ジェームズ・キャグニー

映画【民衆の敵(1931)】あらすじと観た感想。キャグニーの結末はホラー

ジェームズ・キャグニー

1931年/アメリカ/監督:ウィリアム・A・ウェルマン/出演:ジェームズ・キャグニー、ジーン・ハーロウ、エドワード・ウッズ、ジョーン・ブロンデル、ベリル・マーサー、ドナルド・クック

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

 

民衆の敵タイトル
©The Public Enemy/民衆の敵より引用

「民衆の敵」とは特定の人物の事ではない

それは社会全体で解決すべき問題である

出典:【民衆の敵】字幕

真面目で善良な人々にとって迷惑極まりない連中を告発するかのような内容の映画です。

 

幼い頃から悪ガキだった主人公の2人を更生させることなく立派な悪党に育て上げてしまったのは紛れもなく周囲の悪意ある大人たち。

社会全体で育てよう、うちの子よその子みんなの子。

 

ギャング映画で名を馳せたジェームズ・キャグニーの初期の作品、【民衆の敵(1931)】です。

 

 

 

映画【民衆の敵(1931)】のあらすじザックリ

シカゴの町に育った不良少年トムとマットは、幼い頃から万引きなどを働いていた。成長した2人は運輸会社のトラック運転手の傍ら大親分パディの元で貨物抜き取りや政府の酒を盗み出す犯罪に手を染め始める。一方トムの兄のマイクは出征し立派な戦功を立てて戻ってくる。

 

 

実は母親想いの好青年か?トム・パワーズ

この映画を観てると「根っからの悪ガキって何やろう」って思います。

主人公のトム・パワーズ(ジェームズ・キャグニー)は、幼い頃から親友のマット(エドワード・ウッズ)とつるんでいたずらしては逃げ回ってる。父親や警官にお灸を据えられることも多々あるけど変に度胸があるもんだから特に意に介さない様子。

悪ガキトムとマット
©The Public Enemy/民衆の敵より引用

そんな彼らに目をつけたのが地元の悪党プティ(マレイ・キンネル)一味。

プティ一味は若くてフットワークが軽く分け前が少なくて済むトム達をそそのかし、毛皮泥棒をするように仕向けます。初めての大仕事に躊躇する2人でしたが、銃を与えられたことで自信が沸いてきて作戦を決行。

結局毛皮泥棒は失敗したものの、そこから2人はズルズルと本格的な悪の道に足を踏み入れて行くのでした。

悪の道に足を踏み入れるトムとマット
©The Public Enemy/民衆の敵より引用

トムは年老いた母親を想いやる一面も見せるし、トムとマットは見事なまでに信頼関係が結べているし、2人とも性根は悪い人間ではないと思うんですけどね。

どの時点でどうしたら彼らのような少年を更生させることができていたんでしょうか。

 

あーあかんなもう。

ホンマに子供できてからニュース見ても本読んでも映画観ても、完全に親目線やわ。

当たり前か。

 

トムとマイクの関係性

トムは母親と兄と妹の4人家族です。オトンは死んだみたい。

大手映画サイトなどで兄のマイク(ドナルド・クック)を、なぜか「弟」と記載しているものがありますがデタラメです。

トムがマイクに向かって「兄貴は幸せや」と口にする場面がバッチリございます。

トムとマイク
©The Public Enemy/民衆の敵より引用

ストーリーの前後関係からしても明らかに兄なのに、どうして弟になってるんでしょうね?

 

「人間には「良い」と「悪い」の二種類しかない

プティと手を切ったあと、トムとマットはパディ大親分(ロバート・エメット・オコナー)の元で政府に保管された酒を盗み出す仕事に取り掛かります。

この窃盗から酒をさばくまでの手段がまあ~アナログかつ超大胆

 

①白昼堂々政府の酒蔵の前にガソリンのタンクローリーを横付けしてポンプで酒を吸い上げる!

がロリンタンクローリーで酒盗む
©The Public Enemy/民衆の敵より引用

②そうして手に入れた酒を酒屋の店主を脅して売りさばく!

酒場の店主を脅すトム
©The Public Enemy/民衆の敵より引用

もちろん受注も無茶苦茶です。

店主
じゃあ2樽注文するよ…。
トム

聞いたか?5樽や!5樽ご注も~ん!

バシバシ殴って脅した挙句、注文したらしたでこの仕打ち。

こんな時代に生まれなくてよかった。

 

こんなアコギな商売で敵対するバーンズ一家のシマまで荒らし始めたため、パディ一家はすっかり目を付けられてしまいます。

ギャングの抗争は激化の一途をたどり、パディと協力関係にあった実力者ネイルズ・ネイサン(レスリー・フェントン)の不慮の事故死によって双方の均衡は崩れ、一気に形勢が傾くことになるのです。

 

ところでトムのボス、パディは悪党でありながら自分なりの哲学を持ってる人で、出会ってすぐにトムとマットにこんなことを言っています。

パディ
ええか~トム~。人間には「良い」と「悪い」の二種類しかないんやぞ~。

すごいんですよこのセリフ。

何しろこれと同じことを、【オリエント急行殺人事件(2017)】の中でかの有名な世界一の探偵エルキュール・ポアロ氏ケネス・ブラナーが口にしているんですから!

パディIQ高!

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ケネス・ブラナー

そんなパディもトムの事を「良い」方の人間だって断言してるんですけどね…。

悪事に手を染めたらあきまへん。

 

 

映画【民衆の敵(1931)】の感想一言

朱縫shuhou

バーンズ一味の報復により無惨な死体となって自宅に届けられるトムの末路が怖すぎ…。

病院から拉致られたトムは体中包帯だらけのままなんで、ラストだけエジプトのファラオの呪いを扱ったホラー映画みたいなんですよね。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

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