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【我が家の楽園】フランク・キャプラお得意の暖かいホームドラマ

クラシック
 20秒で読める概要とあらすじ

1938年/アメリカ/監督:フランク・キャプラ/出演:ライオネル・バリモア、ジェームズ・スチュワート、エドワード・アーノルド、ジーン・アーサー、アン・ミラー/第11回アカデミー作品・監督賞受賞

カービー社社長のアンソニー・カービーは工場建設のため住民を立ち退かせようとしているが、いくら金を積まれようとも頑として立ち退こうとしない変わった老人のせいで難航していた。父アンソニーの事業に全く興味を示さない副社長のトニーは秘書のアリスに求婚する。

※このブログはネタバレしようがしまいが気にせずただ映画について書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

ハーモニカをふくアンソニーとバンダーホフ

©You Can’t Take It With You/我が家の楽園より引用

ハーモニカ買おうと思とんですよ、ええ。

え?そうそれ、ハーモニカ

やっぱりね、人間つらいことがあってくじけそうになった時は、気分を落ち着けてハーモニカを吹くに限るんですよ。

お気に入りの椅子に腰かけて、頭を空っぽにして、大好きな愉快な曲を演奏する…すると不思議といいことが起こりますから。絶対。

 

…てまあこれ全部、

【我が家の楽園】の受け売りですけど。

 

嘘のような理想的すぎる無茶な展開やし落ちはバレバレやのになんでしょうね、この何回も観てしまう魅力は…。フランク・キャプラ監督が3度目のアカデミー監督賞を受賞したハートフル・コメディです。

 

 

守銭奴のおっさんと楽天家の爺さんの物語

【我が家の楽園】は、トニー(ジェームズ・スチュワート)とアリス(ジーン・アーサー)が主となったラブストーリーかと思いきや、この2人の親父と爺さんの友情が主体となった物語です。

無慈悲で冷酷な銀行家のアンソニー(エドワード・アーノルド)と好きでもない仕事に就いて身を粉にして人生を歩むより友人を大切にし好きなことをして生きる道を選んだバンダーホフ(ライオネル・バリモア)。

 

対照的な2人が次第に心を通わせます。

 

 

銀行家の御曹司と一介の秘書のラブロマンス

事の発端はアンソニーの息子トニーが秘書のアリスを結婚相手に選んだこと。

アリスは実はバンダーホフの孫娘で、自由に生きる祖父と家族みんなを誇りに思っています。

トニーはそんなアリスの家に初めて招待されて驚きを隠せません。

 

不思議なバンダーホフ一家

オカン(バンダーホフの娘)は劇作家でもないのに始終タイプライターを叩いています。理由は「タイプライターが間違って家に届いたから」返さんかい。

オトン(バンダーホフの娘婿)は配達に来て食事に誘われそのまま一家に居座ったおっさんと働き者のカラスと共に地下室で花火を作って遊んでる。仕事せんかい。

妹(バンダーホフの孫娘)は四六時中下手なバレエを踊りまくり、印刷が趣味のその夫は自分の家のように嫁の実家でのびのび生活。埃立つから止めんかい。

妹のバレエの先生であるロシア人は夕飯時になると「ご飯ある?」と入り浸り、このほどさらにバンダーホフは銀行でおもちゃ作りの名人のおっさんを「拾って」きて一緒に住まわせます。お前ら誰やねん。

おかしなバンダーホフ家の面々

©You Can’t Take It With You/我が家の楽園より引用

この一家の軸になっているのはバンダーホフで、人格者であるがゆえに家族は愚か近所中から高い信頼を得ています。

 

屁理屈か正論か…一家の主バンダーホフ

「ええなあこんな一家…」と思う一方、国税局の役人が所得税未納でバンダーホフ家を訪れる場面では現実とのギャップを感じました。

バンダーホフが税金を払わない理由は、「私はお金を出して服を買う。税金を払ったら国が私に何かしてくれるんか」

すげー屁理屈。

そんなん言い出したら誰も払わへんなって国は一気に破綻。取りようによってはただのとんちの利いた鬱陶しい頑固じじいです。

言い合いするカービーとバンダーホフ

©You Can’t Take It With You/我が家の楽園より引用

そもそも「好きなことだけして生きていく」ってこと自体が理想論ではありますが、「生きていくのに必要な以上に稼いでも何も残らん」っていうのは正論やと思いますね。

「子供に遺産を残したい」って人もいるでしょうけど、子供なんか正しく育てば自分でなんとかしよるでしょう。逆説的に言うと親の遺産がないと生きていけないような大人になって欲しくないしねえ?

私の親父は遺産どころか借金残して死にましたけど、髪の毛ほども恨んでないし、遺産がある人を羨ましいとも思いません。借金してまで必死に育ててくれた親父を尊敬しているし感謝してます。

しかし【我が家の楽園】において、生活する以上にまだまだ稼ごうとするアンソニーに、これまで満足にコミュニケーションを取るゆったりした時間も持ってもらえなかったトニーは、到底アンソニーを尊敬しているようには見えません。

 

バンダーホフは「働くこと」そのものを否定している訳ではありません。

「何が大切か」を問いかけているのです。

 

「よう、ダンスを教えてやろうか」

頑固じじいはさておき(弱者にとって善人であることは間違いないです)、特にストーリー上めっちゃ重要ではないけど大好きな場面がこちら。

 

トニーとアリスがデート中ベンチに腰掛け話していると、子供達がぞろぞろとやってきます。

オットコ前な少年
ダンス教えたろか?

10セントね

(ごっつ上から目線)

そう言われて子供達からダンスの手ほどきを受ける2人。大人顔負けのダンスを披露する子供達。

フランク・キャプラっぽくてすごく好きです。平和で愛しい夜に思わず微笑んでしまいます。

子供達とダンスを踊る2人

©You Can’t Take It With You/我が家の楽園より引用

 

 

完全に落ちが読めるラスト

ある日様々な悪条件が重なりバンダーホフ一家は全員逮捕されることになります。結婚の挨拶にたまたまバンダーホフ家を訪れていたカービー一家も同罪とみなされました。

有罪となり高額な罰金を請求されたバンダーホフ一家を救ったのは彼らを愛する人々。裁判を傍聴していた人々はその場で帽子に出せるだけのお金を寄付していきます。

寄付する人々

©You Can’t Take It With You/我が家の楽園より引用

…同じくフランク・キャプラ監督作品【素晴らしき哉、人生!】ともちょっと被るこの展開。

完全に読めます。

 

なぜこんなにも胸にこみ上げてくるのか

たまたまその場に居合わせただけとはいえ拘置所に入れられるという不名誉をこうむり激昂したアンソニーとバンダーホフ家は決裂、アリスは裁判後行方をくらまし、父に失望したトニーは会社を辞め家を出ていきます。

この後の展開も完全に読めます。

推理小説とかの落ちが全然読めず、いつもラストで鳩が豆鉄砲ばりにびっくりする羽目になる私でも 読めます。

 

しかし涙が出るほど感動するんです。私なんかは100%泣きます。なんでかは分かんないです。もともと感動屋さんではあるんですけど。絶対泣けてきます。

 

ラストシーンに名セリフとかないです。

ただ2人のおっさんがハーモニカ吹いてるだけ。

でも熱くこみ上げてくるこの気持ちは一体なんなんでしょう。

 

いえ、理由の泣ける理由の一つはこれ。アンソニーの心が解けた瞬間の破顔一笑のこの表情。

アンソニー・カービー破顔一笑

©You Can’t Take It With You/我が家の楽園より引用

この表情観たらそら泣けますよ。

だからね?私もハーモニカ買おうかなって。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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