1990年/アメリカ/監督:マーティン・スコセッシ/出演:レイ・リオッタ、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシ、ロレイン・ブラッコ、ポール・ソルヴィノ、フランク・シベロ、マイク・スター、サミュエル・L・ジャクソン/第63回アカデミー助演男優賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
誰もが俺達を特別扱いする。何でも思い通りだ。
…カッコいい~……!
はっ!
いかんいかん!
あきませんよこんな人達に憧れては!
立派な「反社会勢力」の人達です!誰かに迷惑かけて手に入れた金で豪遊し、仲間だろうと邪魔になれば容赦なく裏切ったり殺したりするような人たちです!
今日は前途ある若者が間違ってもこのような悪党を「カッコいい」と勘違いしてしまうことのないように、徹底的にバカにして書いてやろうと思います。
1950年代から80年代のニューヨークに実在したヘンリー・ヒルを主人公に、彼を取り巻くマフィアの仲間達とその犯罪の数々を描いた映画、【グッドフェローズ】です。
映画【グッドフェローズ】のあらすじザックリ
マフィアに憧れてるバカ、ヘンリー・ヒル
【グッドフェローズ】は幼い頃からマフィアに憧れていた少年ヘンリー・ヒル(レイ・リオッタ)が、11歳で念願の使いっ走りとしてマフィアの一員となり、嬉々として犯罪に手を染めて救いようのない悪党に成長してく実話を基にした物語です。
ヘンリーのボス、ポーリー(ポール・ソルヴィノ)も、同僚のジミー(ロバート・デ・ニーロ)もトミー(ジョー・ペシ)も、名前を変えてあったりするけど実在の人物。
ヘンリーはジミーとトミーと一緒に組むことが多く、とりわけトミーとはお互いほんの子供の使いっ走りの頃から一緒に仕事をしてきた幼馴染のような存在。
仲間にも見境なく喧嘩売ってくるイカれたトミーも、ヘンリーとは(まだ)穏やかに接してます。
関係ないけどこの子役の2人、レイ・リオッタとジョー・ペシに似すぎ。見事なまでの違和感の無さ。
どっから探してきたんやこんなに似た子役。
タイトル【グッドフェローズ】の意味
物語の前半はタイトル【グッドフェローズ】が意味する「気の置けない仲間達」そのままに、マフィアと言っても仲間達の結束がいかに固く、組織の生活がどれだけ居心地のいいものであったかが描かれます。
強奪を得意とするジミーは事あるごとに札束をばらまいてくれるし。
組織の人間ってだけでレストランで食事をするにも特等席だし。
町のどこに車を停めようとも誰も取り締まったりせず、警察官だって権力者だってみんながひと目置いていてる。
時にパクられることがあってもすぐに保釈。
なんやったらパクられたことで仲間達からは「やっと一人前になったなあ~」なんて褒められもする。
そりゃ夢心地よ。
みんなで仲良く冗談言いながらカードに興じたりする姿はコイツらが悪党だってことも忘れるくらい楽しそう。
…カッコいい~……!
いやだからあかんあかん!!
ルフトハンザ航空現金強奪事件
1978年12月、ジミー達はルフトハンザ航空の貨物庫から約600万ドルの現金や宝石を強奪する大仕事を成功させます。ちなみにこれ、現在の貨幣価値に換算すると被害総額は2000万ドル(約24億5000万円)にも上るんですって。
しかしこればっかりは「カッコいい」とか言ってる場合じゃないですよ。
この後「マフィアなんかに憧れたらあかん」と胸を張って言える説得力のある事件が次々起こります。
①あかんて言うてるのにすぐ豪遊
まずこのアホどもは、TVで連日ルフトハンザ航空現金強奪事件が報道されてめぼしい組織がマークされている中、速攻で豪遊を始めます。
「いやあ~、キャデラックはええでえ~」
「ミンクのコートぬっくいわあ~」
用心深いジミーは(決して賢いわけではなく、要するにジミーって意外とチキン。急に羽振りが良くなってアシがつくことにビビってる)これに激怒。
アホどもに目立つ行動を控えて買ったものを全部店に返してこいと正論を述べたあと、直接作戦には参加しなかったヘンリーにもお小遣いをくれます。
…でもええか、
絶対デカい買い物なんかして目立つなよ!
心得た顔して自宅に帰ったヘンリーでしたが舌の根も乾かぬうちに…
ただいまあ~!
おおーい!
一番デカいツリー買ってきたぞー!
お前にもはいこれ、
プレゼントっ!
(嫁はんには高そうな貴金属)
散財するんか~い!
もーアホばっかりなんですよホントに。
②証拠品の遺棄を忘れて爆睡
現金強奪に使ったトラックを処分する手筈だったスタックス(サミュエル・L・ジャクソン)は酔っぱらってお家のベッドで爆睡。もちろんトラックはほったらかし。
放置されてたトラックが押収されスタックスの指紋が検出されちゃったので、口封じのためにトミーに殺されます。
仕事できないスタックスもスタックスですけど、それでも普通のサラリーマンだったら仕事でチョンボしたって殺されることはありませんよね。
要するに殺す方も指導者としての力量の足りないアホなんで、対処の仕方が分かんないから手っ取り早く殺しちゃうんですよ、たぶん。知らんけど。
③分け前が惜しくなって皆殺し
極めつけにアホなのは、分け前が惜しくなったプラス、トラックが見つかり周囲が騒々しくなってビビったジミーが最終的に、作戦に加わった仲間達を次から次へと皆殺しにしていったこと。
もう無茶苦茶ですやん。
普通に会社員やってたら、いくらパワハラ上司でも消されたりはしませんやん。
例え借金でクビが回らなくなっても、半殺しにされてゴミ清掃車に放り込まれたりしませんやん(金額によるか?)。
こんな恐ろしい世界に憧れるのは止めて、真面目にコツコツ働いて小銭を稼ぎましょう。
④自分の保身のために仲間を売り飛ばす
もしかしたらある意味人を殺すことよりも人間としてクズな行為であるかも知れないのがこれ。
自分も殺されるかも知れないと思ったヘンリーは、自分と家族の命を守るため証人保護プログラムの保護下に入り、世話になったポーリーやジミーの犯罪に関する証言をします。
お陰様でポールもジミーの塀の中。
ポールなんかそのまま獄中で亡くなってますしね。
これは酷い。
ね?
だからほら、「気の良い仲間達」なんて言っても、この人達はあっけなく裏切りよるんですよ。
絶対にこんな世界及びこんな人達に憧れてはいけません!
参考 証人保護プログラム=アメリカ合衆国の法廷またはアメリカ合衆国議会における証言者を、暗殺などの報復措置(いわゆる「お礼参り」)から身体を保護するための制度
不要だったと思うカレンのモノローグ
145分と少し長めの映画な上に、前半は結構ダラダラしてて余り面白くないです。
中でもヘンリーの妻カレン(ロレイン・ブラッコ)との出会いから結婚までの描写はもっと省略して問題ないように思います。
ヘンリーのモノローグで進行する物語に突然カレンのモノローグがぶっこまれてくるのも意味不明で、ここだけすごく気持ち悪いんですよね~。
エンディング曲はシド・ヴィシャス「マイ・ウェイ」…オリジナル曲を歌うのはフランク・シナトラ
証人保護プログラムによって命の保障はされてるものの、以前とはまったく違った堅気の生活を余儀なくされたヘンリー。
気の休まる暇もなく拳銃を握ったまま眠らなければならないような状況から解放されたというのに、彼はまだ「クソ面白くない」と言う。
カメラに向かって微笑むヘンリーのバックに流れる曲は、破滅的な人生を歩んだセックス・ピストルズのベーシスト、シド・ヴィシャスが歌う「マイ・ウェイ」。
その壮絶な人生においてシド・ヴィシャスとヘンリー・ヒルに共通点があるからかなあ~…なんて思ってましたけど、もしかしたらオリジナルの「マイ・ウェイ」を有名にした歌手のフランク・シナトラ(マフィアと交流があったとの「噂」が絶えなかった)とマフィア繋がりってことでこの曲が採用されてるんですかね?
映画【グッドフェローズ】の感想一言
…しかしホンマに、
カッコええなあ~……!
ダメだこりゃ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。