【汚れた顔の天使】ジェームズ・キャグニー

映画【汚れた顔の天使】「ホーム・アローン」の劇中映画の元ネタのあらすじと感想

1938年/アメリカ/監督:マイケル・カーティス/出演:ジェームズ・キャグニー、パット・オブライエン、ハンフリー・ボガート、アン・シェリダン、ジョージ・バンクロフト

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

ジェームズ・キャグニーとパット・オブライエン
©Angels with Dirty Faces/汚れた顔の天使より引用

数あるジェームズ・キャグニー主演映画の中で一番好きです。

主人公の少年が悪党に成長するという内容もその悪党が死んでしまうという衝撃のラストも、同じジェームズ・キャグニー主演の映画【民衆の敵】に少し似てるけど、子供たちの未来や道徳を絡めてある分この映画の方が重みが増してる。

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ジェームズ・キャグニー

ラスト泣けます。

 

大ブレイク前のハンフリー・ボガートも観られる映画、【汚れた顔の天使】です。

 

 

 

映画【汚れた顔の天使】のあらすじザックリ

幼い頃からの親友である少年ロッキー・サリバンとジェリー・コノリーは貨車強盗を企てようとするが、未遂のまま追跡に遭う。逃走も虚しくロッキーは警察に捕まり、ジェリーだけがその場から逃げ仰せた。少年鑑別院送りとなったロッキーは悪名高いギャングへと成長し、一方でジェリーは聖職者の道を歩んでいく。

 

 

【ホーム・アローン】の劇中映画「Angels with Filthy Souls(汚れた心の天使)」の元ネタ

先に言っておきますと、【汚れた顔の天使】はマコーレー・カルキン主演でシリーズ4作目まで製作された大ヒット映画【ホーム・アローン】に出てくる架空の映画「Angels with Filthy Souls(汚れた心の天使)」の元ネタです。

【汚れた顔の天使】のパロディ
©Home Alone/ホーム・アローンより引用

タイトルをパロってるだけで、ストーリーやセリフや登場人物に共通点はありません。

【汚れた顔の天使】のパロディ
©Home Alone/ホーム・アローンより引用

主人公らしきおっさんからしてジェームズ・キャグニーに似ても似つかない。

そして【汚れた顔の天使】でのジェームズ・キャグニーはデスクワークなんてしないし倒れてる人間をマシンガンで撃ちまくって「釣りはいらねえ、豚野郎」なんて汚い言葉は吐かない。

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【ホーム・アローン】マコーレー・カルキン

 

 

ただ「速く走れなかっただけ」の少年ロッキー・サリバン

下町で暮らすロッキー・サリバン(ジェームズ・キャグニー)とジェリー・コノリー(パット・オブライエン)の悪ガキ二人組。

本日のエモノは列車の貨物。

輸送中の万年筆をいくつかちょうだいしようとしていると、うっかり警備員に見付かってしまいます。警備員の呼び笛で集まった警官たちに追い詰められ、ロッキーは少年院送りに…。

お縄をちょうだいするロッキー
©Angels with Dirty Faces/汚れた顔の天使より引用

辛くも逃げおおせたジェリーは面会にやってきてこう言います。

ジェリー
(ロッキー、俺も自首しようと思うねん)
(共犯者がおった方が罪が軽くなるやろ)
ロッキー
(アホかお前は!せっかく逃げられたのに!)
(俺は大丈夫や。気にすんな。お前ほど速く走られへんかっただけのこっちゃ
(俺がお前でも俺は自首なんかせえへんぞ)

二人の人生を大きく分けたこの事件は、ごくあっさりと流されます。

でもほんの少し「速く走られなかった」ために少年院送りになったロッキーはそこから悪名高いギャングへと成り上がり、親友を少年院送りにしてついに共犯を名乗り出ることのなかったジェリーは聖職者の道を歩むのです。

 

子供に必要なものは説教でもバスケでも金でもない

15年後、古巣に戻ったロッキーは教会の“ジェリー神父”を訪ねます。

ジェリー神父を訪ねるロッキー
©Angels with Dirty Faces/汚れた顔の天使より引用

ジェリーは刑期を終えて出てきたロッキーが真人間に更生しているものだと信じていますが、ロッキーはまだまだ悪徳弁護士フレイザー(ハンフリー・ボガート)らと繋がって金儲けを企んでいます。

朱縫shuhou
ロッキーに拉致られた挙句みっともない最期を遂げるボギー(※ハンフリー・ボガートの愛称)も結構面白いよ。

ご存知の通りこの辺りから主演が多くなっちゃうから脇役・敵役・雑魚のボギー必見。

悪徳弁護士フレイザー(演:ハンフリー・ボガート)
©Angels with Dirty Faces/汚れた顔の天使より引用

一方でジェリーは地元の不良少年達の更生に尽力していて、縁あってロッキーもその活動に手を貸してあげることになります。

しかしジェリーが不良少年達にキリストの教えを説いてバスケを教えるのに対し、ロッキーはお小遣いをばらまいたりする。

どちらも少年達のために良かれと思ってやっていることなんですけど、やっぱり子供って大金を手にすると使い方を誤ってしまいますよね。ビール片手にビリヤード場に入り浸り、バスケの試合もすっぽかすようになってしまう訳ですよ。

そしてそんなところに入り浸っていると、少年達を利用しようとする悪い大人に目を付けられる。

もう転落人生詰んでますよ。

ロッキーに憧れる不良少年達
©Angels with Dirty Faces/汚れた顔の天使より引用

でも彼らには自分達の末路なんて分かろうはずもない。

 

大体にして彼らは世間を騒がせる大悪党のロッキーに憧れてしまっているんです。

そりゃだって、基本的にはロッキーってどっからどう見ても良い奴なんだもん。

頭も良いし、思いやりもある。

 

そんなロッキーに憧れる少年達は、やっぱりロッキーのように拳銃ひとつでのし上がり悪名を馳せ、弱者を脅して楽して金持ちになりたいって思っちゃうじゃないの。

「悪のヒーロー」がどんどんどんどん出来あがってしまうじゃないの。

 

その負のスパイラルを抜け出すためにジェリーがロッキーに告げた「最後のお願い」がすごい。

 

でも少年達のためにはもうこれしかない。

 

これしかないんですよ。

少年達の前に現れるジェリー神父
©Angels with Dirty Faces/汚れた顔の天使より引用

 

 

映画【汚れた顔の天使】の感想一言

朱縫shuhou

悪いことする奴って「性根から腐ってる奴」と「魔が差した奴」の二種類に分かれますよね。

「性根から腐ってる奴」はどっしょーもないから地獄に落ちてくれていいけど、「魔が差した奴」はせめて残りの人生をどう生きるか考えて欲しいものです。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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