2002年／アメリカ／監督：ロブ・マーシャル／出演：レネー・ゼルウィガー、リチャード・ギア、キャサリン・ゼタ＝ジョーンズ、クイーン・ラティファ、ジョン・Ｃ・ライリー／第75回アカデミー作品・助演女優・美術・衣裳デザイン・音響・編集賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます！未視聴の方はご注意ください！
なんと楽しい映画を作ってくれたんでしょうか。
上映時間も2時間足らずでちょうどいい感じ。
おしゃれで小粋でスタイリッシュ、ファッショナブルでクールな上に登場人物のキャラクターもそれぞれ興味深くて、何回でも観られる愉快な映画、【シカゴ】です！
映画【シカゴ】のあらすじザックリ
All That Jazz
ロキシー・ハート（レネー・ゼルウィガー）は、夫のある身でありながら、華やかな舞台に憧れるあまりクラブのマネージャーにコネがあるというケイスリー（ドミニク・ウェスト）と関係を持ちます。
しかし存分にロキシーの体を弄んだあと、ケイスリーは豹変。本当はコネなんてなく、ロキシーと寝ることだけが目的だったと吐き捨てられます。
逆上したロキシーは、タンスに隠していた銃を取り出し、怒りに任せてケイスリーを射殺。
ロキシーが憧れる売れっ子の踊り子ヴェルマ（キャサリン・ゼタ＝ジョーンズ）がステージで歌う“All That Jazz”に乗せて、情熱的な夜から殺人までが流れるように繰り広げられます。
ケイスリーを撃ってしまってから鏡を見て我に返り、「やってもーたー…」って表情しているロキシーがアホすぎてホントかわいい。
人ひとり殺しといて「やってもーたー」ちゃうやろ。
一方見事なダンスと歌声を披露する踊り子のヴェルマも、このステージに上がる少し前に夫と妹の浮気現場に遭遇し、その場で2人を殺していて、“All That Jazz”を歌い終わったあと警察にしょっぴかれます。
Funny Honey
ロキシーは自分にベタ惚れの夫エイモス（ジョン・Ｃ・ライリー）と口裏を合わせて、ケイスリーを押し入った強盗に仕立て正当防衛を主張。
しかし警察はすでにロキシーとケイスリーの浮気の証拠を掴んでいて、それを知らされたエイモスは手のひらを返し真実を語り、あえなくロキシーもお縄を頂戴することになりました。
When You’re Good to Mama
ヴェルマとロキシーは、メイトロン・“ママ”・モートン（クイーン・ラティファ）が牛耳る賄賂が日常的に横行する殺人棟に収監されます。
この“ママ”・モートンの迫力がすんごい。
まるで和田アキ子か森久美子。
「この人に気に入られないとこの世界では生きていけない」って点ではアッコさんに近いんかな。
まあしかし金とかコネとか持ってりゃ悪いようにはしない信頼できる人。
金とかコネとか持ってりゃね。
Cell Block Tango
ヴェルマを含む6人の殺人棟の女囚が、自身が収監された日の事を回想し歌うタンゴ。
殺人等なんで当たり前ですけど、ここにいる女性は全員「（1人以上の）殺人犯」なわけで、静かな夜の刑務所の、水滴が落ちる音や廊下に響く足音がゆっくりとリズムを刻んで、女囚たちの歌と共に次第に燃え上がり、最後には全員で地団駄を踏んで大合唱するダンスには鬼気迫るものがあります。
全員が全力で主張することはただひとつ。
「私は悪くない！」
All I Care About
嘘も方便、味方にできるものは何でも使って数々の勝訴を積み上げる敏腕弁護士ビリー・フリン（リチャード・ギア）に女性が群がる甘いダンス。
基本的にはタップダンス以外のビリーのダンスパートには、全部女性が群がってます。
ええ身分でんな。
ロキシーの死刑回避はビリーの弁護なくしてはあり得ません。
莫大な弁護料が必要なため一度は弁護を断られますが、利害が一致したため引き受けてもらえることになります。
We Both Reached for the Gun
もともとキュートな魅力を持ったロキシーは、ビリーのお膳立てで「悲劇のヒロイン」となり、一躍脚光を浴びマスコミから引っ張りだこ。
調子に乗って記者会見する様子なんて最高ですよ。
ロキシーは基本的には単細胞のおバカさんなんで、乗せればどこまでも調子付いてくれるから面白い。
Roxie
お次はそんなアホなロキシーを歌った曲です。その名も“Roxie”。
まだ塀の中にはいるものの、連日刑務所にファンからのプレゼントやファンレターが届き、ヴェルマやママ・モートンも擦り寄ってくるスターとなったロキシーは、「あたしって最高～！」とばかりにどんどん調子に乗ってくれます。
これからこのアホな女の子はどうなるんやろなあ～いや～アホやなあ～。
上がれば上がるほど落ちた時が面白いんで、「もっと上がってくれおバカさん」と期待しながら鑑賞しましょう。
I Can’t Do It Alone
かつてロキシーが客席から憧れの眼差しを送るしかなかったヴェルマも、今やロキシーの人気には敵いません。
焦ったヴェルマは一緒にデュエットで売り出そうと提案しますが、ロキシーは高飛車にこれをはねつけます。
Mister Cellophane
思いの外あっさりとロキシー時代は終焉を迎えます。
ちょっとキュートなだけの民間人のロキシーよりも話題性のある富豪令嬢キティ・バクスター（ルーシー・リュー）が、夫と浮気相手2人を殺害し逮捕されたのです。
世間の注目はあっと言う間にキティに移ったかに思われましたが、ロキシーは妊娠していると嘘をつき、またも悲劇のヒロインとしてすぐに名声を取り戻します。
…ただの世間知らずのおバカさんかと思ったら名声に対する執念だけは凄まじい…。
これにはヴェルマも稲妻に撃たれたようにショックを受けます。
それは禁じ手やろ…！
そこまでやるかコイツ…っ！！
ちなみにここで流れている曲“Mister Cellophane”は、ロキシーの夫エイモスの曲です。
アップテンポの他の曲と違って、「透明男」エイモスのダンスはかなりうら悲しい。短いけどシュールで好きです。
Razzle Dazzle ～ A Tap Dance
いよいよロキシーの裁判が始まり、敏腕弁護士ビリーの腕の見せ所。
法廷なんてさながらただのビリーの独壇場。
ビリーの弁護によってロキシーと、さらにヴェルマまでもが無罪を勝ち取ることに成功します。
参考 Razzle Dazzle＝見掛けのきらびやかさ、派手なやり方、巧妙な仕掛け、ばか騒ぎ、乱痴気騒ぎ
ロキシーの無罪判決が号外になり、これから「大スター・ロキシー」が世間を騒がせるかと思った矢先。
裁判所の目の前である女性が男性を射殺。
ロキシーの無罪を報じた号外は無惨にも踏みつけにされ、世間の注目はまたも1発の銃弾によってロキシーのもとから去っていってしまったのでした。
Nowadays
次から次へと人々の興味が移るシカゴで、釈放後すっかり世間に忘れ去られてしまったロキシーは、パッとしない舞台女優の道を歩んでいました。
そんなロキシーを訪ねてきたヴェルマは、負けを認めますとばかりに自分も同じような境遇にあることを正直に話し、再び2人で一緒に舞台に立とうと誘います。
Nowadays / Hot Honey Rag
しぶしぶ…というかそれしか道はないので仕方なく、ロキシーはヴェルマとデュエットで売り出すことに承諾。
ステージで殺人をネタにしたダンスを披露し、それが大当たりして再び喝采を浴びることができます。
ようやく夢が叶い名実ともに華やかな世界で生きられるようになったおバカさんロキシーと高飛車ヴェルマ。
たった一発の銃弾で何もかもが変わってしまう街シカゴで、それを逆手に取って食らいついた2人の勝利の物語。
…いつまでもつか分かりませんけど。
映画【シカゴ】の感想とまとめ
レネー・ゼルウィガーとキャサリン・ゼタ＝ジョーンズの歌とダンスには圧巻。まるで生粋の舞台女優のよう。
ハリウッドの女優ってみんなあんなに踊れんの？
【シカゴ】のために猛練習は積んだのでしょうが、それでも数ヶ月であんなに踊れるようになんの？吹き替えなの？
しかもレネー・ゼルウィガーは【シカゴ】公開前年の2001年には、【ブリジット・ジョーンズの日記】の役作りのために相当太ったりしていたはず…。
ちゃんと体型も元に戻し演技にも妥協しないなんて、さすが女優ですよね。
リチャード・ギアはタップダンスがキレッキレ！
存在感たっぷりの“ママ”・モートン役のクイーン・ラティファの本業は歌手ですから当然、歌唱力が圧倒的！
雑なルーシー・リューの使い方もいい。
未視聴の方はぜひご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。
