1940年/アメリカ/監督:ジョン・フォード/出演:ヘンリー・フォンダ、ジェーン・ダーウェル、ジョン・キャラダイン、チャーリー・グレイプウィン、ドリス・ボードン、ラッセル・シンプソン/第13回アカデミー監督・助演女優賞受賞
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
1962年にノーベル文学賞も獲ってるジョン・スタインベックの同名小説を原作とする映画。
世界恐慌時代のアメリカの混乱した社会情勢を描いた秀作であることは間違いないのでしょうが、映画としてドラマティックな展開やファンタスティックな映像美を期待してしまうと退屈極まりない作品。
文学作品ってこんなものかしらね。
サラッと行きます、【怒りの葡萄】です。
映画【怒りの葡萄】のあらすじザックリ
新天地を求めてルート66を進む一族
その落ち着いた佇まいとは裏腹に、キレると何するか分からない気性の荒さを内に秘めた青年トム・ジョード(ヘンリー・フォンダ)は、酒の席で人を殺してしまい(相手が武器持って暴れてたんで正当防衛っぽい感じ)、4年間刑務所に入っていました。
仮出所してきたトムが自宅に戻るとなぜか家はもぬけの殻。
オトンオカンはもちろん、じいちゃんばあちゃん弟妹含めた大家族の誰一人見当たりません。
残っていた友人に話を聞くと、ジョード一家を含むこの辺り一帯の小作農家は、地主に土地を追われ、新天地を求めてオクラホマからはるばるカリフォルニアに旅立とうとしていると言います。
トムは叔父宅に集まっていた家族と無事合流し、ともにルート66を進む旅に出るのでした。
アメリカ国民なのにまるで移民のよう
家財を売り飛ばして買った1台の車。
そこに10人弱の人間と最低限の生活用品を乗っけて、ジョード一家は進みます。
なんとこの頃、行く先々で同じように土地を追われた農民のキャンプがあるんですよ。今で言う難民キャンプみたいな。
いやいや、この人達みんなれっきとしたアメリカ国民なのによ?
そこではみんながカリフォルニアにさえ行けば仕事をもらえて自分たちの家が建てられるって夢を見ている。
でも現実は、仕事の数の何倍もの人々が押し寄せているから、カリフォルニアに着いたところで仕事なんてないか、もしくはあったとしても足元を見られてあり得ない低賃金でこき使われる可能性が高い。労働組合も労働基準監督署もあったもんじゃない。
それでも戻る家なんてもうないから、彼らは進むしかない。働かせてもらえるなら雇い主の言い値で働くしかない。
警察や役人らしき人達はオクラホマの農民に対してやたらめったら高圧的だし、自分の中にふつふつと沸いてくる怒りを意識した瞬間、「おおこれが“怒りの葡萄”か…」とかワケの分からんことを考えたりすることもあったりなかったり。
哲学に目覚めた長男トム・ジョード
旅の道中何度となくキレそうになるのを、オカン(ジェーン・ダーウェル)の制止で無理矢理抑え込んできたトム。
しかし友人であったケーシー(ジョン・キャラダイン)を警官に撲殺されついにプッツン。
その場で警官に反撃し殺害、またしてもお尋ね者に逆戻りしてしまいます。
迷惑をかけないように家族の元を離れる決意をしたトムは、最後にオカンにこんなことを言っています。
ケーシーは言っていた。
人間の魂は大きい魂の一部なんだと。
その大きい魂は皆につながっている。
そして俺は暗闇にでもどこにでもいて、母さんの見える所にいるよ。
暴動があり飢える人がいたら俺はそこにいる。
警察が暴行を加えてる時俺はそこにいる。
怒りに叫ぶ人の間にもいる。
夕食が用意され幸せな子供たちの所にも俺はいる。
人々が自分で育てたものを食べ自分で建てた家に住む時も俺はそこにいる。
あかんちょっと…
いやちょっとって言うか、全然何言うてるか分かれへん…。
無理やわ私では。
でもオカンやったら息子が何を言わんとしてるかちゃんと分かってるんやろうな…。
映画【怒りの葡萄】の感想一言
強いて言うなら【十二人の怒れる男】で有名なヘンリー・フォンダの精悍な若き姿が必見ですかね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。