1941年/アメリカ/監督:ジョン・ヒューストン/出演:ハンフリー・ボガート、メアリー・アスター、グラディス・ジョージ、ピーター・ローレ、バートン・マクレーン
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

「ハードボイルド」って意味知ってます?
定義がすんごい曖昧な上に一般的に周知されてる印象とは違って直訳は「固ゆで玉子」なんて可愛いイメージなんでよく分かんないですよね。
“ハードボイルド”は元来は文芸用語で、第一次大戦後に起こった写実的な(乾いた、非情な)文体を指し、ヘミングウェイなど“ロスト・ジェネレーション”の作家の特性であった。
⸻中略⸻
40年代になって(小説家のレイモンド・)チャンドラーらは脚本家としてハリウッドに招かれ、同時に彼らの小説が続々と映画化されると、<ハードボイルド映画/hardboiled-detective film>は探偵映画のサブジャンルとして認められた。ハードボイルド映画は、犯罪の謎解きより捜査の過程や探偵のタフで非情な行動の描写を重視するのが特徴。
出典:現代映画用語辞典
【マルタの鷹】はハードボイルド文学の代表作として有名な映画です。必見。
映画【マルタの鷹】のあらすじザックリ
宝石をちりばめた黄金の鷹の置物“マルタの鷹”
本作の主人公は私立探偵のサム・スペード(ハンフリー・ボガート)。さっそくスペードが営むスペード=アーチャー探偵事務所にお客様が。
サーズビーという変な男と駆け落ちした妹との和解の協力を依頼しにやってきたのは、秘書エフィ(リー・パトリック)が「すごい美人よ」とスペードに耳打ちするほどの美人設定の女性(メアリー・アスター)。
実際は美人「設定」なだけであんまり綺麗じゃない(おい)。

サーズビーとの話し合いの場に立ち会うことになったスペードの相棒マイルズ(ジェローム・コーワン)は、その晩何者かに殺され、続いてサーズビーの死体も発見されます。
美人設定の彼女が事務所に訪れた時に使った名前は偽名。本当の名前はブリジッド・オショーネシー。オショーネシー。
実はブリジッドは泥棒一味の一員で、「妹」の存在は嘘、サーズビーは仲間。びっくりするくらいの価値があるらしい“マルタの鷹”と呼ばれる置物を手に入れてしまい、その取り分を巡って内輪で揉めてます。
要するに映画【マルタの鷹】は、一味の仲間割れに巻き込まれて泡食った探偵のお話です。
「ファットマン」なのか「ガットマン」なのか
一味のスポンサーは「ファットマン」と呼ばれる巨漢。
字幕で普通に「デブ」って呼ばれてて吹き出しましたが、本当の名前はガットマン(シドニー・グリーンストリート)と言うんだそうです。

え?
ガットマンがファットマン(=太った男)?
何ソレ、ひっかけてんの?
「どれほどの価値があるのか誰にも分からない」ってつまり…
ブリジットや一味の一人カイロ(ピーター・ローレ)はただの窃盗の実行犯であるだけで、“マルタの鷹”の本来の価値を分かっているのはどうやらガットマンだけのようです。
ガットマンはスペードに言います。

スペインへの貢物として贈られた宝石をちりばめた黄金の鷹の置物や。
実際どれほどの価値があるのかは誰にも分からへん。

・
・
・
・
…てちょっと待って?
「誰にも価値が分らへん」ってそれ…。
≒「価値ない」ってことちゃうのん?

あかん。
庶民過ぎて骨董品とか芸術品の価値の算出方法が理解でけへん。
「固ゆで玉子」はスベリ知らず
泣いてすがられようが愛の告白をされようが、相棒のマイルズを殺したブリジットを容赦なく警察に引き渡すラストはこれぞハードボイルドって感じでシビれます。

そして偽造の鉛製“マルタの鷹”について、刑事に「重っ!これ何?!」と聞かれたスペードはドヤ顔でこう一言。


真顔でです。
刑事に「は?」って言われてるのに真顔。
もっぺん言わそうとしてんのか?もう言わへんわ。
いやスベってない。
全然スベってないよスペードは。
映画【マルタの鷹】の感想一言
カイロがスペードの掌底一発で気絶したり、ガットマンの用心棒がスペードにあっさり銃を抜き取られたり、敵が雑魚ばっかりでちょっと笑える。
スペードと対等に渡り合ってるのは超有能秘書のエフィくらいかも(ホントに有能)。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。














