくって無理くりこじつけたんでしょうよ。
出演者誰?何色?キャスト並べておさらい
さて、冒頭のとあるレストランでの“ライク・ア・ヴァージン”に関してなどのクソどうでもいい会話は、彼らの「作戦」決行前の腹ごしらえの席で繰り広げられています。
ここからそれぞれの登場人物の回想を通してゆっくりと明らかになっていくその「作戦」とは、裏社会の大物ジョー・キャボット(ローレンス・ティアニー)とその息子エディ(クリス・ペン)が信頼できる人間を6人集め、綿密に練られた宝石強奪作戦。

集まった6人はお互いの素性を知らされず、本名を聞くことも禁止とされ、ジョーによって色にちなんだコードネームを付けられます。
ミスター・ホワイト(ハーヴェイ・カイテル)

ジョーの古い友人でもあるミスター・ホワイトに扮するのはハーヴェイ・カイテル。
後述しますけど、悪党にしては少々人情に厚すぎ。
ミスター・オレンジ(ティム・ロス)

(恐らく)一番若手のチンピラって感じのミスター・オレンジにはタラりん作品の要となる役柄をこなすことが多いティム・ロス。
センター分けが超似合う。
こちらも後述。
ミスター・ブロンド(マイケル・マドセン)

しびれますよねもう、イカれたサイコ野郎ミスター・ブロンド(マイケル・マドセン)。
新米警察官を盾にして警察の包囲網を切り抜け、さらにその人質の耳を切り落とした挙句ノリノリでガソリンぶっかけて燃やしてしまおうとする愉快な思考回路の男。


助けてくれ!燃やさないでくれ!

わか…わかったって、分かった分かった、静かにしろって。しーっ…。
そんだけ?
言いたいことそんだけか?
ええか?終わった?もうええか?
新米警官の命乞いをめんどくさそうにいなす仕草にどうしようもなく漂う男の色気。
いやあ~たまりませんねマイケル・マドセン。
ミスター・ピンク(スティーヴ・ブシェミ)

はい出ましたミスター・ピンク(スティーヴ・ブシェミ)。
コードネームを振り分けられた時にピンクなんて嫌だと駄々をこねますが、「だってお前ホモやろ?」とジョーに一蹴されます。
「せめてパープルにしてくれ」と申し出るもすでに他にいるという理由であっさり却下。
その時その時で言ってることはコロコロ変わるしその割には私欲がすごいし、この中でもっとも悪党らしい悪党。
ミスター・ブルー(エディ・バンカー)

踏み込んできた警察との銃撃戦であっけなくこの世を去られるミスター・ブルー(エディ・バンカー)。
この人ホントの犯罪者なんだってね。
道理で、セリフも出番も少ないってのに雰囲気あります。
ミスター・ブラウン(クエンティン・タランティーノ)

もお~出たがりなんだからあ~。
冒頭でぺちゃくちゃしゃべってケタケタ笑って額に一発銃弾くらって一瞬目を離した隙に眠るように息を引き取られるのはミスター・ブラウンことクエンティン・タランティーノ。
作中で自分でも言ってますけど、ミスターうんこ色です、うんこ色。
オープニングでみんなでゾロゾロ歩いている時もひとりで身振りを交えてしゃべり続けているのが笑える。
タラちゃんって役者だけやってても大成したんじゃないの?って時々思うんですけどどうですかね?主演向きでは絶対ないけどさ。
あかんか、アクが強すぎかアクが。
読み取れない!その顔すごい!視聴者は笑うしかない!
周到に準備して挑んだはずの宝石店襲撃計画は内部の誰かの裏切りによって警察に筒抜け。
一瞬で17人もの警察官に包囲され、その場で始まった銃撃戦によって命を落としたミスター・ブルーとミスター・ブラウンを除いた4人は、散り散りになって命からがら逃走。
ひとまず打ち合わせ通りの集合場所である倉庫に集まります。

そこで呼び出されたジョーとエディも交え、警察への内通者は誰なのか、奪った宝石はどこにあるかの議論がなされるワケです。
ここへ至る経緯が徐々に明らかになっていく巧みな脚本には特に言及する必要もないと思うので、私がすんげーツボにはまった2人の俳優の表情について語りまして【レザボア・ドッグス】のレビューを終了したいと思います。
ミスター・オレンジの場合
刑事だったのは腹を撃たれて作中ほぼ倉庫の床に転がってるミスター・オレンジ。
刑事ミスター・オレンジはこれが初の潜入捜査。
緊張の面持ちで「俺ならやれる…!」と暗示をかけて勇んでいました。
ターゲットの信頼も得、晴れて作戦に参加。
しかしミスター・ホワイトと一緒に宝石店から逃走している最中、強引に停めた車の運転手の女性にふいをついて腹を撃たれ、反射的に撃ち返し善良な市民を殺してしまいます。
その時の表情がすごい。




分かりません。
どの感情か分かりません。
もう今まで見たこともないくらいすごい表情するんでホント、笑ろてまいます。
ミスター・ホワイトの場合
そしてもうひとつ、その演技力に圧倒されるのがラストシーンのミスター・ホワイト。

ここはまあ有名なんでみんな笑うんでしょうけど、いやいや、こんな救いようのない表情あります?!
すごいですよね?!
旧友ジョーと銃口を向け合うほど自分を信頼してくれたミスター・ホワイトに対するミスター・オレンジの仁義が逆にミスター・ホワイト本人を地獄に叩き落してるパターン。

って、
それ今言うたらあかんやろ!
辞世の句にしては強烈すぎ…そのまま逝ってくれた方がミスター・ホワイトにもなんぼか救いはあったでしょうに…ぷぷ。
お陰様でそれを明かされたミスター・ホワイトは「ジョーが言うてた通りやったやあ~ん…」って今さらどうしようもない苦悶の表情でこの世を去られたじゃないのよ!
爆笑。
映画【レザボア・ドッグス】の感想一言
監督作一発目でこれを撮ってしまうとはしかしある意味不幸かも。
現に私はクエンティン・タランティーノ監督作としては【レザボア・ドッグス】が最高傑作だと思っています。これより面白いと思える作品には未だにお目にかかってないです。
名画と誉れ高い【パルプ・フィクション】と比較してもです。
脚本参加だったらダントツで【トゥルー・ロマンス】なんですけどね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。