1954年/アメリカ/監督:ジョージ・キューカー/出演:ジュディ・ガーランド、ジェームズ・メイソン、ジャック・カーソン、チャールズ・ビックフォード、トミー・ヌーナン
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基になったのは1932年の映画【栄光のハリウッド】。華々しいハリウッドの頂上に登りつめる者と頂上から転落する者を生々しく描いた話題作。
【栄光のハリウッド】を下敷きにした映画がこれまでに4度も製作されていることからは、「ハリウッドの光と影」に対する大衆の興味は尽きないことがうかがい知れます。
4度の映画化の中で最も有名だと思われるのが本日の映画、ジョージ・キューカー監督、ジュディ・ガーランド主演による【スタア誕生(1954)】です。
映画【スタア誕生(1954)】のあらすじザックリ
ジュディ・ガーランド主演版【スタア誕生(1954)】
先にも述べましたとおり、【栄光のハリウッド】を下敷きにした映画はこれまでに4度製作されています。
- 【スタア誕生(1937)】(監督:ウィリアム・A・ウェルマン、主演:ジャネット・ゲイナー)
- 【スタア誕生(1954)】(監督:ジョージ・キューカー、主演:ジュディ・ガーランド)
- 【スター誕生(1976)】(監督:フランク・ピアソン、主演:バーブラ・ストライサンド)
- 【アリー/スター誕生(2018)】(監督:ブラッドリー・クーパー、主演:レディー・ガガ)
しかしまあ【栄光のハリウッド】は飽くまで「下敷き」にとどまりますから、ジャネット・ゲイナー(記念すべき第1回オスカー受賞女優)主演による【スタア誕生(1937)】が同作の「オリジナル版」と呼べる代物で、ジュディ・ガーランド主演版【スタア誕生(1954)】は「初リメイク作」という位置付けになりますね。
スターを夢見てハリウッドへやってきた女の子エスター・ブロジェット(ジュディ・ガーランド)がスター俳優ノーマン・メイン(ジェームズ・メイソン)との出会いをきっかけに大女優への階段を駆け上がる一方で、自身のアルコール依存体質を克服できないまま人気にかげりが見え始めるノーマンは転落の一途をたどる。
ごく分かり易く「ハリウッドの光と影」を描いた映画です。
それにしてもノーマンの酒癖ときたら酷い。
「生々しくハリウッドの光と影を描いている」って言ったって、いくらなんでもこんな俳優実在したのかなあ?
だってこの人、酔っ払ってステージに乱入とかするんですよ?
まあまあまあまあ、百歩譲って興行の邪魔をするくらいなら許してあげるとしましょうよ。
酔っ払ったノーマンは最終的に、どこに乱入したと思います?
妻となったエスターのオスカー授賞式です。
ベロンベロンでアカデミー賞授賞式に乱入。
なんかもう最後の方おもろなってくるけどね。
「エスター」と「ノーマン」を体現したジュディ・ガーランド
ところで、映画ではスター女優の階段を駆け上がる「エスター・ブロジェット」を見事に演じたジュディ・ガーランドでしたが、実生活はどちらかといえば「ノーマン・メイン」の凋落に近い人生を送ることになります。
類まれな才能と精神的な不安定さを併せ持つジュディ・ガーランド。【スタア誕生(1954)】公開時にはすでに、酒や薬物に溺れ撮影現場への遅刻や欠勤を繰り返すことなどが原因で、MGMとの専属契約を解除されていました(1950年)。
【スタア誕生(1954)】の大ヒットでジュディ・ガーランドは完璧にカムバックしたと思われたものの、この年のアカデミー主演女優賞をかっさらったのは【喝采(1954)】のグレース・ケリーだったのです。
起死回生を賭けた【スタア誕生(1954)】でのオスカー受賞も叶わず絶望したジュディは、再び薬物に頼るようになり、1969年に47歳の若さでこの世を去ってしまいます。
ジュディひとりで「エスター」と「ノーマン」を体現してしまうだなんて、皮肉なこともあったもんです。
映画【スタア誕生(1954)】の感想一言
映画本編には直接関係ありませんけど、ジュディ・ガーランドの歌声って、歌い出すと同時に「ハッ」とさせられませんか?
私はいつも「うわっ」ってなります。
と言うのも、ジュディって、意外と声が低いんですよね。あのキューティな容姿からあんな低音が出てくると思わなくて、一瞬(良い意味で)ギョッとして、次の瞬間には彼女の歌声に引き込まれてしまいます。
もしかしたらその“意外性”も彼女の武器だったのかも知れないなあ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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