1983年/アメリカ/監督:マイク・ニコルズ/出演:メリル・ストリープ、カート・ラッセル、シェール、クレイグ・T・ネルソン、フレッド・ウォード、ロン・シルヴァー、ダイアナ・スカーウィッド、ヘンダーソン・フォーサイス
注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!
核燃料製造工場で働いていた実在の人物カレン・シルクウッドの伝記映画。
【バージニア・ウルフなんかこわくない】や【卒業(1967)】のマイク・ニコルズ監督作。
1966年/アメリカ/監督:マイク・ニコルズ/出演:エリザベス・テイラー、リチャード・バートン、ジョージ・シーガル、サンディ・デニス/第39回アカデミー主演女優・助演女優・撮影(白黒)・美術(白黒)・衣裳デザイン賞受賞注※こ[…]
1967年/アメリカ/監督:マイク・ニコルズ/出演:ダスティン・ホフマン、アン・バンクロフト、キャサリン・ロス、マーレイ・ハミルトン、ウィリアム・ダニエルズ、エリザベス・ウィルソン、ブライアン・エイヴリー、バック・ヘンリー/第40回[…]
脚本は【恋人たちの予感】や【ユー・ガット・メール】と言ったロマンティック・コメディで知られるノーラ・エフロン。
1989年/アメリカ/監督:ロブ・ライナー/出演:ビリー・クリスタル、メグ・ライアン、キャリー・フィッシャー、ブルーノ・カービー、スティーブン・フォード注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてま[…]
映画のネタバレにもなってしまうんでアレなんですけど、モデルになったカレン・シルクウッドさんは28歳の若さで亡くなっています。
死因は単独自動車事故とされていますが詳細は不明。
それどころか彼女が事故で亡くなるに至るまでの詳しい経緯は謎に包まれているので(隠ぺいされてる?)、彼女の半生を描いたこの映画もモヤモヤが残る感じで終わってしまいます。
感動的なラストは待っていません、【シルクウッド】です。
映画【シルクウッド】のあらすじザックリ
核燃料製造工場で働くカレンとドルーとドリー
カレン・シルクウッド(メリル・ストリープ)は核燃料を扱う工場で働きながら、彼氏のドルー(カート・ラッセル)と親友のドリー(シェール)と3人一緒にシェアハウスで暮らしています。
このカレンが組合の団交委員に選ばれ、会社の不正を暴こうとする物語。
のっけから同居人のドルーとドリーがややこしい。
最後の最後までどっちがドルーでどっちがドリーか覚えらんなかったわ。
労働組合の委員になったカレンは、自分たちが勤める会社の健康管理や安全対策に問題があることを主張。このままでは核燃料を扱う労働者に深刻な害が及ぶと考えたカレンは密かに調査を始めるのでした。
ところがカレンが会社を告発しようとしていることを知った途端、同僚たちは彼女から離れて行ってしまいます。
理由は、失業したくないから。
こんなずさんな管理の会社でも、倒産されたら困るんです。
カレンは経営者も役員も従業員も含む会社全体を敵に回してしまったってことですね。
シャレにならないミステリー「カレン・シルクウッドの死」
映画ではどちらかと言えば、カレンと離れて暮らす子供たちとの関係であったり、カレンとドルーの仲であったり、彼女の私生活を描いた部分が多いのですが、彼女の死の真相はかなりの闇の中にあってシャレになりません。
調べれば調べるほど私まで政治や社会の闇に呑まれて行くようで嫌になる。
カレンの組合での活動や会社での調査の様子も、映画では割とあっさりと描かれます。…この点も何か圧力が働いて詳しく描写することができなかったのかとか勘ぐってしまうんですけども。
さきほど「同僚たちがカレンを避けるようになった」と書きましたが、この程度で済んだのも飽くまで映画の中だけの話。本物のカレンはいじめのような被害に遭っていたとも言われています。
彼女の遺体は信じられない量のプルトニウムに汚染されていたと言いますし、もう一歩踏み込んで死の真相を描き出して欲しかった部分は正直あります。
ドキュメンタリー映画みたいに…無理?
カレンの組合活動よりもレズビアンのドリー
壮絶なカレンの半生が実際よりもライトに描かれているお陰で逆に脚光を浴びる(?)のが同居人のドリー。
「カレンを愛してるけどカレンはストレートだから葬儀屋に勤める美容師を愛人にするレズビアン=ドリー」と言う難役を【月の輝く夜に】のシェールが文句なしに演じています。
1987年/アメリカ/監督:ノーマン・ジュイソン/出演:シェール、ニコラス・ケイジ、ヴィンセント・ガーディニア、オリンピア・デュカキス、ダニー・アイエロ/第60回アカデミー主演女優・助演女優・脚本賞受賞注※このサイトは映画の[…]
カレンの親友であり良き理解者でもあるドリー。
下手したらドルーよりもカレンのことを愛してるんじゃない?なんて途中までは思っていたものですが、ラストが謎すぎて考え出すとどんどんブルーになってくるんです。
どういうことか説明しましょう。
単独事故であるか仕組まれた事故であるかはひとまず置いておいて、カレンは自動車事故で亡くなると言いましたよね?
ボコボコになったカレンの愛車ホンダ・シビックは、同僚たちが集まる(直前までカレンも居た)バーの前をレッカーされて行きます。
その時、なぜか同僚たちは余り驚いていないんですよ。
カレンの車なんてみんな知ってるのに。
そのカレンの車がボコボコになってレッカーされてるのに。
まるでカレンがその日事故に遭うことを知ってたかのように、平然としてる。
そしてそのバーの隅っこにはドリーもいる。
取り乱すことなく静かに涙を流すドリーがいる。
このラストは何?
嘘でしょ?
まるでドリーもカレンがその日事故に遭うことを知ってたかのような、このラストって何?
映画【シルクウッド】の感想一言
恐らくドルーだけは共犯じゃないと思うんだけど…。
それもこれも真実は闇の中…。
汚染されたカレンの遺体は土や海に廃棄することもできず、ドロドロに溶かされて特別な場所に保管されているそうです…。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
そんなあなたが大好きです。