1965年/アメリカ/監督:エリオット・シルヴァースタイン/出演:ジェーン・フォンダ、リー・マーヴィン、マイケル・カラン、ドウェイン・ヒックマン、レジナルド・デニー、ナット・キング・コール、スタッビー・ケイ/第38回アカデミー主演男優賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

コメディアンのスタッビー・ケイ(向かって左)とジャズシンガーのナット・キング・コールのコンビが歌いながら狂言回しの役割を担っている珍しいタイプのコメディ西部劇。
覚えやすいメロディと心地よくハモる歌声からなる「キャット・バル~♪」は、鑑賞後もしばらく頭に残ります。特に好きなのはナット・キング・コールの「ル~♪」の時のアヒルみたいにとんがった口先。
見どころはヘンリー・フォンダの娘ジェーン・フォンダの美しいルックスと抜群のプロポーション、そして2役を演じたリー・マーヴィンの放送事故レベルの酔いどれ度。
お嬢さん育ちのお転婆娘が無法者どもに混じって仇敵を討つ爽快な映画、【キャット・バルー】です。
映画【キャット・バルー】のあらすじザックリ
立ち退きを迫られる牧場主の娘キャット・バルー
狂言回しのスタッビー・ケイとナット・キング・コールによれば、もうすぐ美しい娘キャサリン・“キャット”・バルー(ジェーン・フォンダ)の絞首刑が執行されるそうです。
罪状は町の権力者パーシヴァル(レジナルド・デニー)の殺害。
いきなりネタバレしますけど、【キャット・バルー】の最終目的はキャサリンの父親を殺したパーシヴァルと殺し屋ストローン(リー・マーヴィン)への復讐です。

教員免許を取ったばかりの非力なお嬢様であるキャサリンは、腐れ縁のお尋ね者に頼んだり金で伝説のガンマンを雇ったりして父親の仇を討とうとしますが、どいつもこいつも今一歩当てにならない。
そして最終的にキャサリンが絞首刑に処されようとしているということは…。
そうです、結局 キャサリンが殺ったんです。
なんか他の奴全員いらんかったんちゃうんかいってこの結末、これ結構笑えます。
しかも冒頭でコロンビア映画の女神が女ガンマンに変身するイカしたアニメがあるので、キャサリンはカウボーイハットにウエスタンシャツで暴れまわるのかと思いきや、復讐を果たす時の服装はなんとプレイメイトさながらの真っ赤なセクシードレス。


あれ?そうなん?コロンビアの女神は何やったん?
すごいなもう。
楽しんで作ってるな絶対。
酔うにもほどがある!伝説のガンマン、キッド・シェリーン
牧場の立ち退きに応じないキャサリンの父親を殺す命令を下した黒幕パーシヴァルを倒したのはキャサリン自身ですが、もう一人の仇敵、実行犯である殺し屋ストローンを倒したのはキャサリンが50ドルで雇った伝説のガンマン、キッド・シェリーン(リー・マーヴィン)。
しかし実際のシェリーンは、自伝に描かれている姿とは大きく変わってしまっていました。

今の彼はただの重度アル中患者。
キャサリンから手紙とともに送られてきた50ドルは酒に消え、酒が切れると手が震えて銃の狙いも定まりません。
少し酒を飲めば再び昔の早撃ちの腕を取り戻せるものの、結局一時のドーピングみたいなもんで、しばらく経ったらまたふらっふらのアル中患者に逆戻り。
これには雇ったキャサリン本人も言葉を失う。

ダメです私は。
もうシェリーンが面白すぎてダメです。
真珠色の柄の二丁拳銃差して復讐へ
いよいよキャサリンのためにひと肌脱ぐことにしたシェリーンは、牧童のジャクソン(トム・ナルディーニ)の力も借りて酒を抜きにかかります。
風呂も入ってひげも剃って服も着替えて、いざストローンに戦いを挑みに行くシェリーン。

この場面に笑いは一切ないはずなんですけど、ここまできたらシェリーンが真面目に何かやらかせばやらかすほど笑えてしまう。
ストローンとの対決に勝利したシェリーンは、キャサリン達が待つ“壁の穴”の根城に戻り、ストローンが実は自分の兄であることを告白。

いやあ~勝てて良かった~。
アイツ昔から気に入らんかったんや~。
大丈夫か?まだ酔ってんのちゃうんか?
映画【キャット・バルー】の感想一言
最後のシェリーンなんてもう、馬上で寝てますからね。
一見すると壮絶な撃ち合いの末に死んでるかのようなこのシーンが、メディアパッケージになってることにセンスを感じます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。