【ジョーカー】ホアキン・フェニックス

映画【ジョーカー(2019)】あらすじ感想。えぐいし悲しすぎる…のか?

2019年/アメリカ/監督:トッド・フィリップス/出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイ、ブレット・カレン、ビル・キャンプ、シェー・ウィガム、グレン・フレシュラー/第92回アカデミー主演男優・作曲賞受賞

注※このサイトは映画のネタバレしようがしまいが気にせず好きなこと書いてます!未視聴の方はご注意ください!

【ジョーカー】ホアキン・フェニックス
©Joker/ジョーカーより引用

公開されるや世界中で大きな話題を呼んだサイコスリラー。

日本を含む世界各地で模倣犯が現れたのもそれだけ映画の影響力が大きかったということ。

【スタンド・バイ・ミー】の演技が絶賛されるも23歳の若さでこの世を去ったリヴァー・フェニックスの弟、ホアキン・フェニックスの名演にも注目が集まりました。

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ホアキン・フェニックスは本作の演技で第92回アカデミー主演男優賞を獲得しています。

【ジョーカー(2019)】です。

 

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映画【ジョーカー(2019)】のあらすじザックリ

1981年の荒廃したゴッサム・シティ。アーサー・フレックはこの街で派遣ピエロとしてわずかな金を稼ぎながら年老いた母親とつましい生活を送っていた。彼にはコメディアンになるという夢があった。ある日、地下鉄で酔っ払った3人の証券マンに絡まれたアーサーは、同僚から「護身用に」と託されていた銃で3人を射殺してしまう。

【ジョーカー(2019)】における「ジョーカー」

みなさん、タイトルにもなっている「ジョーカー」って誰のことかはご存知ですよね?

そうです、アメリカのDCコミックス「バットマン」に出てくるスーパーヴィランです。キャラクターも立っていて「バットマンの宿敵」としてとにかく人気が高いので、アニメ作品然り、映画にもこれまで何度も出演しています。

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歴代ジョーカーについてはまた別の記事で触れるとして、本記事ではコメディアンを目指す不幸な境遇の男性がスーパーヴィラン“ジョーカー”になるまでを描いた映画【ジョーカー(2019)】についてウダウダ言うていきます。

 

主人公のアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)は、ひとたび発作が起こるとところ構わず笑い出してしまうという珍しい病気を患う中年男性。他にもなにやら色々と併発しているらしく、毎日7種類もの薬の服用が欠かせません。

結婚はしておらず、病弱な年老いた母親ペニー(フランセス・コンロイ)と二人暮らし。コメディアンを目指してはいるものの定職には就けていないようで、派遣ピエロとして僅かなお金を稼いでいます。食べてないからか病気のせいか、身体は背骨が浮き上がるほどガリガリで、母親以外に心を許せる親しい人もいない様子。

【ジョーカー】ホアキン・フェニックス
©Joker/ジョーカーより引用

ある日ピエロに扮して閉店セールの客寄せアルバイトをしていたアーサーは、アホの不良少年たちにボッコボコにされてしまいます。理由?理由なんか知らんよ、あいつらがアホやからちゃう?

【ジョーカー】ホアキン・フェニックス
©Joker/ジョーカーより引用

ランドル

ランドル

これやるわ。
護身用に持っとけや。

勤務中の暴行事件を聞いた同僚のランドル(グレン・フレシュラー)からそう言って手渡されたのは一丁の銃でした。

この銃を手にしたことで、今まで虐げられるだけだったアーサーはヴィランの頂点に立つ「ジョーカー」へ変貌するきっかけを得るってわけ。

「えぐい」?「悲しすぎる」?そう?

全然おもろないのにコメディアンになりたいとか言ってる変わったおっさんではあるけど、バスで前の座席に座ってた男の子を変顔で笑わせてあげたりする優しい心の持ち主、アーサー。

彼は荒廃したゴッサム・シティの中にあっても最下層の人種に当てはまります。

【ジョーカー】ホアキン・フェニックス
©Joker/ジョーカーより引用

彼の不幸な境遇を目の当たりにして「えぐい」とか「暗い」とか「悲しすぎて観てられない」とか言われがちな映画なんですけどね、私は正直「そう?」って思いましたよ。

いや分かってます分かってます。

アーサーが難病を患っていることも、コメディアンを目指したのは「“ハッピー”(ペニーはアーサーをこう呼ぶ)は人を笑わせて幸せにしてね」という愛する母親の言葉があってのことだってことも、そのペニーが実の母親ではなかったうえ幼い頃彼女に虐待されていたことも分かってます。

憧れの人気コメディアン、マレー・フランクリン(ロバート・デ・ニーロ)に全国ネットで笑いものにされたことも分かってます。

【ジョーカー】ホアキン・フェニックス
©Joker/ジョーカーより引用

アーサーの人生は悲惨で貧困で孤独です。分かってます。

分かってますけど、それにしたって、「そんなに観てられへんほどえぐいか?」って思います。

 

そう思う理由のひとつは、ペニーを殺せたこと。

 

アーサーは唯一の肉親でかつ唯一自分を愛してくれる存在だと信じていたペニーが本当の母親でなく、おまけにかつて自分を虐待していた狂人であったことが分かったあと、自らの手でペニーを殺すんです。殺せる・・・んです。

【ジョーカー】ホアキン・フェニックス
©Joker/ジョーカーより引用

子供の頃に親(もしくは親と信じていた人間)から虐待された経験を持つ人って、その事実を知ったからと言ってすぐにこうやって加害者へ敵意を向けることができるものなの?自分が虐待されていた証拠となる写真があろうが記録があろうがよ?誰だって自分が一切の親の愛を受けずに育っただなんて信じたくないじゃない。だから虐待された子供たちは心が壊れてしまうんじゃないの?

アーサーのように「今までおかんが言ってたことは全部嘘やった!俺虐待されてた!こんなババア殺したる!」ってなれたならまだマシなんじゃないの?って思いましたけどね私は。

 

むしろその殺意が加害者にでなく自分自身に向かなかったことが喜ばしいくらい。

なぜに彼をバットマンの宿敵「ジョーカー」にしなければならなかったのか

そもそも【ジョーカー(2019)】の主人公がなぜ「バットマンの宿敵」の「ジョーカー」である必要があったのやら?

ホアキン・フェニックスの演技には圧倒されたけど、いや圧巻の演技であったからこそ、別にアーサーは「ジョーカー」じゃなくても良かったんじゃない?

【ジョーカー】ホアキン・フェニックス
©Joker/ジョーカーより引用

タイトルも【アーサー・フレック】とかいってさ。【バートン・フィンク】みたいに。【ジョン・ウィック】でもええか。【フォレスト・ガンプ/一期一会】みたいにサブタイトルつけるのもいいかもね。【アーサー・フレック/虐待を乗り越えて】みたいな。だっさ。

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「バットマン」の正体であるブルース・ウェイン坊ちゃん(ダンテ・ペレイラ=オルソン)も少年の姿で出てきますけどもよ。要るかブルース・ウェイン?

【ジョーカー】ホアキン・フェニックス
©Joker/ジョーカーより引用

「アーサー・フレック」の物語だけで十分成立してると思うのに、なんで「バットマン」絡めたん?

ねえねえねえ。

これで【キング・オブ・コメディ】のリメイクじゃないなんて

て言うかこれってマーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ主演による1982年の映画【キング・オブ・コメディ】のリメイクだよね?

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違うの?

どこをどう探しても「【ジョーカー(2019)】は【キング・オブ・コメディ】のリメイクである!」って明言してるソースは見つからなかったんだけどね。

でもじゃあなんでアーサーが憧れる人気コメディアンのマレー・フランクリンにわざわざ【キング・オブ・コメディ】で主演を張ったロバート・デ・ニーロをキャスティングしてんのさ。同年代の俳優ならアル・パチーノでもスライ(シルヴェスター・スタローンの愛称)でも良かったでしょうに。

【ジョーカー】ホアキン・フェニックス
©Joker/ジョーカーより引用

まあ【キング・オブ・コメディ】の主人公ルパート・パプキン(ロバート・デ・ニーロ)に比べたら【ジョーカー(2019)】におけるアーサーの人生ってヘビーすぎるけどもやな。

【ジョーカー】ホアキン・フェニックス
©Joker/ジョーカーより引用

結末は違えど「コメディアン目指してる男が主人公のはずなのに全然笑えない」という意味ではどっちも一緒。

映画【ジョーカー(2019)】の感想一言

【ジョーカー】ホアキン・フェニックス
©Joker/ジョーカーより引用

朱縫shuhou

朱縫shuhou

ホアキン・フェニックスの「笑う場面じゃないのにこらえようとすればするほど止まらなくなる“笑い”の発作」の演技を観てる時って、万国共通でみんな変な顔になってるんでしょうね。
だって「ちょっと1回やってみよ」って思ったでしょ?
嘘やん、思ったって。意識してなくてもなんとなく絶対みんな変な顔して観てしもてるって、絶対。
私はやってみましたよ、「笑う場面じゃないのにこらえようとすればするほど止まらなくなる“笑い”の発作」が起きたつもりで。実際に声に出して笑ってみたわけじゃなくて表情だけね。
ただ変な顔になっただけやったけど。
 
いやあの演技はねえ~、ほんとに、悲しいというか、苦しいというか、ねえ?観てると涙出そうになるよね。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

そんなあなたが大好きです。

朱縫shuhou 天衣無縫に映画をつづっている人

朱縫shuhou

「天衣無縫」と「温故知新」を信条として、主に古い洋画を好む映画好き。様々な映画を観たいのにホラーだけは怖くて観られない可哀相な初老。

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