【嵐が丘】ローレンス・オリヴィエとマール・オベロン

映画【嵐が丘(1939)】あらすじと感想。観ただけで呪われそう

1939年/アメリカ/監督:ウィリアム・ワイラー/出演:マール・オベロン、ローレンス・オリヴィエ、デヴィッド・ニーヴン、ジェラルディン・フィッツジェラルド、フローラ・ロブソン、ヒュー・ウィリアムズ/第12回アカデミー撮影(白黒)賞受賞

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

二人で山へ旅立つヒースクリフとキャシー
©Wuthering Heights/嵐が丘より引用

白黒映像であることも手伝って、陰気くさくて陰気くさくてどうにもたまらん陰気な映画(言い過ぎ)。

観てしまったらこっちまで荒野の邸宅「嵐が丘」の悲劇の呪いにかかってしまいそう。

 

原作は30歳の若さでこの世を去った女流作家エミリー・ブロンテの同名小説。

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新潮社
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【嵐が丘】です。

 

 

 

映画【嵐が丘(1939)】のあらすじザックリ

吹雪で道に迷った小作人が「嵐が丘」と呼ばれる館に辿り着き、一夜の宿を乞うた。その夜、小作人は窓の外から聞こえる女の声に狼狽し、それを知った屋敷の主人ヒースクリフは吹雪の戸外へ飛び出した。館の家政婦エレンは「嵐が丘」にまつわる過去の悲劇を話始める。

 

 

道に迷った者くらいしか立ち寄らない荒野の邸宅「嵐が丘」

猛吹雪の夜、道に迷った小作人が陰気な邸宅「嵐が丘」にやってきます。

そこに住んでいたのは屋敷の主人のヒースクリフ(ローレンス・オリヴィエ)、その妻イザベラ(ジェラルディン・フィッツジェラルド)、使用人のジョゼフとエレン(フローラ・ロブソン)の4人。

小作人は一夜の宿を所望します。

「嵐が丘」に住む人々
©Wuthering Heights/嵐が丘より引用

冒頭はもう、怖いのが苦手な私にとってはホラー映画レベルのおどろおどろしさです。

道に迷ってもこんな家には絶対泊まりたくない。吹雪の方がマシ。

 

案の定、別室に通された小作人がうとうととしていると、窓の外から女性の声が聞こえてきます。

外は猛吹雪。人影は見当たりません。

「ヒースクリフ…」

小作人
ぎゃあ~~っ!!
朱縫shuhou
ぎゃあ~~っ!!

小作人の呼ぶ声で駆け上がってきたヒースクリフは、「キャシー!待ってくれ!」と叫んで吹雪の中を飛び出して行ってしまいます。

キャシーを探すヒースクリフ
©Wuthering Heights/嵐が丘より引用

残された小作人に向かって、使用人のエレンはぽつりぽつりと「嵐が丘」の悲劇を語り始めます。

 

 

一途すぎる男ヒースクリフと移り気な女キャシー

屋敷の主人ヒースクリフは、もともとはなんと孤児。

市場でボッコボコに虐められていた身寄りのないヒースクリフ少年を拾ってくれたのが「嵐が丘」の前の主人であるアーンショー老。

心優しいアーンショーはヒースクリフを自宅に住まわせ実の子供のように可愛がってくれました。

拾われっ子のヒースクリフ
©Wuthering Heights/嵐が丘より引用

アーンショーには同じ年頃の2人の子供ヒンドリー(ヒュー・ウィリアムズ)とキャシー(マール・オベロン)がおり、ヒースクリフとキャシーはいつしか愛し合うようになるのでした。定番。

荒野で愛し合うヒースクリフとキャシー
©Wuthering Heights/嵐が丘より引用

しかしアーンショーが病気で亡くなってから「嵐が丘」の生活は一変。

どうしてあのアーンショーからこんなにダメでクズな人間が生まれたのか疑問でしかない兄のヒンドリーは、ヒースクリフを馬番としてこき使い、使用人たちはもちろん妹のキャシーにすらつらく当たり、酒におぼれ「嵐が丘」の資産を食いつぶす生活を始めます。

 

映画ではさらっと流されてしまうんですが、このヒンドリーのダメさ加減って実は信じられないくらい酷い。

ホントにクズなんですよコイツが。

良いところがひとつもない。

いいですか、ひとつもないんですよ?

そんな人間います?

「アイツ金にだらしないけど仕事めっちゃできるよな」とか、「嘘ばっかりやけど根は優しいねん」とか、誰だって何かひとつくらいは良いとこあるでしょうに。

ところがヒンドリーには良いところがひとつもない。

唯一の肉親である妹にだって愛情のかけらも沸いてこないらしい。無慈悲無感情のゴミ。

 

大体あの優しく寛大なアーンショーにちっとも似てないし、ヒンドリーこそ本当は拾われてきた子供なんじゃねーの?って疑うレベルですよ。

 

そもそもはクズのヒンドリーのせいで「嵐が丘」の悲劇は始まっていることを忘れてはなりません。

 

愛されて結婚するキャシー

ヒンドリーに隠れて荒野で愛を育み続けてきたヒースクリフとキャシーでしたが、お嬢様育ちのキャシーが馬番との恋よりも華やかな社交界に憧れるのは当然。

キャシーは隣家の裕福なリントン家の長男エドガー(デヴィッド・ニーヴン)に求婚され、これを受け入れます。

エドガーと結婚したキャシー
©Wuthering Heights/嵐が丘より引用

 

謎の転身を遂げて戻るヒースクリフ

そんなことはよくある話。

いくら幼馴染と結婚の約束してたって、大多数は別の人と結婚するじゃないですか。

ところがどっこいキャシーの結婚の話を聞いたヒースクリフは、突然雲隠れしたかと思ったら数年後に立派な紳士になって戻ってきます。

戻ってきたヒースクリフ
©Wuthering Heights/嵐が丘より引用

この過程は謎過ぎて滅法コワイ。

ヒースクリフ

実は私は貴族の生まれだったのです。海賊に誘拐されて孤児になってただけなのです。

いやいやいやいや…それ子供の頃にキャシーが言ってた空想の話じゃないの。冗談じゃなくてさ。

え?

本気?

何言ってんのもう怖い怖い。寄らんといてちょっと、一途すぎて怖いねん自分。

貴族なんやったらそのまま貴族の女性見つけて政略結婚でもして来んかいな。

なんで戻ってくるねんな。

死の間際のキャシー
©Wuthering Heights/嵐が丘より引用

こんなヒースクリフのお陰様でキャシーは体を悪くして死んでしまうんですよ?!

ヒースクリフが戻ってこなかったら、それはそれでエドガーとうまく行ってたのに…。

 

コワッ!

 

 

映画【嵐が丘(1939)】の感想一言

朱縫shuhou

究極の愛なのかも知れませんけど…。

「片方は幸せに暮らしているのにいつまでも“本当の意味で君には俺しかいない”とか言ってる元恋人」ってめちゃくちゃ怖くないですか?勘違いも甚だしい。

「魂が求めてる」とか、サブッ!

 

ほんで一緒にあの世に連れていかれるって…ホラーですよこれ。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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