1962年/アメリカ/監督:J・リー・トンプソン/出演:グレゴリー・ペック、ロバート・ミッチャム、マーティン・バルサム、ポリー・バーゲン、ロリ・マーティン、ジャック・クルーシェン、エドワード・プラット
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

幸せ一家の大黒柱で弁護士のサム・ボーデン(グレゴリー・ペック)がイカれた前科者マックス・ケイディ(ロバート・ミッチャム)に付け狙われるサスペンス。
すごく怖い映画です。
「怖い」って言っても幽霊が出てくるとか大量の血が吹き出すとかそういうことじゃなくて、サムがマックスに狙われることになったきっかけが老若男女誰にでも起こりうることだから怖いんです。
こんな殺人鬼に襲われることのないように気を付けて生きましょう。
【恐怖の岬】です。
1991年にはマーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ主演で【ケープ・フィアー】としてリメイクされています。
映画【恐怖の岬】のあらすじザックリ
稀にみる知能犯マックス・ケイディ
事の発端は弁護士サムがマックスの裁判の時に証言したことにあります。
マックスが婦女暴行を働いている現場に居合わせたサムは、当然証言台で目にした事実を証言しました。お陰でマックスは8年の実刑を食らいます。
そして8年後、シャバに出て来たマックスはサムの住所や家族構成を調べ上げ、彼の職場(裁判所)に現れます。


先生俺のこと覚えてる~?
先生のせいで8年も食らっちゃったやん。
この恨み忘れてないかんね~。
要するに逆恨み。
これが怖いって言ってるんです。
こんなことされたら仕返しが怖くて正しいことを証言する人がいなくなっちゃう。
自分を逮捕した刑事や判決を下した裁判官にお礼参りするってのもよくあるパターンですけど、これ系はホントやばい。
お前が悪いことせんかったら済む話やろが!…とか言ったところでてんでダメなんですよこういう人種は。聞くわけないしさ、逃げるか関わらないようにするしかない。

それでもマックスがただの頭の悪いチンピラだったらまだマシだったのに。彼はなぜかとっても頭が切れるから始末に悪い。
法や犯罪に詳しいはずの弁護士サムでさえじわじわじわじわ追い込まれていく。
刑務所の中で8年間たっぷり作戦を練っていたとしてもさ、これはもう“知能犯”と言ってもいいレベル。
弁護士のクセにグズグズのグレゴリー・ペック
敵がこんな感じの手強い愉快犯であるもんだから、主人公であるはずのサムがまるで雑魚 のよう。

妻のペギー(ポリー・バーゲン)と娘のナンシー(ロリ・マーティン)まで狙われてると知った瞬間、警察署長である友人のマーク(マーティン・バルサム)にチクる辺りに漂う“いじめられっ子臭”。そして国家権力を使って自宅周辺を護衛してもらったりする。

いやまあ、「家族に危害を加えるぞ」って脅されてるんで普通に考えれば当然なんですけど、映画のヒーローとしてはちょっとイケてない感じ。
グレゴリー・ペックが生来持ってるあの凛とした雰囲気でもってペギーやナンシーに「大丈夫だ、安心しろ」って何度も言うんですけど、彼の考えた自衛策はことごとくマックスに打ち破られてしまいます。
頼りないことこの上ない。

一度なんかは波止場のゴロツキを金で雇ってマックスをボコらせたりするしね?
あかんってそんな手段使ったら!
チンピラにチンピラで対抗したところで事態は好転しないことなんて私でも分かりますよ。
案の定、捕まったゴロツキの一人がサムに雇われたことをゲロったため、大っぴらに警察に警護してもらいにくくなって自分の首をしめちゃうと言う…。
あ~あ~…。
妻子はめちゃくちゃ危険な目に遭う
マックスが知能犯である最大の理由は「本人ではなく妻子を狙う」ってとこ。
弱点を攻めるのは復讐としては実に効果的。自分が逆の立場であったとして一番アタフタするのはコレで間違いないでしょう。

【恐怖の岬】ではサムが不甲斐ないばかりに、か弱いペギーとナンシーはかなり危険な目に遭います。レイプされて殺されててもおかしくない。助かったのはただ運が良かっただけ。

オトン何やってんねん!
終盤になってくるとサムに対してかなりイライラしてくること請け合いです。
ちなみに上の画像の場面では、ペギーはマックスに生卵をピシャッてやられてます。
映画【恐怖の岬】の感想一言
サムが醜態をさらす一方で、マックスはどうやら生来の“嗅覚”を持っていて、サムとマークがいくら罠を張っても張ってもその匂いを嗅ぎとって回避してしまいます。
たかだか8年ぶちこまれたくらいでここまでの復讐心燃やすってのも普通じゃないし、こんな奴に家族を狙われたらと思うとゾッとしますね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。