1966年/アメリカ/監督:モンテ・ヘルマン/出演:ジャック・ニコルソン、キャメロン・ミッチェル、ミリー・パーキンス、キャサリン・スクワイア、ハリー・ディーン・スタントン、ジョージ・ミッチェル、ルパート・クロス
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
すでに何本かの映画に出演していたものの、まだまだハリウッドで“頭角を現す”とは言い難かった頃のジャック・ニコルソンの初々しい演技が観られる映画。珍しく主演のみならず脚本も手掛けています。
余り知られていない作品ですけど、妙な味わい深さがあってクセになる。
ジャック・ニコルソンとモンテ・ヘルマン監督がタッグを組んだ同年公開の【銃撃(1966)】と同時進行で撮影が行われ、2つ合わせて6週間で完成させた低予算映画、【旋風の中に馬を進めろ】です。
1966年/アメリカ/監督:モンテ・ヘルマン/出演:ミリー・パーキンス、ウィル・ハッチンス、ジャック・ニコルソン、ウォーレン・オーツ、チャールズ・イーストマン注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書[…]
映画【旋風の中に馬を進めろ】のあらすじザックリ
無実なのに逃げなきゃ吊り首になる気の毒なカウボーイ
新天地を求めて旅する3人のカウボーイが、駅馬車から金庫を奪った(その時に人も殺してる)ギャング団のアジトを訪れます。
ギャング団はしばらく3人の出方をうかがい、彼らが無害であると確信するや歓待。バーン(キャメロン・ミッチェル)、ウエス(ジャック・ニコルソン)、オーティス(トム・ファイラー)の3人のカウボーイはアジトの脇で一晩野営することにします。
ところがこれが運の尽き。
翌朝にはギャング団のアジトを突き止めた自警団が押し寄せ、周辺を包囲されてしまいます。
実は3人はここへ辿り着くまでに吊り首にされた死体を見ていて、それが(罪を犯した者に対しては)血も涙もない自警団の仕業であることは分かっていました。ここで今「俺たちは仲間じゃない!」と申し開きをしてみたところで無駄であることは明らかです。
捕まったら吊り首や。
山や。
山へ逃げるしかない。
「正直に弁解したらええやん!」ってちょっと思うとこではありますけど、まあやっぱりこの状況で「たまたま通りかかっただけでえ~す」って言ってみたって信じてはもらえなかったかなって感じですかね。
山に向って逃走する途中、オーティスは自警団に撃たれて死亡。
バーンとウエスは2人で過酷な山越えに挑むのでした。
だんだん気になってくるのは切り株のこと
山頂付近にはどうやって生活しているのかよく分からない一家が住んでいます。夫婦に、若い娘アビゲイル(ミリー・パーキンス)の3人家族。
バーンとウエスはここに押し入り、食事と馬を要求します。
この時の食卓の飯はめちゃくちゃ美味そう。
すっかりくつろいだ2人は何やらオセロみたいなボードゲームまでやっちゃいます。
普段通りのことをしろと言われた母親とアビゲイルは家事をして、父親は切り株に斧を入れに庭先(?)に出て行きます。
バーンとウエスが追われていて、捕まったら間違いなく吊り首にされるひっ迫した状況であることを忘れそうになる不思議な空間。
聞こえるのは切り株を叩く“カーンカーン”という音だけ。
視聴者もウエスも、だんだん父親が斧を入れている切り株のことが気になってきます。
よもや「手伝おう」とか言い出すまいな…。
ウエスとアビゲイルが結婚でもしてここで平和に暮らす…とか言う突拍子も無いオチを一瞬疑ってしまうほど平和でのん気な数分間。からの、スピード感溢れるクライマックスに向けての緩急は、近年で言えばクエンティン・タランティーノ(以下、タラちゃん)の作風に少し似ているような気がします。
そういえばモンテ・ヘルマン監督はタラちゃんの初監督作【レザボア・ドッグス】の製作総指揮も務めているくらいですから、タラちゃんが少なからずモンテ・ヘルマンの影響を受けていることはあり得ない話ではないかもね。タラちゃんは影響受けてる人多過ぎるからワケ分かんないんだけども。
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映画【旋風の中に馬を進めろ】の感想一言
3人のカウボーイがどうして自分の牧場を出て旅をしているのかは最後まで謎。
ウエスと“ケイン”という人物の間に何かひと悶着あったような感じですけど、それも結局教えてくれない。
えっ?!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。