1944年/アメリカ/監督:オットー・プレミンジャー/出演:ダナ・アンドリュース、ジーン・ティアニー、クリフトン・ウェッブ、ヴィンセント・プライス、ジュディス・アンダーソン/第17回アカデミー撮影(白黒)賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
【ローラ殺人事件】の主人公はローラ(ジーン・ティアニー)です。
でもいきなり彼女は殺されています。
もうこの世にはいません。
だったら当然、全編ローラの生前の回想になるんだろうと予想しますよね?
違うんですよねえ~。
結構斬新で好きな展開の映画です。
映画【ローラ殺人事件】のあらすじザックリ
ローラ・ハントが殺された!
広告会社で辣腕を振るう美しく聡明な女性ローラは、金曜の夜に自宅玄関で殺されました。至近距離から散弾銃で頭部を吹き飛ばされ即死。
捜査に当たるマクファーソン刑事(ダナ・アンドリュース)は周囲の人々への聞き込みを開始。
最初に訊ねたローラの恩人の有名エッセイスト、ウォルド・ライデッカー(クリフトン・ウェッブ)の独白で物語は幕を開けますが、全幕ってワケでなくてこの導入部だけ。
ウォルドの回想はあるもののその後はマクファーソン刑事目線で進行します。
誰からも好かれる非の打ち所がない女性
ローラは気が利いて賢くて美しい女性だったって設定なんですけど、ウォルドが話した彼女との出会いの回想においては、ガサツで気の利かない自己中な女としか思えない。
ウォルドの回想によると、とあるレストランで偶然ウォルドを見つけたローラは、ウォルドが昼食中であるにもかかわらず巨大な資料を持ち出して勝手に仕事の依頼を始めます(もちろん初対面)。
お腹を空かせているウォルドが機嫌悪そうに(当たり前)「今食事中なんやけど」とはねつけると、なんとローラは逆ギレ。
お前が失礼じゃ!
「食後に少しよろしいですか?」とか「ご都合の良い時に出直します」とか言えんのか。
言うほど“聡明な女性”か?って結構ここんとこ最後まで引っ掛かったりするんですけど。
食事中の芸能人見つけてサイン求めたり写真撮ってもらったりするのと似たようなもんでしょ?今だと完全にアウトよねこれ?炎上案件。
ローラの周囲には曲者ばかり
ウォルド・ライデッカー
私目線のローラの本性についてはさておき、ウォルドはそんなローラがなぜか気になってたまらず、その後ローラの会社まで出向き謝罪した上で、彼女の依頼を引き受けます。
ウォルドの寵愛ぶりはエスカレートし、ローラに親しい人ができるたびに相手の醜聞を調べ上げ彼女から引き離すようになり、最終的にウォルドはローラのことを「人生の宝物だ」とまで言っています。
お前か?
自分はもうローラに釣り合う年齢ではないし、嫉妬の余り殺した?
お前やろ犯人。(適当)
シェルビー・カーペンター
そんなウォルドの妨害にも負けずローラが結婚を決めたのが(出会った当時)無職のプレイボーイ、シェルビー・カーペンター(ヴィンセント・プライス)。
どうやったらこんだけあからさまに軽薄にしか見えない男に惹かれることができるのか理解に苦しむレベルの男を見る目のなさ。やっぱりローラは“聡明な女性”ではない。絶対。
シェルビーはローラに仕事を世話してもらったばかりか、社内の撮影モデルのダイアンと浮気、さらに信じられないことにローラの叔母のアン(ジュディス・アンダーソン)ともただならぬ関係にある様子。
あーコイツ?
犯人コイツやろ?(適当)
マーク・マクファーソン
てかマクファーソン刑事もちょっとおかしい。
捜査で出入りしているローラの部屋には大きなローラの肖像画が飾られているのですが、マクファーソン刑事は密かに美術商と話をつけてこっそりこの肖像画を買い取っています。
それを知ったウォルドに「君も死んだローラに恋してしまったんやろ?!」と詰め寄られようが素知らぬ顔。
ちょっとちょっと、いくら被害者が美しくて聞き込みを進めれば進めるほど評判がいいからって、捜査に私情交えたらあかんでしょ。
そういえばマクファーソン刑事って、一見冷静沈着で思慮深いような雰囲気出してますけど、実は子供みたいに手癖が悪いんですよね。
落ち着くからと言って野球ゲームをずっと持ち歩いてるし(捜査の合間に遊ぶ)、鍵とか手に持ってるものブンブン振り回してるし。
ホンマはお前なんちゃうんか?(適当)
映画【ローラ殺人事件】の感想一言
ローラを殺した犯人の予想は大方つくんですけど、中盤の展開で私はひっくり返りました。
挙動不審な(嘘嘘、真面目な)刑事を演じたダナ・アンドリュースもカッコいいし、おすすめです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。