1965年/アメリカ/監督:ノーマン・ジュイソン/出演:スティーヴ・マックイーン、エドワード・G・ロビンソン、カール・マルデン、アン=マーグレット、チューズデイ・ウェルド、ジョーン・ブロンデル、リップ・トーン、ジェフ・コーリー
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
オチが好きな映画です。
時代的にはアメリカン・ニューシネマが隆盛を極める少し前の作品で、ほんのりとニューシネマ臭は漂うものの、ニューシネマにしては分かり易いし意外と乙女チックにまとまっていて好ましい。
スタッド・ポーカーのルールを知らなくてもプレイヤーや聴衆の雰囲気で何となく試合の流れは掴めます。キッド頑張れ!
【シンシナティ・キッド】です。
映画【シンシナティ・キッド】のあらすじザックリ
“ザ・マン”ランシー・ハワードが町に来た
ジャズ発祥の陽気な音楽の町ニューオーリンズ。
そこで暮らす“シンシナティ・キッド”ことエリック・ストーナー(スティーヴ・マックイーン)は、地元では有名なギャンブラー。得意なのはカードだけど、コイン投げだろうと闘鶏だろうと勝敗を競うゲームには滅法強い。
自分に敵う相手も少なくなって物足りなさを感じるようになった頃、キッドはこんな噂を耳にします。
“ザ・マン”ことランシー・ハワード(エドワード・G・ロビンソン)とは、この世界では有名なカードの帝王。
キッドは是非手合わせしたいと目を輝かせますが、昔ザ・マンに大敗を喫しカードから足を洗った友人のシューター(カール・マルデン)は良い顔をしませんでした。
理由は単純、「キッドではまだザ・マンには敵わない」と思っているから。
しかし若者は先人の助言や勘なんて言葉半分にしか聞かないもので、キッドはザ・マンに無謀とも言える戦いを挑むのでした。
扱うゲームが「ポーカー」と「ビリヤード」という違いはあれど、ポール・ニューマンの代表作【ハスラー(1961)】とよく似ています。
1961年/アメリカ/監督:ロバート・ロッセン/出演:ポール・ニューマン、ジョージ・C・スコット、ジャッキー・グリーソン、パイパー・ローリー、マイロン・マコーミック/第34回アカデミー美術(白黒)・撮影(白黒)賞受賞注※この[…]
若くて粗削りだけど天才的なプレイヤー(=シンシナティ・キッドorエディ・フェルソン(ポール・ニューマン))が主人公で、彼がその世界の帝王(=ザ・マンorミネソタ・ファッツ(ジャッキー・グリーソン))に挑むという構図が完全一致。
あと宿敵ザ・マンとミネソタ・ファッツにおける「毛の先ほども勝てる気がしない」レベルの無双感も一致。
ザ・マンなんか酷いもんね。「もう歳や」とうそぶいてみたり長期戦でふらついてみたりして相手を油断させておいて、最終的には勝利をかっさらって行くもんね。
二度とお前の弱音は信じへん。
ギャンブルの世界にウーマンパワー
男のプライドと意地を賭けたスタッド・ポーカーがメインの映画なのですが、意外にも女性が強い印象を残します。それも1人じゃなくて3人。
まずはキッドの恋人クリスチャン(チューズデイ・ウェルド)。
ただ便宜上つながってるだけの同棲相手かと思いきや、キッドを勝負の世界から引き離し空っぽの笑顔にできるのは彼女だけ。でも序盤ではキッド自身もクリスチャンの真価に気付いていません。
2人の関係は意外な結末を迎えますから要注意(少なくとも私には予想外でした)。
2人目はシューターと交代でキッドとザ・マンのゲームのディーラーを務める“レディ・フィンガーズ(ジョーン・ブロンデル)”。
めちゃくちゃ華麗にカードを操る大阪のおばちゃんっぽい淑女。みんながビビってるザ・マンに対して唯一「あんたも歳やろ?もうあかんのちゃう?」なんて失礼な言動を吐きまくる強者。
最後はシューターの歳の離れた妻メルバ(アン=マーグレット)。
これが強烈。
そもそもアン=マーグレットってどの出演作を観ても大抵お胸が半分以上出ちゃってるのはなんでやねん。
1971年/アメリカ/監督:マイク・ニコルズ/出演:ジャック・ニコルソン、アート・ガーファンクル、アン=マーグレット、キャンディス・バーゲン、リタ・モレノ、シンシア・オニール、キャロル・ケイン注※このサイトは映画のネタバレしようがし[…]
そして今回はその欲しがり屋さんなお胸から想像できる通りのビッチを演じてくれるから無条件で白旗を振りかざすしかない。60年代を代表する「歌って踊れるアイドル女優」アン=マーグレットもさすがに【シンシナティ・キッド】では歌いも踊りもしませんが、キッドを誘惑する際のなまめかしい腰の動きでもう十分です。
こんなに悪女らしい悪女もないでしょうよ。
映画【シンシナティ・キッド】の感想一言
ジャズ生誕の地ニューオーリンズが舞台の映画だけあって、エンドロールに流れる主題歌「The Cincinnati Kid」を歌うのはレイ・チャールズ。
肩をすぼめて雨上がりの早朝の町を歩くキッドが目に浮かぶ名曲です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。