【キャバレー】ライザ・ミネリ

映画【キャバレー(1972)】あらすじと観た感想。プロレスはアリやな

1972年/アメリカ/監督:ボブ・フォッシー/出演:ライザ・ミネリ、ジョエル・グレイ、マイケル・ヨーク、ヘルムート・グリーム、マリサ・ベレンソン、フリッツ・ヴェッパー、ゲルト・ヴェスパーマン/第45回アカデミー監督・主演女優・助演男優・編集歌曲・録音・美術・撮影・編集賞受賞

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

【キャバレー】ライザ・ミネリ
©Cabaret/キャバレーより引用

父は【巴里のアメリカ人】【恋の手ほどき】を手掛けたヴィンセント・ミネリ監督。

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2人の間に産まれた超サラブレッド、ライザ・ミネリの代表作。

 

さらに言えばライザ・ミネリに匹敵する存在感を放つ、キャバレー“キット・カット・クラブ”のMCを演じたジョエル・グレイは、【ダーティ・ダンシング】ジェニファー・グレイのおとんです。

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何?歌唱力とかダンスの表現力と言うのはやっぱり遺伝すんの?いいなあサラブレッド。

本人たちはこんな風に呼ばれるの嫌なんでしょうけどね、“二世”とかね。

 

分かってるんだけどライザ・ミネリの歌声聴いてるとどうしても「遺伝子ってすげえ」って思ってしまいますよ。

遺伝子万歳、【キャバレー(1972)】です。

 

映画【キャバレー(1972)】のあらすじザックリ

1931年、ベルリン。スターに憧れるアメリカ人の娘サリー・ボウルズは、MCが取り仕切っているキャバレー“キット・カット・クラブ”で働く歌手である。ある日、イギリスから来たという学生ブライアン・ロバーツがサリーの下宿に引っ越してきて、2人は恋人関係に発展する。

ライザ・ミネリはアッコさんショートでも素敵

【キャバレー】ライザ・ミネリ
©Cabaret/キャバレーより引用

ライザ・ミネリって顔の造形に特徴ありますよね。タレ目だし目と目の間は離れ気味だし(母ジュディ・ガーランドによく似てる)、髪型はアッコさんだし、めちゃくちゃスタイルが良い訳でもない。

助手
スタイルは良いんじゃないの?

って思うでしょ?

よく見てください、お腹とか脇の下とか、結構お肉がムニってなってるんですよ。スタイルの良さ(だけ)が売りの(ガリガリの)モデルさんとは全然違います。

でもムチっとしたこの肉付きがまたたまらんのですよね。作中ライザ・ミネリ扮するダンサーのサリー・ボウルズが、自分で「私ってそそるカラダしてるでしょ?」って言ってますけど、まさしくそう。「そそるカラダ(自覚アリ)」

 

サリーはこのエロいカラダを武器にキャバレー“キット・カット・クラブ”で働く歌手兼踊り子。いつかステージで踊る自分の姿が有名演出家の目に留まり、スカウトされて女優になることを夢見ています。

 

【キャバレー】マイケル・ヨーク
©Cabaret/キャバレーより引用

サリーは、アパートの向かいの部屋を借りることになったイギリス人学生ブライアン(マイケル・ヨーク)と愛し合うようになります。

物語の主軸となるこの2人の恋愛が、滅法切ない。

昔はよく分からなかったんですけど、今思うと「子供じみた恋愛」と言ってもいいかも知れない。

【キャバレー】マイケル・ヨークとライザ・ミネリ
©Cabaret/キャバレーより引用

親から愛情を受けずに育ったサリーには、少し虚言じみた“私は幸せよアピール”をするクセがあります。

彼女は軽々しく色んな男に愛情“っぽい”肉体関係を求め、そのくせ「探してるのに本物の愛は見つからない」なんてボヤいてる。そんな探し方じゃダメだって!って言ってあげたいけど彼女には伝わらない。

【キャバレー】マイケル・ヨークとライザ・ミネリ
©Cabaret/キャバレーより引用

サリーがこんな女だから恋人のブライアンにはしっかりして欲しいところだってのに、ブライアンはブライアンで、仲良くピクニックに行っている時にサリーが話しかけても浮かない表情を見せたりする。この国の将来でも憂いてんのか何だか知らないけどさあ、もうちょっと楽しそうにしたらんかいな。

こんな態度のブライアンを見て密かに思いつめた欲しがり屋さんのサリーは、せっかく授かった子供を中絶してしまいます。父親である確率が高い・・・・・ブライアンに相談もなく。

こうなったらもう修復不可能でしょ?一度は結婚まで誓い合ったはずの2人はあっけなく別れてしまうわけですよ。

 

2人がもう少し大人だったら別れなくて済んだのに…、なんて憤りつつも、内心この「子供じみた恋愛」が懐かしすぎて羨ましく思う初老の私なんですけどね。

不気味なMCジョエル・グレイと“キット・カット・クラブ”

2人の恋の幕間に繰り広げられる“キット・カット・クラブ”のショーはどれもこれも圧巻。

ことにライザ・ミネリの“Mein Herr”はパワフルで妖艶で、誰もがスクリーン(舞台)に釘付け間違いなし。

【キャバレー】ライザ・ミネリ
©Cabaret/キャバレーより引用

これに次いで私が気に入ってるのはダンサーたちの女子プロレスごっこ。まさかの「キャバレーで肉弾戦」。アリやと思います。

 

白塗り顔に赤ルージュとピンクのチーク、MCのジョエル・グレイのキモ可愛さも大放出。まるでピエロのような、そして両性具有のようなその独特の個性は、視聴当夜には絶対夢に出てくるほどの凄まじさ。

奇妙奇天烈きみょうきてれつ極まりないライザ・ミネリとのデュエット曲“Money, Money”なんて、夢に見ようもんならうなされて飛び起きるレベルの要注意案件です。

【キャバレー】ジョエル・グレイとライザ・ミネリ
©Cabaret/キャバレーより引用

迫りくるナチスの支配

【キャバレー(1972)】の舞台は1931年のベルリン。

ナチス・ドイツがドイツを支配していたのは1933年~1945年ですから、正にドイツ国民の生活が一変してしまう一歩手前なんですね。

【キャバレー】ジョエル・グレイ
©Cabaret/キャバレーより引用

サリーの友人フリッツ(フリッツ・ヴェッパー)の恋人でユダヤ人のお嬢様ナタリア(マリサ・ベレンソン)のお屋敷の前に「ユダヤ!」と落書きされていたり、老若男女が集まるのどかな郊外のビアガーデンで軍歌的な歌の大合唱が始まったり、「少しずつ」の時代の変化が「突然」目の前で顕在化してきて、日が経つにつれてナチス・ドイツの影響が大きくなっていくことを体感せざるを得ません。

「暗雲がたちこめる」ってきっとこんな感じ。

【キャバレー】ライザ・ミネリ
©Cabaret/キャバレーより引用

冒頭では賑やかなキャバレーの映像の合間にどこかの街角でナチ突撃隊にひっそりと“粛清”される市民が映し出される程度だったのに、ラストでは“キット・カット・クラブ”のほとんどの客が鉤十字の腕章をつけたナチ党員。

「この国はこの先どうなって行くのか」を想像させる演出に、背筋がゾワリ…。

映画【キャバレー(1972)】の感想一言

朱縫shuhou

朱縫shuhou

サリー、MC、ダンサーらの「M字開脚当たり前」の過激なパフォーマンスもさることながら、「中絶」や「同性愛」や「自由恋愛」など、当時としてはショッキングなキーワードがばんばん出てくる問題作。教科書通りのミュージカル映画とは一線を画す傑作です。
「今日もどっかのおっさんとヤッってきちゃったしい~」とうそぶくサリーを見つめて固まるナタリア嬢が面白い。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

朱縫shuhou 天衣無縫に映画をつづっている人

朱縫shuhou

「天衣無縫」と「温故知新」を信条として、主に古い洋画を好む映画好き。様々な映画を観たいのにホラーだけは怖くて観られない可哀相な初老。

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