映画【ピノキオ】原作怖すぎ!ほんとは全然子供向きじゃない冒険譚

1940年/アメリカ/監督:ベン・シャープスティーン、ハミルトン・ラスク/声の出演:ディッキー・ジョーンズ、クリフ・エドワーズ、クリスチャン・ラブ、イヴリン・ヴェナブル/第13回アカデミー作曲・歌曲賞受賞

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

あやつり人形ピノキオ君
©pinocchio/ピノキオより引用

世界初の長編アニメ【白雪姫】が大成功を収めたウォルト・ディズニー社渾身の2作目。

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その割にはあんまりヒットしなかったみたいです。そりゃそうだよ、古い童話には現代の視点で見ると少々行き過ぎた教訓が含まれていることは周知されていますが、その中でもなぜにこの物語を選んだんだか…。

結果的に現代でも愛される名画となったから良かったようなものの、原作を読んで子供向けのアニメにしようと思いついたウォルト・ディズニーがすごい。

ディズニーらしい愛らしい描画やキャラクター、楽しげな音楽、そして子供向けに改変したストーリーを持ってしても、普通に怖い。

 

自分の欲求を抑えることを知らず周囲に迷惑をかけまくる悪ガキのお話、【ピノキオ】です。

 

原作が怖い映画【ピノキオ】のあらすじザックリ

ゼペットじいさんは子供がいないおもちゃ職人。ゼペットが「あやつり人形のピノキオを人間の子供にしてください」と星に願うと、ブルー・フェアリーがピノキオに生命を授けてくれた。良い行いをしなければ本物の子供にはなれないピノキオに甘い誘惑がつきまとう。

原作ではすんごい悪ガキだったピノキオ

ディズニー映画のピノキオといえば、無知で無垢で奔放で、それゆえ周りの友人や大人の甘言にふわふわと踊らされてしまうという、なんとも憎めない可愛らしさを持ったキャラクターですが、原作のピノキオはすごくワルいです。

更生の余地もないほどの不良少年

甘言をささやくキツネ
©pinocchio/ピノキオより引用

自由になる体を手に入れた瞬間本性を現す

そもそもが、原作のピノキオはゼペットじいさんの願いを聞き入れたブルー・フェアリーによって命を与えられたのではありません。元々意思を持ってた「木片」をゼペットじいさんが彫って人形にしただけ。

ピノキオは手足を手に入れた瞬間逃亡し、そのお陰でゼペットが牢屋にいれられようがどこ吹く風。一人で勝手に家に帰って言うことには、

ピノキオ

俺って超自由。

(確かここでゼペットじいさんに対して「老いぼれ」だのなんだのと結構な悪態をつく)

遊び人人生始まっちゃう感じ?

パリピ気取りのピノキオをたしなめにやってきたのが有名なピノキオの最初のお友達、コオロギのジミニー・クリケット。

ディズニー映画では「ピノキオの良心」として最後まで連れ添いますが、原作ではこの時点でなんと、木づちをぶつけられ内臓破裂でお亡くなりになられます。内臓破裂かどうかは知りませんけど(盛った)。

 

手のつけようのない不良少年ピノキオの最初の殺人です。

誘惑に逆らえないセロファンのように薄い意志

百歩譲って仮に、「ピノキオは無知で無垢な憎めないキャラクター」というディズニー映画の通りの視点で観てみると、今度は周囲の誘惑が怖すぎ

ストロンボリ
©pinocchio/ピノキオより引用

サーカスにピノキオを売り飛ばすキツネと猫はまるで人身売買の仲介役、対価も与えず死ぬまで働けというサーカスの団長ストロンボリはまるでブラック企業の役員、頭の鈍い子供達を「遊びの島」に集めてしこたま遊ばせロバになったところで出荷してしまう馬車屋はまるで意識高い系自己啓発セミナーの詐欺師

ロバになった子供達
©pinocchio/ピノキオより引用

大体「遊び過ぎたらロバになる」ってこの設定も意味不明でめっちゃ怖い。

流行らそうと思ったんですかね?「遊び過ぎたらロバになるで?!」って?

いや流行らへん流行らへん。

糸巻き機のようにスルスルと嘘を紡ぎ出す口

無垢ゆえにというか、そんな周囲の大人を出し抜く処世術というか、息吐くようにスルスルと口から紡ぎ出されるピノキオの「嘘」も末恐ろしいものがあります。

ピノキオ

僕全然悪くないねん!

悪い奴らに捕まってん!

こともあろうにピノキオを助けようとしているブルー・フェアリーに向って嘘を並べる…(ディズニー映画では)「正直に、良い行いをするのですよ」と約束をして命を吹き込んでもらったはずなのに。記憶力ないんかお前は。

ブルー・フェアリー
©pinocchio/ピノキオより引用

自分を守るため常習的に便宜上の嘘をつく癖が幼い頃についてしまうのってすごい怖いことですよね。私も子供達に「怒らへんから嘘つかずに言って」とか「正直に言えて偉いやん」とか声を掛けるように努めています。

…とかなんとか考えてると、自分がしたことによってピノキオに降りかかるこの恐怖の数々は、やっぱり子供向けに効果的に改変されてるんですね。

朱縫shuhou

うこと聞けへんかったらロバになるで!

この決め台詞だけでどんなけ震えあがるねんって感じですもん。

 

他にも騙されたピノキオが木に吊るし首になる残虐な描写などが含まれる原作はこちら。ディズニー映画と違って大人が存分に楽しめる冒険ものとなっています。おすすめ。

原作も映画も共通して心底気の毒なゼペットじいさん

映画【ピノキオ】でもっともヘタこいたのは親代わりの善人ゼペットじいさん。

ピノキオのせいで牢屋にいれられるわ、ピノキオを探しに出たらクジラ(原作ではサメ)に飲み込まれるわ、ある意味瞬殺されるジミニー・クリケットの方が幸せやったんちゃうかと思うくらいの地獄を見ます。

クジラの腹の中のゼペット
©pinocchio/ピノキオより引用

ちゃんとピノキオがこの哀れな老人の面倒をみていることを祈らずにはいられません。

映画【ピノキオ】の感想一言

朱縫shuhou

朱縫shuhou

教訓にしてもあまりにも「目には目を」過ぎる気がしますよね…。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

朱縫shuhou 天衣無縫に映画をつづっている人

朱縫shuhou

「天衣無縫」と「温故知新」を信条として、主に古い洋画を好む映画好き。様々な映画を観たいのにホラーだけは怖くて観られない可哀相な初老。

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