1951年/アメリカ・イギリス/監督:ジョン・ヒューストン/出演:ハンフリー・ボガート、キャサリン・ヘプバーン、ロバート・モーレイ、ピーター・ブル、セオドア・ビケル、ウォルター・ゴテル/第24回アカデミー主演男優賞受賞
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面白いですよ~【アフリカの女王】。
いろんな意味で。
監督はジョン・ヒューストン、主演はハンフリー・ボガートとキャサリン・ヘプバーン。
ハンフリー・ボガートは、この映画でようやくオスカーの栄冠を手にするんですけど、どうして彼が生涯で唯一アカデミー主演男優賞を獲得したのが【カサブランカ】のリックや【マルタの鷹】のスペードじゃなくて【アフリカの女王】のチャーリーやねんって疑問は常につきまといますよね。
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1941年/アメリカ/監督:ジョン・ヒューストン/出演:ハンフリー・ボガート、メアリー・アスター、グラディス・ジョージ、ピーター・ローレ、バートン・マクレーン注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書[…]
だって【アフリカの女王】でのハンフリー・ボガートはこれまでのハードボイルドな紳士とはかけ離れたただのきったないおっさんだからさあ。
まあこれまでと違ったキャラクターを華麗に演じたことが評価されたんでしょうけども。
映画【アフリカの女王】のあらすじザックリ
アフリカの奥地で布教活動中、第一次世界大戦勃発!
文明開化の音もしていないアフリカの奥地。
イギリス人女性ローズ(キャサリン・ヘプバーン)は、この地で宣教師の兄とともに布教活動をしていました。
文明社会との接点といえば時折郵便を届けにやってくる小型貨物船“アフリカの女王号”の船長チャーリー(ハンフリー・ボガート)のみ。
ローズたちはある日、いつものように手紙を届けにやってきたチャーリーから第一次世界大戦が始まったことを聞かされます。
そしてその直後、突然村にやってきたドイツ兵によって村人たちは連れ去られ、村は焼き払われてしまいます。
こんなアフリカの奥地にあってまるまると肥えていた兄は、この時のショックが原因であっけなく死亡(結構メンタル強そうなのに)。
誰もいないドイツ領のアフリカの村にひとり取り残されたローズは、兄妹を気にかけて戻ってきてくれたチャーリーの船に乗り込むのでした。
小型貨物船“アフリカの女王号”でドイツ軍に立ち向かうバカップル
“アフリカの女王号”に乗って村を脱出したと言っても問題は何一つ解決していません。
ドイツ領のど真ん中に放り出された今や“敵国の人間”となってしまった2人は、行くも地獄戻るも地獄の究極の選択を迫られます。
チャーリーは冗談混じりに「戦争が終わるまでこのまま“アフリカの女王号”に乗って隠れているしかない」なんて言ってる。
だって前に進んでも誰も超えたことのない急流が待っているし、途中にはドイツ軍?(よく分からん)の砦の真ん前を通過しなければならないし、運よく下流にたどり着けたとしてもドイツ軍の巡視船?潜水艦?(よく分からん)ルイザ号が目を光らせているし、とにかくにっちもさっちも行かない状況なんですよ。
ところがお嬢様育ちのオールド・ミスであるローズは、突如としてたぎり始めた野生の血の指し示すままに、手先の器用なチャーリーにお手製爆弾を作ってもらい、自分たちが乗っている“アフリカの女王号”自体を動力とする簡易魚雷でルイザ号を爆破しようと言い出します。
“大自然”と“ドイツ軍”を相手に、たった2人の民間人が奮闘する冒険譚であるわけなんですけど、【アフリカの女王】の面白さはそんなベタな部分にとどまりません。
「ロージー」「あなた」ちょっと待てどないしたんや
自分たちの置かれた状況と「川」を知り尽くしたチャーリー。
急流もドイツ軍も強行突破しようなどと無謀なことばかり言い出すローズ。
“アフリカの女王号”に乗り込んだ当初、2人は衝突ばかりしていました。
しかし力を合わせて急流と敵国の砦を超えた時、喜びの余り思わずキスしてしまうんですよね。
こっからですよ本気でおもろいの。
ロクに恋愛経験もなかった人間が一旦恋に目覚めるとここまでイカれてしまうものなのか。
これまでチャーリーのことを「オールナットさん」と他人行儀に呼んでいたローズは、突然彼を
ねえ、オールナットさ…
あな…あなた!
と呼び、同じく浮かれポンチのチャーリーは
と答える。
挙句の果てには魚雷作戦が失敗してルイザ号に捕まり、あわや処刑されようかという局面で、
なんて寝言を言い出す始末。
すがすがしいほどのバカップルを描いた名画なんですね。
映画【アフリカの女王】の感想一言
【アフリカの女王】の見どころの一つである急流を下る場面のクロマキー合成(緑のスクリーンで人物を撮影して背景を合成する技術)は、現代となってはかなり雑に見えてしまうので期待せず、付き合いたての中学生のような中年同士の恋愛模様に大いに魅了されましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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